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『ゼロックスは、熱意ある、そして革新的な人々の集まりである。単に利益やビジネスの成功だけでなく、責任ある行動をとり、顧客にとって価値あるサービスをし、また奉仕者としての自尊心の根源をもなすような、そういった足跡を社会に残したいと願っているのだ。』これは、ゼロックス社の創業時の経営者であるジョー・ウィルソン氏の言葉です。
企業の責任が拡がりをみせている現在、社会や相手の立場にたった節度ある事業活動が求められています。
創業当時、富士ゼロックスの経営陣は、高い理念を掲げて社会的な役割に取り組むゼロックス社の先進性に刺激をうけ、こうした会社を日本でも作りたいと心を燃やしました。そして、正しい行動とはなにか、社会に対する企業の責任はなにかといったことを、率直に話し合う組織文化が創られてきました。
さらに営業地域が拡大して、米国、東南アジア、オセアニアの仲間達と一緒に働くことになったことを契機に、1998年にMission Statement(私たちが目指すもの)とShared Values(私たちが大切にすること)を制定しました。このShared Valuesには、もちろん『高い倫理観』が盛り込まれています。
富士ゼロックスおよび関連会社において、『高い倫理観』は最も根本的な価値観といえます。
法令を遵守し、フェアで誠実な事業活動を行うことは、当社が大切にする基本的な価値観の一つです。企業の不祥事が後を絶たない中で、富士ゼロックスおよび関連会社では、2003年から企業倫理・コンプライアンス体制の再構築に取り組んでいます。
2004年には、当社および日本国内の関連会社共通の倫理・コンプライアンスに関する行動方針を定め、経営トップの強い意思のもと、役員および従業員一人ひとりの行動に定着させるよう、体制・仕組みの充実を図っています。
CSR会議の下部委員会である「倫理・コンプライアンス委員会」では、法務担当の常務執行役員を委員長とし、研究・技術開発・商品開発・生産・営業担当の各執行役員、人事・総務・経営監査・CSR担当の各部長、国内関連会社(2社)の役員、顧問弁護士が委員を務める体制を整えています。事務局は法務部が担当し、定期的に開催されます。企業倫理・コンプライアンスに関係する重要な施策の企画・導入・フォローは原則としてこの倫理・コンプライアンス委員会で審議しますが、特に重要な事項は上位の機能会議体で正式決定します。
また、海外を含む全関連会社においては、倫理・コンプライアンスに関する推進責任者を選任し、グローバルで倫理・コンプライアンス管理体制の整備に努めています。さらに、海外販売会社では、各国の法令に沿ったチェックリストを作成し、半年に1回自己監査を行っています。
2010年度は一部の海外生産会社においてチェックリストに基づく自己評価および当社の内部監査部門による内部監査を実施しました。

当社では、「私たちが目指すもの」「私たちが大切にすること」に照らして従業員一人ひとりが実践すべき社員行動規範を1997年から導入して、エシックスマネジメントに注力しています。2007年度には、当社が2002年度から参加している国連グローバル・コンパクトの実践を確かなものにする目的で、社員行動規範を一部改定しました。富士ゼロックス国内だけでなく海外関連会社・販売会社でも各国語に翻訳し展開しています。
2008年度に、企業倫理やコンプライアンスの通報・相談の窓口として「オール富士ゼロックスコンプライアンス・ヘルプライン」を導入しました。これは、1997年度に開設したセクハラ防止ホットラインと2003年度に開設した企業倫理ヘルプラインを統合したものです。富士ゼロックスおよび国内関連会社で働くすべての従業員から法令や企業倫理に関する通報・相談を受け付けています。2010年度の受付件数は77件あり、適切に対応しました。
また2009年度から2010年度にかけて、富士ゼロックスおよび国内関連会社においてeラーニングによる「オール富士ゼロックスリスク管理教育」を展開しました。この教育は、行動規範の理解を深めることによって従業員の倫理・コンプライアンス意識の強化を目指すものです。今回は「ハラスメント行為の撲滅」について、基本的な事柄を再確認しました。今後も当社および関連会社の倫理・コンプライアンス推進責任者と連携をとりながら教育・啓発活動を粘り強く継続します。

社員行動規範と行動規範ガイドブック

オール富士ゼロックス コンプライアンス・ヘルプラインの仕組み
富士ゼロックスおよび日本国内の関連会社においては、2008年度から基礎的な法律全般に関する知識を身に付けることを目的としたオール富士ゼロックスコンプライアンス教育(一般法務教育)を展開しています。この教育教材は、富士フイルムホールディングス、富士フイルムと合同で作成し、「法務リスク診断テスト」として実施しています。
2010年度は、一般法務教育に加え、不祥事の発生防止を目的として、不正防止教育(不正事例と不正防止のチェックポイントの紹介)を実施しました。さらに2010年度は、前年度に引き続き、時事に即した法務関連のニュースをわかりやすく解説した「やさしい法務NEWS」を原則月2回、イントラネットに掲載し、法務意識の向上をはかりました。その結果、22,196名の従業員が受講した2010年度のテストでも、項目別の正答率のバラツキが少なくなるなど、法令基礎知識の理解が進みました。
また、法的リスクが高いと判断した法令分野については、遵守事項を整理したテーマ別コンプライアンスガイドライン注1の充実を図っています。
2011年度は、コンプライアンスのさらなる徹底のため、一般法務教育を継続するとともに、「やさしい法務NEWS」を定期的に掲載し、その中で読者参加型で自ら答えを考える要素も盛り込んで、全従業員に法令基礎知識の定着化を図ります。
富士フイルムグループの人権への取り組みの基本精神として、2007年4月に制定された「富士フイルムグループ企業行動憲章」のなかに「あらゆる人権を尊重する」ことが定められています。
当社では毎年、新入社員研修や新任マネージャー教育などの階層別教育、一般従業員向けのオール富士ゼロックス行動規範教育の中で、人権全般、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、メンタルへルスなどに関する教育を実施しています。
また、人権啓発標語の募集、各本部長へは年二回人権に関する機関紙の配布などを行い、人権意識の向上に努めています。
さらに、サプライチェーンにおいて人権侵害が発生しないよう、CSR調達の仕組みの中で取引先への要請と当社による評価の徹底を図っています(詳しくは、「購買倫理」をご覧ください)。なお、2010年度は、人権問題にかかわる紛争・裁判などの重大な事件はありませんでした。2011年度も、従来の活動を継続し、人権侵害の防止、人権意識の向上に努めます。
基本的人権の尊重は、コンプライアンスの中でも最も基本的なものです。個人の尊厳を核とする人間としての生まれながらの権利の尊重・擁護なくして、コンプライアンスは成り立ちません。ここに記載した項目を守ることは、わたしたちの職場環境をより良いものとし、真の生産性向上につなげるためにも不可欠なものです。
(1)人権の尊重・擁護
わたしたちは、国際的に宣言され、また各国の憲法や判例で保障された基本的人権を尊重・擁護し、基本的人権を侵害しません。
(2)差別の禁止
わたしたちは、互いに個人として尊重し、民族や人種、宗教や政治的信念、思想信条、性別、出身や家柄、障がい、年齢などを理由とする差別をしません。
(3)ハラスメント行為の禁止
わたしたちは、性別や職権・地位などを背景にした個人の尊厳を傷つける言動(セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント)、その他一切のハラスメント行為を行いません。
(4)プライバシーの保護
わたしたちは、職場や業務を通じて知りえた個人の私生活に係る情報を本人の明確な同意なくして開示しません。
(5)労働基本権の尊重・擁護
わたしたちは、労働者の団結権、団体交渉をする権利など、労働基本権を尊重・擁護し、労働基本権を侵害しません。
(6)強制労働・児童労働禁止
わたしたちは、いかなる強制労働及び児童労働にも関与しません。
(7)労働安全衛生
わたしたちは、労働安全衛生に関する法令や労働災害の防止のために定められたルールを順守します。また、安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進し、これらに反する行為はしません。