ヴァイオリン界の巨匠イツァーク・パールマンは、クラシックの音楽家が通常経験しえない”スーパースター“の位置に立っている。才能だけでなく、その魅力と人間性をもこよなく愛されているパールマンであるが、著しい芸術的手腕のみならず、音楽を奏でることに対する彼の押え切れない喜びを、世界中の誰もが高く評価している。そして2003年ジョン・F・ケネディ・センターは、彼の著しい業績と文化、教育への貢献を讃えて、演奏家にとってアメリカで最も価値のあるケネディ・センター名誉賞を授与した。
1945年イスラエルに生まれたパールマンは、テル・アヴィヴ音楽院を卒業後、ニューヨークに渡ってすぐに演奏活動を始めるが、そのきっかけとなったのは、1958年の「エド・サリバン・ショー」への出演であった。その後、イヴァン・ガラミアン、ドロシー・ディレイ両師のもとジュリアード音楽院に学び、1964年、権威あるレーヴェントリット国際コンクールで優勝したことが、世界への飛躍の足がかりとなった。以来、世界中のあらゆる主要オーケストラとの共演やリサイタルを数多く行なっている。
彼はここ10年ほど指揮台にも立ち、聴衆を魅了している。またテレビ番組でも活躍しており、過去4回にわたりエミー賞を受賞。スティーブン・スピルバーグ監督のアカデミー賞受賞作品「シンドラーのリスト」では、ヴァイオリン・ソロを演奏している。レコーディングは、定期的にベスト・セラー・チャートに載り、15のグラミー賞を受賞している。
彼は教育活動にも積極的に取り組み、毎年ジュリアード音楽院で夏期講座を受け持っている。また多くの大学が彼に名誉学位を与えており、ジュリアード音楽院からは2005年の100周年記念行事において、名誉博士号と記念メダルを授与された。そして1986年レーガン大統領から「モデル・オブ・リバティ」、2000年クリントン大統領から「ナショナル・モデル・オブ・アーツ」の称号も与えられている。パールマンがステージに立ち、カメラに収まり、そしてさまざまな場面に登場することは、身体の不自由な人々の代表として語ることにもなる。従って、彼の人生にとっては、身体の不自由な人々への貢献がとても大切な部分を占めているのである。


