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イベントリポート: 「GRAPHICATION」トークショウ

富士ゼロックス広報誌「GRAPHICATION」Presents
高橋 敏夫(文芸・文化批評家) × 武内 涼(作家)トークショウ 2017
— だから時代小説はおもしろい

2017年2月2日(木) — 毎日新聞東京本社の毎日ホールにて、文芸/文化批評家の高橋敏夫さんと作家の武内涼さんによるトークショウを開催いたしました。高橋さんには約10年にわたってエッセイ「時代小説の中の現代」を富士ゼロックスの企業広報「GRAPHICATION」に連載してくださったご縁があり、近年ますます読者を広げる時代小説についてそのおもしろさを直接お聞きしたいと「GRAPHICATION」の創刊50年、電子化1年を記念して初めてのイベントを企画しました。

富士ゼロックスの企業広報誌は1966年7月に「パイオニア」として発行を開始し、翌年1967年3月に「グラフィケーション」に改称、その後1969年1月に「GRAPHICATION」として新装刊、以来2015年9月発行の200号(通巻389号)まで雑誌形式で発行し、2015年12月から現在の電子版に移行しました。

富士ゼロックスの原点とも言える“Better Communication”にコンセプトを求め、文化と科学、自然の3つを機軸とした多元的なテーマを取り上げ、混迷の続く社会の中でわずかでも光明を感じとり、新しい秩序への手がかりを得ようと毎号取り組んでいます。

当日は約100名の時代小説ファンにお集まりいただき、出版社の新潮社、カドカワ、徳間書店、原書房のご協力による著書の即売コーナーではご登壇のお二人が快くサインに応じられ、非常に賑わい感のある盛況な会となりました。トークショウは『だから時代小説はおもしろい』をテーマとして、人はなぜ時代小説に惹かれるのか、新たな時代小説作家が次々と現れるのはなぜか、これをお二人に話し合ってもらいました。

本の売れないご時勢にあって、書籍売場の一角を堂々と占拠する時代小説。1990年代から勢いを増し今に続く隆盛は、現代の人気作家、和田竜、万城目学、武内涼らを輩出しています。もちろん女流も元気で、高田郁、畠中恵などがヒットメーカーとして存在感を示し、そのフレッシュな作者が描きだす作品には、ファンタジー、ホラー、SFなどの要素が組み合わされたものもあり、これまでにない若い世代の読者を惹きつけています。

気鋭の書き手による型に嵌らぬ奔放な娯楽表現の一方で、その本質には、市井の人々を描き続けた藤沢周平や山本周五郎の世界観と変わらぬものがあります。そこに貫かれているものは、徹底した時代批判でしょう。仲間とのつながり、家族のあり方、自由と平和を求める闘い…。トークショウでは、歴史に舞台を借りながら、そこに写される人々の日常や生き様を現代に照らすことで、その先にある希望の世界を探りました。

話題は、歴史小説と時代小説の違い、「史実にのっとって書いているのが歴史小説で、歴史を背景に物語を描いているのが時代小説だと思います」という武内さんと、「歴史小説はノンフィクションの度合いが強く、時代小説はフィクションの度合いが強いものという違いがあります」とまとめた高橋さんの認識合わせからスタート。

その後、スーパースター司馬遼太郎(1923-1996年)と、生前に全集が出た希有な作家とされる藤沢周平(1927-1997年)の両雄を軸に議論が進み、映画監督になりたかったという武内さんがなぜ時代小説家になったか、そんな裏話にまで話が及んで、予定された90分をオーバーするほど熱のこもった時間となりました。

高橋 敏夫(たかはし としお)

1952年香川県生まれ。文芸・文化批評家。早稲田大学文学部日本文学科卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。日本近・現代文学、文学理論研究。現在、早稲田大学文学学術院(文学部)教授。文芸評論から演劇、映画、マンガ、音楽まで幅広い文化状況を批評する。著書に『ゴジラが来る夜に』『周五郎流』『藤沢周平̶負を生きる物語』(尾崎秀樹記念・大衆文学研究賞)『井上ひさし 希望としての笑い』『「いま」と「ここ」が現出する』など多数。

「GRAPHICATION」に連載した「時代小説の中の現代」は『時代小説に会う!』『時代小説が来る!』『時代小説はゆく!』(原書房)にまとめられている。

武内 涼(たけうち りょう)

1978年群馬県生まれ。作家。早稲田大学第一文学部卒業。映画、テレビの制作に携わった後、第17回日本ホラー小説大賞の最終候補となった「青と妖」を改稿・改題した『忍びの森』でデビュー。他の作品に「妖草師」シリーズ、「忍び道」シリーズ、「戦都の陰陽師」シリーズ、『鬼狩りの梓馬』『吉野太平記』など。2017年1月に最新刊『駒姫 三条河原異聞』『秀吉を討て』(文庫版)を刊行。

表紙ギャラリー

1969年に新装刊「GRAPHICATION」の、当時の貴重な「表紙」56点が展示されました。2月2日に会場で展示された表紙は下記のリンクからご覧いただけます。

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