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時代はアメリカ主導の20世紀から「アメリカ以外」の国による世界へと変化を始めました。戦争、テロ、疫病、天災被害のニュースが絶えない混沌とした日々のなかで、これからどのような世界になるのか、どこが中心となるかを世界中が注視しているように思います。
その中でも中国が最も注目される大国の一つであることは間違いありません。中国は素晴らしい歴史を持ち、誇り高い国民に恵まれた国です。開放政策後の経済成長は、世界における存在感を強く印象付けました。中国と日本との関係を見ると、経済の結びつきだけでなく、政治の歩み寄りも着々と進んでいると思います。その反面、急激な変化は経済格差や環境問題を生み、本当に悩ましいところにきていると思います。
その意味で、これからの経済発展に伴い中国が抱える多くの問題は中国だけの問題ではありません。中国がバランスのよい楫(かじ)取りで国際社会に仲間入りして、それが世界のサステナビリティにつながるよう、先進国やアジア諸国が何をできるか、また中国自身がそうした世界の心配を払拭して誠実に取り組むことがとても重要だと思います。
これからの時代、いずれの国も、さまざまな国との接点を豊かにして、情報の質・量を強化して、対等に共存できる関係を築かなければなりません。そのためには、社会や市民の視点でバランスのとれた物の考え方のできる人材を増やすことが急務だと思います。そういうことは、政治家や役人だけに任せるのではなく、企業の人間が率先して行動を起こさなければ実現しません。世界の隅々まで企業が張り巡らせた拠点で人材を鍛えること、日本企業の経営層に外国の役員を招くことなどはその手段として考えられます。
私は、2003年から新日中友好21世紀委員会の日本側座長に就任して、さまざまな角度から日中関係について議論し、両国政府に提言・報告を行なっています。その活動を通じて、青少年の交流やメディアの役割は特に注意を払うべき課題だと感じています。
世界を席巻した投資家中心の市場原理主義は、いろいろな局面でその問題性を露呈しています。若者世代に拝金主義が広がらないよう配慮することは世界のサステナビリティにとって重要な視点であると思います。
また、相手国の政治家の発言を取り上げて、民族主義的な非難を加える姿勢は、お互いに慎む必要があります。政治は本来、国内優先であり、外交上の重要な事項についてダブルスタンダードととらえられがちな発言が避けられないからです。それを前提に、相手国が本当に言いたいことは何か、どう対話すれば誤解を生まずに建設的な関係が築けるかを考える大人の智恵が求められると思います。
中国のほかにも、インド、イスラム圏、アフリカなど世界のあり方に影響を与える国々が控えています。仕事や生活を一緒にすれば、どんな国や地域の人々であっても心が通じる経験は皆さんにもあると思います。偉ぶるでもなく、卑下するでもなく、対等な付き合いを深めること、そして相手の問題が良い方向に解決するようアイデアを出し合っていくことが、世界の平和と安全、ひいては世界のサステナビリティにつながると信じています。