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富士ゼロックスの人事制度の基軸となるのは「役割」です。会社が経営目標達成のために「役割」を提示し、それに対して従業員が自己の能力・専門性を発揮して目標達成につなげることで報酬と成長の実感を得るという、会社と従業員の対等な関係を築いていくことを目指しています。
その推進のため、2006年10月より以下の5つのポイントを柱とする人事制度を導入しています。
この新人事制度においては、従業員それぞれの「役割」における設定目標の遂行度合いを見る「役割遂行評価」、従業員個々の発揮能力を測る「コンピテンシーアセスメント」の二つの評価の仕組みがあり、個々の役割と役割遂行に伴う貢献・成果の度合いによって処遇が決定されます。これら評価・処遇制度の適切な運用は、経営戦略が各組織で十分に展開され、戦略目標が達成されるためにも、また各従業員が自分の能力を伸ばし、成長していくためにも、重要な意味を持っています。
上記に挙げた全社共通の人事制度を基盤として、各組織および組織を担当する人事部員が実際の運用を担っています。各組織においては、組織目標を達成するために「役割」を適切に設定し、そこに最適な人材を任用すること、組織目標・方針の下位組織への展開や個々の従業員の目標設定を適切に行なうこと、組織業績を踏まえて、個々の従業員の評価を実施し、次に向けたレビューを行なうこと、などのPDCA※をまわしていきます。組織担当の人事はそのサイクルをサポートする役割を担います。
※業務をPlan(計画),Do(実行),Check(評価),Act(改善)の4つのプロセスを順に実施することで継続的に改善するマネジメントサイクルのこと。
目標設定の過程においては、各部門に設定された役割と達成目標を受けて、各グループ長/チーム長が「目標設定ワークショップ」を主催します。主催者が、上位目標を展開し、メンバーの役割とのつながりを説明するとともに、メンバー全員でそれを受けて適切な目標設定について話し合います。
2007年度は、前述の取り組みが現場の中でさらに定着するように施策を実施しました。ひとつには、イントラネット上に役割遂行評価システムを構築し、評価のプロセスが全社でしっかり実施されるようにしたことです。また、このシステムを通じて目標設定ワークショップの実施状況を各部門のマネジャーから報告してもらうようにもしました。
コンピテンシーアセスメントにおいても、より公平で信頼性のある評価を行なっていくために、部門ごとの評価分布をフィードバックし、評価者による結果のばらつきを減らすための活動を行ないました。今後は評価をする際に使う設問の見直しをするなど、発揮行動(コンピテンシー)をより適切に評価できるように改善を図っていきます。
新人事制度から1年が経過した2007年は、外部コンサルティング会社の意見も取り入れながら、人事制度についてのレビューを実施し、課題の確認を行ないました。また、モラールサーベイにある人事制度や評価に関する項目をトレンドで分析し、制度に対する従業員の意識を確認していくようにしました。
全体の方針に変更はありませんが、こうした結果は、今後の取り組みに反映させていく予定です。そうして、従業員一人ひとりの成長という観点も踏まえて評価・マネジメントが可能になるよう、マネジャー層への教育などにも力を入れていきます。