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1台のカメラで対象物(マーカー)を撮像し、その3次元位置と3軸角度を高精度に計測。
現在、生産現場でのロボットの位置制御や作業者の行動分析など、任意空間で対象物の位置や姿勢を計測し、それを活用するシステムが数多く開発されています。一般に3次元空間での位置測定方法としては、図1に示す三角測量が良く知られています。しかし、三角測量を用いるシステムでは、カメラが2台以上必要であり、2台のカメラの正確な位置合わせやカメラの自動焦点機構の搭載など、構造のシンプル化には大きな課題があります。
そこで、富士ゼロックスではこの課題を解決するため、1台のカメラで且つ焦点合わせが不要な3次元位置計測技術を開発しています。
図1:三角測量の原理を用いた位置測定
3次元空間中にある対象物の位置と姿勢を1台のカメラ画像から計算する方法は盛んに研究されています。3次元空間での位置関係が分かっている対象点(マーカー)の場合、6点以上の対象点を撮像すれば、撮像した2次元画像からマーカーの位置と姿勢を算出することができます。対象点が同一平面上にある(同一直線上にはない)場合は、4点から算出が可能です。
今回富士ゼロックスで開発した計測技術は、マーカーとして5ヶのLEDを用い、これを一台のカメラで撮像します。計測用カメラは図2に示すように、レンズの球面収差を利用して点光源を自動フォーカス不要でリング像に変換します。リング像全体を用いて円中心の位置を検出するので、点光源を点像として撮像する普通のカメラより、高精度に画像位置を検出できます。また、普通のカメラでは、位置精度を上げるために点像を拡大させた場合、視野範囲が狭くなる欠点がありますが、本計測カメラでは広い視野を確保したままリング像を撮像できます。
図2:リング像の形成
また、図3に示すようにマーカーが小型の場合、4点で構成する面の傾き方向の測定が不安定という問題があります。この課題に対しては、図4に示すように4点の平面とは異なる平面の1点に5ヶ目のLEDを設けることで傾き方向を容易に検出できるように工夫しています。
図3:わずかに傾けた小型マーカーの撮像
図4:5ヶ目のLEDを設けたマーカー
5ヶのLEDを搭載した51mm角のカードをマーカーとした実験では、4m離れた位置で、位置精度はZ軸(距離)方向が距離の0.7%以内、xy面内方向は距離の0.1%以内、y軸回りの角度精度は1.5度と、カメラ1台(120万画素)と小型カードというシンプルな構成で高精度に位置と角度の計測が可能になっています。