国/地域:
富士ゼロックスは、複写機などに使われるプラスチック材料を環境に優しい材料に置き換えていくための研究開発に取り組んでいます。
バイオマスプラスチック(植物由来プラスチック)は、原材料である植物が光合成によって大気中から二酸化炭素を吸収し、その二酸化炭素を利用してプラスチック材料を作っていることになり、排出される二酸化炭素の量は植物が吸収した分と相殺されます。この考え方をカーボンニュートラルといいます(図1)。

図1:カーボンニュートラルの概念
しかしながら、バイオマスプラスチックは石油由来のプラスチックに比べて、
など、耐久性や安全性の面で課題があり、複写機などの長期間使用される電気製品への利用は進んでいませんでした。
富士ゼロックスが開発したバイオマスプラスチックは、飼料用とうもろこし由来のポリ乳酸と呼ばれる樹脂材料の割合が、重量比で30%以上という既存トレンドより高い量の植物由来樹脂を含有しながら、これまでのプラスチックと同程度の強度と難燃性を実現しました。このプラスチックは日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラマークを取得しており、いくつかの製品に導入されています。
また継続して植物度を高めたバイオマスプラスチックの研究をすすめており重量比で50%以上を達成するプラスチックの開発にも成功しています。
重量比30%以上の現行材料はポリ乳酸と石油由来樹脂であるポリカーボネートとのアロイ(複合)樹脂ですが、開発したプラスチックは、ベースとなるプラスチック成分はポリ乳酸のみとしました。物性を向上させるために使用する添加剤も石油由来の材料を極力使用しないことで、石油由来成分の使用率を10%未満に抑えています。
一般に植物度を高めるためにポリ乳酸を増加させると、難燃性、柔軟性が悪化し、水分等による加水分解も起こりやすくなります。
そこで難燃剤を工夫することで難燃性を向上させ、また低吸湿性の材料を使用することでポリ乳酸の加水分解を抑えました。さらに柔軟性を向上させるために新しく添加剤を加え、衝撃に強い材料としました。(図2)(図3)
このようにして開発したバイオマスプラスチックは、植物度50%以上のプラスチック部品に与えられる、「バイオマスプラ50マーク」を取得しました。

図2:新しい添加剤を加えた前後の柔軟性比較
新しい添加剤を加える前

新しい添加剤を加えた後

図3:面衝撃試験結果
500gの鉄球をある高さから落とした結果
テクニカルレポート