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トナーカートリッジは、微粒子であるトナーを樹脂ケース内に外部に漏れないように保持した上で、必要な時に必要な量を複合機内の現像システムに供給することが求められます。トナーの外部漏れを防止するには、ペットボトルのように継ぎ目のないブロー成形による部品が最適です。しかし、富士ゼロックスでは、現像システムへの供給機構の構成上、ブロー成形には不向きな横穴(型の開閉方向に対して直行する穴)が必要であることから、従来は射出成形でトナーカートリッジを製作していました。
表1に示すように、ブロー成形は、漏れ防止以外にも多くの特長があることから、富士ゼロックスでは、横穴のある部品をブロー成形で製作する技術を独自に開発しました。
一般にブロー成形は、ペットボトルのような大量生産に用いられます。その設備は、プリフォーム成形、加熱、ブロー、取り出しの4つのステーションから構成され、大量生産を実現するために数十個単位の部品がステーションを移動していきます。従って、プリフォームに横穴を形成するスライド型を実装するような複雑な設備は一般にはほとんど開発されていませんでした。そこで、プリフォームの型構造や成形条件を最適化することで型を小型化し、業界で初めて横穴を形成した上で複数個取りを可能としたブロー成形機と成形技術を獲得しました。これにより、トナーカートリッジの組立において、部品点数と工程数の削減、薄肉による樹脂材料削減等、ブロー成形が持つ特長を最大限に活用することが可能となりました。
| ブロー成形 | 射出成形 | |
|---|---|---|
| 部品点数 | 少ない | 多い |
| 組立工程数 | 少ない | 多い |
| 形状自由度 | 単純な形状に限定される | 複雑な形状に対応可 |
| トナー漏れ | 構造上漏れない | 対応が必要 |

【図1:プロー成形で作成したトナーカートリッジ】
このように成形技術を社内で開発することにより、社外の一般的な成形技術では対応できない複雑な形状を持つ部品の生産が可能となり、樹脂部品の設計自由度を高めています。また、組み立てし易い部品形状や複数部品の一体化の採用により、量産工程での生産性の向上と品質の安定を実現しています。