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クラウドを活用したプリンターの色管理技術

お客様による利用形態の多様化により、複数のプロダクションプリンターを併設し、多拠点に分散させて印刷を行なうケースが増えています。そのため、どの拠点のプリンターで印刷しても、同じ色が再現できるように、専門的な知識を持った人が、プリンターの色を調整・管理する必要があります。しかし、各拠点のオペレーターの知識レベルの違いや、拠点間のコミュニケーションの制約など、色管理の条件や調整方法、評価結果の管理を統一することが難しく、多拠点の色管理は大きな課題となっています。そこで、多拠点に分散しているオペレーターの負担を軽減しながらプリンターの色管理を効率的に行う、クラウドを活用したプリンターの色管理技術を開発しました(図1)。

簡単な操作で高精度の測色を実現

通常、プリンターの色管理は、多数のカラーパッチからなるチャートを出力し、専用の測色器で測色して結果を確認します。これらの作業は、目標値に達するまで繰り返し行なうため、チャートの測色に手間がかかります。
そこで、簡単な操作で高精度の測色を実現する、簡易測色技術を開発しました。この技術は、新規にスキャナープロファイル作成技術を開発し、スキャナーもしくはインラインセンサーから出力される、RGBデータをLabデータに高精度に変換し、少ない測定ポイントの専用管理チャートで高精度の測色を実現します(図2)。この測色技術を使用することで、測色器とほぼ同等の測色精度を確保しつつ、測色時間を大幅に低減することが可能です(図3)。

特別な知識がなくても誰でも簡単に調整が可能

評価結果を数値で表示しても、目標値に満たない場合は、原因や調整方法がわかりにくく、複数ある調整手段から調整方法を決定し、実施するまで時間がかかることがあります。さらに、適切な調整が実施できないことで、品質が悪化する場合があります。そこで、測色データをさまざまな観点で解析し、作業内容を提示する、診断・調整技術を開発しました(図4)。
本技術は、測色の評価結果を解析し、いくつかの原因を切り分け、具体的な対処方法を提示します。原因が操作ミスなどの運用の場合は、正しい設定や操作でのやり直しを提示し、品質が原因の場合は、プリントサーバーによるものか、それともプリンター本体によるものか、原因を絞り込んでいきます。そして、キャリブレーションの実施やプロファイル調整など、適切な調整方法を提示します。プロファイル調整は、色域全体にずれがあると判断した場合に行ないますが、新たにチャートを出力しなくても管理チャートの評価結果からプリンターの色変動を算出し、その変動分を吸収するようにデバイスリンクプロファイルを自動で調整することが可能です。

クラウドを活用したプリンターの色管理を実現

多拠点に分散しているプリンターの色管理を効率的に行なうため、クラウドを活用したプリンターの色管理技術を開発しました。この技術により、多拠点のプリンターの状況を確認し、必要に応じた改善方法を提示することが可能です。
管理サーバーには、複数プリンターの評価データを管理しレポートを作成する機能と、初めに設定するカラー管理条件の情報共有機能があります。管理機能では、各プリントサーバー上のアプリケーションソフトウェアを使用して管理チャートを出力し、測色・評価されたデータは自動的に管理サーバーに送信され、複数拠点のプリンターからデータが収集されます。これらのデータを活用し、複数プリンターの評価結果一覧(図5)、また、日時レポートや経時レポートを作成(図6)します。

また、情報共有機能では、一台のプリンターで作成したカラー管理の設定情報を、他のプリンターでも共有でき、管理サーバーからダウンロードして使用できるため、プリンターの個体差に依存しない用紙や色再現ターゲットなどの情報を共有でき、設定ミスが少なく効率的な管理が実現できます。これにより、管理者は遠隔地にいながら各プリンターの状態を確認し、必要に応じて改善指示を出すことが可能です。