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ドキュメント品質を向上させる自動補正技術

富士ゼロックスでは、ドキュメントの品質を向上させるための、さまざまな自動補正技術に取り組んでいます。

表裏レジ自動補正技術

一部のプロダクションプリンターを除き、従来のアライメント注1調整は画像のずれを定規で目視測定し、補正項目毎に補正値を計算して入力する必要があり、非常に時間がかかる作業でした。また高精度な調整を必要とする場合には、調整画像の出力と補正値の入力を何度も繰り返し、再調整する必要がありました。さらに作業者の習熟度により作業時間にバラツキが発生し、作業者によっては、調整そのものが難しいなどの課題がありました。そこで、富士ゼロックスでは、プリンターで調整用のチャートを出力し、それをプリンター本体のスキャナーや自動両面原稿送り装置(DADF)を用いて読み取り、読み取った画像からずれ量を自動算出し、短時間で表裏レジを補正することができる表裏レジ調整機能を開発しました。

図1に、表裏レジ調整機能の概要を説明します。まず、調整用のチャートを出力します。次に出力したチャートをスキャナーでスキャンし、そのデータを独自の解析プログラムに転送し、画像を解析し現在のプリンターのアライメント状態を自動的に計算します。そして最適画像を得るための補正値を自動的に演算し、プリンターに登録します。このときの補正値は、出力された用紙と用紙トレイの組合せの補正値として設定されます。これにより従来機種で必要とされた、手作業による補正値の計算や繰り返し作業が不要になります。結果、調整時間は従来機種と比べて大幅に削減でき、お客様の作業効率の向上とドキュメントの品質向上に貢献しています(図2)。

図1: 表裏レジ調整機能の概要
図2: 調整時間比較注2

面内ムラ自動補正技術

従来、用紙の左右方向の面内ムラの調整は機種によって、様々な方法で行われていました。例えば、プロダクションプリンターでは、サービスエンジニアによって個別に調整を行っていました。また、一部のDTP向けカラー複合機では、オプションとして提供されている測定器を別途購入し、エンジニアの調整サービスを受けるなど、面内ムラの調整は非常に難しく時間とコストがかかっていました。そこで、富士ゼロックスでは、プリンター本体のスキャナーから、調整用チャートを読み取り、読み取った画像から、最もバランスの良い調整値を演算し、自動で補正する面内ムラ自動調整機能を開発しました。

図3に、面内ムラ調整機能の概要を説明します。まず、面内ムラ調整チャートを出力します。CMYK測定チャートとRGB測定チャートがプリントされます。次に、CMYK測定チャート、RGB測定チャートの順に、スキャナーでスキャンし現在の面内ムラの状態を読み取ります。そして独自の解析プログラムで、読み取った画像から単色(YMCK)・多色(RGBとグレー色)を含む16色注3に対して同時に解析を行い、画像を解析した結果から最適な画像を得るための補正値を自動的に演算し、プリンターに反映させます。

次に面内ムラ調整アルゴリズムについて説明します。従来、面内ムラの調整は、サービスエンジニア(CE)が1色ごとに目視で調整していました。この方式ではどれか1色の濃度を最適に補正すると他の色が悪くなるなど、16色に対して最適な補正値に調整することが非常に困難でした(図4:従来方式)。しかし、独自の解析プログラムにより自動で16色同時に濃度変化を計算できるため、単色から多色の全体バランスを考慮し、色差が最小限になる補正値に調整することが可能となりました(図4:新方式)。
解析プログラムにより算出された補正値を元に、プリンターの画像書き込み時のレーザー露光量を変更し、面内ムラを自動調整します。

図3: 面内ムラ自動調整機能の概要

図4: 従来方式と新方式の調整アルゴリズム概要

二次転写電圧オフセット調整技術

プロダクションプリンターでは、用紙の種別ごとにトナー転写電圧を切り替え、最適化をおこなうことで、市場における多種多様な用紙に対してトナー転写効率を向上させています。転写電圧を設定する方法は、自動設定の他に、あらかじめ設定されている調整値(-5~+10)から最適な調整値を選択する「サンプル番号指定」、電圧値を10~300%の範囲で設定する「任意設定」があります。どちらも、作業者が目視で最適な調整値を決めることから、作業者の調整経験が必要となります。そのため、作業者の習熟度により調整作業の時間や調整値にバラツキが発生するといった課題があります。そこで、富士ゼロックスでは、「サンプル番号指定」において、初心者でも最適な値に自動調整可能な二次転写電圧オフセット調整技術を開発しました。

図5に、二次転写電圧オフセット調整技術の概要を説明します。まず、測定用のチャートを該当する用紙で出力します。次に出力した測定チャートをスキャンし、スキャンした結果をもとに用紙の坪量や紙質における最適な転写電圧を自動的に判定し、「サンプル番号指定」であらかじめ設定されている調整値(-5~+10)から、最適値を自動的に設定します。これにより、特殊用紙に対しても最適な転写電圧を自動で設定することができ、良好な画質を実現できます。

図5: 二次転写電圧オフセット調整技術の概要

プリントヘッド縦ムラ調整技術

複合機の画質トラブルの一つに、プリントヘッド露光素子の部品特性のばらつきや経時変化により、露光素子のチップ単位で光量にばらつきが発生し、チップ幅で縦方向に帯状の濃度ムラが起こることがあります。そこで、富士ゼロックスでは、読み取った補正チャートから、プリントヘッドのチップ毎の補正光量を自動で演算し、短時間で光量を補正することができる、プリントヘッド周期筋補正技術を開発しました。

プリントヘッド周期筋補正技術の概要を説明します。まず、補正チャートを複合機で出力します。次に出力した補正チャートを複合機のスキャナーで読み込み、独自の解析プログラムでチップ単位のRGBデータを解析します。そして、解析結果からチップ単位の補正光量を演算し、プリントヘッドに反映させます。これにより、プリントヘッドの周期筋による画質トラブルの調整が可能となり、画質トラブルの早期対応と良好な画質保持に貢献します。

図6: プリントヘッド周期補正の概要図

点・筋トラブルの画像診断

従来、画質トラブル対応は、お客様先でカストマーエンジニア(CE)が不具合原因の特定やマシン調整、さらに部品交換などを行うため、対応作業に時間がかかっていました。富士ゼロックスでは、出力した測定チャートを自動両面原稿送り装置(DADF)で読み取り、その解析データからプリント画像上で発生している点・筋トラブルの診断が可能な、点・筋トラブル診断機能を開発しました。

点・筋トラブル診断機能の概要を説明します。まず、測定チャートを出力します。次に、出力されたCMYKと白紙の測定チャートをスキャンし、スキャン画像から、点・筋の発生位置や大きさ、濃度などを解析します。これらの解析データは、点筋解析データとしてサーバーに送信され、CEがリモートでトラブル診断や故障状況の確認を行うことができます。事前にトラブルの原因や、交換が必要な部材を特定することができ、適切な故障対応と故障対応の効率化につながります。

図7: 点・筋トラブル診断作業の流れ