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IH定着技術

近年、オフィスのプリント出力機器には、省エネ性能と、電源ONから使えるようになるまでの起動時間(ウォームアップ時間)や節電モードからの復帰時間短縮などの利便性の両立が求められています。ゼログラフィー技術(電子写真技術)を用いた複合機では、一般に消費電力の約7割を定着装置(トナーを紙に溶融固定させる)が消費しています。また、定着装置では、待機時の予熱に電力の約7割を消費しており、待機時における定着装置の予熱(電力)の削減が省エネに大きく寄与します。一方でウォームアップ時間や節電モードからの復帰時間の短縮には、定着部を短時間でトナー溶融温度まで昇温させるための予熱が不可欠であり、省エネと利便性の両立には大きな課題がありました。
そこで、富士ゼロックスではこの課題を解決するため、複合機の利便性と省エネ性能を高いレベルで両立するIH(誘導加熱)定着装置を開発しました。

IH定着装置の基本構成を図1に示します。厚さ数μmの非磁性金属の発熱層を内包するIHベルトと交番磁界を発生させるIHコイルを内部と外部の2つの磁性部材で挟みこむ独自の構成です。磁性部材で挟み込むことにより、所望の磁路を形成しながら磁気結合度を向上させ、電磁誘導による加熱効率を上げ、 IHベルトの急速加熱を実現しています。
また、厚さ数μmの非磁性金属の発熱層を内包するIHベルトの構成材料と各層の厚みを最適化することでベルトの耐久性を確保しながら、アルミや鉄を基本部材とするヒートロールに比べ、熱容量を1/4~1/6に抑えています。さらに、定着装置立ち上げ時には、ラッチ機構によりIHベルトから加圧ロールを離間し、加圧ロールへの熱伝導をなくすことで、極小熱容量のIHベルトだけを効率よく加熱することを可能にしています。

図1:IH定着装置の基本構成

ウォームアップ時間や節電モードからの復帰時間を短縮するには、トナーを溶融固定する定着部の温度を室温状態から、あるいは節電モードや待機時の低中温状態から短時間で所望の温度に加熱する必要があります。図2に示すように、今回開発したIH定着技術を用いた場合、定着装置は室温状態からわずか3秒で定着動作が可能な状態に立ちあがります。
IH定着技術を搭載した複合機では、待機時や節電モード時の予熱が不要となり、図3に示すように大幅な省エネを達成することができます。

図2:同一クラス商品での定着装置の立ち上がり時間

図3:同一クラス商品でのTEC値注1の比較

また、図4に示すように本IH定着技術とSmart WelcomEyes技術スマート節電技術を組み合わせることにより、複合機システムの体感待ち時間をほとんどゼロにすることが可能となり、富士ゼロックスが掲げる『RealGreen』注2を実現しています。

図4:「RealGreen」を実現する3つの技術

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