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新開発Super EA-Ecoトナーのひみつ

富士ゼロックスでは、1980年代後半からのデジタル技術の進歩に伴い、電子写真システムの高画質化を実現してきました。そしてお客様や社会からの要請に対応するため、重要な機能部材のひとつであるトナーも継続的に研究開発を行い、さまざまな価値を提供しています。そして今回、こだわりの高画質化とダントツの環境負荷低減を実現する、Super EA-Ecoトナーを開発しました。これまでの、当社のトナーの進化とSuper EA-Ecoトナーが提供する新たな価値についてご紹介します。

富士ゼロックスのトナーの進化

1990年代までは、トナーの原料を細かく粉砕し所望の大きさに揃える「混錬粉砕法」による粉砕トナーを用いていました。しかし、この製造方法では、高画質化に寄与するトナーの小粒径化とトナー製造時のエネルギー消費量低減の両立が難しく、2000年代には、トナー製法の概念を大幅に変える、乳化凝集法トナー(Emulsion Aggregation Toner:EAトナー)を開発しました。それまでの粉砕トナーに比べて、トナーの小粒径化が可能で、かつ粒径や形状が均一にできるため、忠実な画像再現性が向上し高画質化を実現しました。さらに、製造プロセスにおけるCO2排出量を35%低減することにも成功。省エネ・省資源かつ高画質なプリントを可能にするトナーとして商品に導入しました。そして2000年代後半には、お客様からのさらなる高画質化要求(高光沢紙での高グロス再現)やエネルギー消費低減、生産性向上に対応するため、新たに「低温定着トナー(EA-Ecoトナー)」を開発しました。このトナーは、新規開発した材料設計により、従来のEAトナーの定着温度を約20℃下げる超低温定着性と高グロス化を実現し、EAトナーに比べて約40%、お客様御使用時の消費電力を削減しCO2排出削減に大きく寄与しました。業界トップクラスの低温定着性能を達成したEA-Ecoトナーは、プリンターからオフィス向けカラー複合機、プロダクションカラープリンターに導入されるなど、多くの富士ゼロックス商品に導入され、オフィスの環境負荷低減に貢献しています。そして今回、画質と低温定着性をさらに進化させ、EA-Ecoトナーよりも定着温度が約10℃低いSuper EA-Ecoトナーを開発しました。

高精細画像と中間調の再現性向上、さらなる高画質化を実現。

高性能のパソコンや画像ソフトが普及し、オフィスにおいても高精細で緻密な画像や図表、文字を含むドキュメントの作成が増加しており、細かな文字や細線、中間調の再現性が求められています。Super EA-Ecoトナーは、トナーの大きさを業界最小クラスまで小さく、さらにトナーの形状を揃えることに成功。これにより、画質のざらつき感が改善され、細かな文字や細線がくっきりと印字でき、再現性が向上します。

さらにトナーが小さくなったことで、印刷網点がきれいに再現できます。これにより、ハーフトーンなどの階調表現はよりスムーズに美しく、青空や赤ちゃんの肌などの中間調をよりなめらかに再現でき、高画質化に寄与しています。

業界トップクラスの低温定着性能を実現し、オフィスの環境負荷低減に貢献

近年、世界的に省エネに関する意識は向上し、オフィスではさまざまな省エネ商品が使われています。そして、オフィスに欠かせない複合機やレーザープリンターにおいても、さまざまな省エネ技術が開発されています。富士ゼロックスは、複合機やレーザープリンターの全消費電力の約70%を占めるトナー定着時の消費電力を削減するため、トナーの定着温度を下げるための技術開発に継続して取組んできました。Super EA-Ecoトナーが、それまで業界トップクラスの低温定着性能を有していたEA-Ecoトナーからさらに10度も下げることに成功できたのは、新たに開発したシャープメルトポリエステルの微分散技術によるものです。これにより、常温時にはトナーが変化しないように耐熱性を維持しつつ、定着時には素早くトナーを溶解させる低温定着性との両立を実現しました。Super EA-Ecoトナーは、複合機の消費電力をさらに削減し、オフィスの環境負荷低減に大きく貢献します。

今後も富士ゼロックスは、印刷画質・色再現性・安定性の向上、そして印刷物に新たな価値や訴求力を向上させる技術を織り込んだトナー開発により、お客様への継続的な価値提供を目指します。さらに、複合機やレーザープリンターの消費電力を低減する技術開発に積極的に取り組み、継続的な環境負荷低減の実現を目指していきます。

【開発者からのメッセージ】

左上から、画形材事業部 二宮正伸、高木慎平、中村一彦
左下から、古木 学、清野 英子、松本 晃

松本部員(トナー設計担当):さまざまな工夫により、トナーの小粒系化と機能材料の最適配置を実現し、少ないトナー量で均一の濃度と高画質化を達成できました。今後も高画質化を追及していきます。
清野部員(トナー設計担当):トナーの小粒系化に伴い外添剤の見直しも行い、熱に強く(常温で固まらない)流動性の良いトナーを完成することができました。トナーの飛び散りが少なくなったことで、さらなる高画質化に貢献できました
古木部員(システム設計担当):トナーや外添剤の使いこなし、システムのすり合わせにより、高画質化と低温定着性に貢献できました。今後もメカニズムの究明に注力していきます。
中村部員(生産技術担当):安定した生産を実現するための最適なレシピ(生産条件や材料の入れ方など)を作るのが非常に大変でしたが、今後も安定した生産により高品質なトナーをお客様にお届けします。
高木部員(トナー設計担当):常温状態では固まらず、定着プロセス時に素早く溶ける、相反する性能を両立した低温定着トナーの開発により、オフィスの環境負荷低減に貢献できて嬉しいです。今後も環境性能No1.を追求していきます。