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巻頭言

加藤 守通

富士ゼロックス株式会社 常務執行役員 加藤 守通

 21世紀に入り、ADSLや光ファイバー通信のようなブロードバンドの普及により情報のマルチメディア化が、また携帯電話やPDAの浸透によりモバイル化が大きく促進され、ホームやオフィスや地域のみならず国際間すらボーダーレス化してきており、世界はますます狭く・便利になりつつあるように見えます。更に、IT以外の分野でも遺伝子工学に代表されるバイオ領域での進歩により医療や食料生産の面でも大きな成果が得られ、人類はより豊かな生活を享受できる方向へと進んでいるかのように思えます。

 コンピューターの分野では、XEROX PARCの故マーク・ワイザー博士が1988年に「ユビキタス・コンピューティング」という概念で「場所」や「時間」や「メディア」の制約を開放し、よりスマートなコミュニケーションを実現しようと提唱したことが、十数年の時を経て、ITの様々な技術革新によって実現されつつあります。

 しかし、目を転じてみると日本のみならず多くの国は、経済的・政治的に沢山の課題を抱え、「豊かな文明の実現」に逆行するかのように、昨年9月11日に発生した「米国同時多発テロ」に表徴されるような様々な困難に直面しています。

 日本においても、従来のように高品質な商品を安く大量に作ることはもはや中国や東南アジア/東欧等の独壇場となり、モノ作りや技術の空洞化が叫ばれています。そういう環境の中で、日本は今後何を目指すべきなのでしょうか?

 21世紀は「人・(生物)」や「社会・環境」にもっと目を向けるべきと言われています。過去からひたすらコストやスピード(効率性)を中心に追求してきた私達技術者として、人間や社会をより豊かにするために、どのような視点で貢献していったらいいのでしょうか?

 富士ゼロックスは、このような目で将来を考える時の重要な一つの解が、新しい価値を生成する「知」の創造ではないかと考えています。しかし、「知」を生み出す源泉である「個」の可能性を組織としてどのように引き出し極大化させるか、引き出された個々の「知」をどのように蓄積しそれをどう活用するか、そしてそれらを支援するための環境としての情報インフラをいかに構築するかなど、「知」の創造を取り巻く研究開発活動は成果を顕しつつも、将来に向かってはまだ緒についたばかりです。

 私たちは困難な環境に直面した時ほど「夢」や「ビジョン」をしっかり持つことが大切ではないでしょうか。富士ゼロックスでは「知の創造と活用をすすめる環境の構築」と言う大きな目標を掲げ、この実現に向かって限りなくチャレンジしてゆく所存です。


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