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巻頭言

宮坂 信章

富士ゼロックス株式会社
取締役 専務執行役員
宮坂 信章

 21世紀に入り、早いもので5年が経過している。日本経済もバブルの弾けた後の長く深刻な不況期を脱して活況を呈して来ている。それを支えている経済活性化の大きな因子の一つはITの進展であり、そのメインキーワードは今世紀初頭からのブロードバンド化によって支えられている情報のマルチメディア化であり、政府によるu-Japan政策の推進、携帯電話やユビキタスコンピューティングなどの進化による情報のユビキタスネットであり、DNA塩基配列解読などに代表されるインフォーマティックスの貢献であろう。富士ゼロックスが深くコミットして来た多機能複合機の進化もITの進歩に貢献しているだろう。また、2005年は、ドキュメントをベースにしたオープンオフィスフロンティアを標榜して来た富士ゼロックスの事業に関連の深い動きとして、CSR要請としての企業の内部統制、説明責任、情報セキュリティーに対する改善ニーズがはっきりと顕在化して来た。これらに対しては早急な対応が求められることは言うまでも無い。

 上記のような顕在化ニーズはあるものの、先進国では、少なくとも表面的には市場は成熟化しており、単品レベルの商品(システム)の爆発的な需要は見出しにくくなっている。潜在している市場ニーズを顕在化させるためには、事業企画の初期段階からの研究・開発部門、マーケティング部門、パートナー、パイロット顧客などの広義の当事者間の協奏的な活動がますます不可欠になっている。即ち単に旧来のプロダクトアウト的発想からマーケットイン的発想に変換するという姿勢だけでは不十分で、その成果を効果的なシステムやソリューション、サービスビジネスに高めるためには、知をベースにした創造的な事業デザインマネジメントが強く求められている。顕在化しているニーズの事業化にあたってもこのマネジメントは必要且つ有効であろう。

 そうして得られた事業企画を実現して、新市場を創造し、他社を差別化する価値を創造するキーは、間違いなく比類のない革新的な技術の創造・開発である。この場面でIT技術は、主役を含む相当な役割を演ずるだろう。どの領域の技術開発も一朝一夕には成らない。真に価値ある技術セットは崩れ易い積木構造ではなく、堅牢な寄木細工のような構造を持っており、確かな技術の組み込みである。更にその根幹構成要素が絶対価値を有したキー技術からなっていれば、市場差別性の高い商品・システム・サービスが提供出来る。

 絶対価値を追求しようとする忍耐強く且つ継続的な企業努力が欠かせない。私たち富士ゼロックスの技術陣はこれに果敢に挑戦し続けたい。

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