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当社事例 図面検図ソリューション(図面差分検出サービス)

富士ゼロックス株式会社
富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社

複合機・プリンターの設計・製造現場における設計図面の検図時間を最大1/8に短縮

導入の経緯:「言行一致活動」の一環として「図面差分検出サービス」を導入

社内導入成果をフィードバックする「言行一致活動」

富士ゼロックスではお客様に対して責任あるソリューション・サービスを提供するために、従業員の業務へ自らのソリューション・サービスを導入し、その利用で得られたニーズや課題を製品にフィードバックする「言行一致活動」に全社的な規模で取り組んでいます。

この「言行一致活動」の一つの取組みとして、研究技術開発本部インキュベーションセンターでは、複合機・プリンターの開発・製造部門で大きな課題となっていた「検図業務」の作業負担を軽減すべく、「図面差分検出サービス」を各部門に提供して成果をあげています。

複合機の開発スタイルを「プラットホーム」型に

近年、製造業では製品のライフサイクルの短縮と品質の向上の両立を求められており、これに対応すべく各企業の開発・製造部門では様々な取り組みを行っています。

複合機、プリンターの開発を行う富士ゼロックス、および富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社においても、「プラットホーム型」の開発に移行し、短開発期間、高品質の両立を目指しています。

従来、特別な仕向け先向け機種などの設計開発は、機種ごとに個別に行われて来ました。しかし、個別設計が多いということは、それだけ新規設計部分が増えることになり、それに伴う技術的な検証や信頼性試験に時間と工数を割く必要が出てきます。このことが、コスト低減や開発期間の縮減、品質向上のネックとなっていました。

そこで、個別設計を減らすために、派生設計を行いやすく設計した基本機種(「プラットホーム機」)を開発し、特別な仕様が必要な派生機種は、「プラットホーム機」から大部分の設計を流用、変更点のみの開発を行う手法を取ることで、派生機種の開発コスト・開発期間の削減や、品質の向上を実現しています。

開発スタイルの変化に伴って増加した「検図業務」

開発手法の変化に伴い、「設計変更」の割合が過去より増加しました。設計変更は、既存の図面に対して、仕様変更などに対応するための設計変更を加えていく作業が主となります。変更作業はCADで行っていきますが、時として設計者のオペレーションミスなどによる意図しない変更の可能性や、逆に変更漏れなどのミスが増加するようになりました。その結果、このようなヒューマンエラーをチェックし設計品質を高めるために、検図の重要性がより高まりました。

しかしながら、目視による検図は、非常に時間がかかる作業です。特に複雑な機構や電子回路の集合体である複合機・プリンターは、対象となる図面が数百枚に及ぶため、検図業務だけで数時間から数日を要することもあり、本来業務である企画・設計などの生産的業務にかける時間を圧迫してしまうということも発生していました。

この課題を解決するため、「言行一致活動」の一環として「図面差分検出サービス」を複合機の開発・製造部門に導入・展開し「検図作業」において効率化を図る取り組みを5年間にわたって行ってきました。

導入の効果:差分確認作業の効率化により生産開始までのリードタイムを大幅に短縮

機構図面の図面変更チェックで大きな力を発揮

富士ゼロックスアドバンスドテクノロジー株式会社
モジュールPF 開発統括部
Paper Handling 開発部
村上 恵

用紙搬送部の機構設計を担当する富士ゼロックスアドバンスドテクノロジー モジュールPF開発統括部Paper Handling開発部では、図面差分検出サービスの提供が始まって間もなく設計者の自己検図業務に導入し、積極的に活用している部門の一つです。

「私が担当している用紙搬送部は、派生機種向けの設計変更業務が数多くあります。プラットホーム化が進んだこともあり、変更点は全体から見るとごく一部であることが多いのですが、自分の意図しない操作をしてしまい不要な変更をしてしまうこともあり、検図はとても重要です。このため、サービス導入前は図面を隈なく見る必要があり、1枚あたりの検図に最大10分ほどかかっていました。

しかし、図面差分検出サービスで図面チェックをかけると、新旧図面の変更点が赤い色で出力してくれるので、赤い部分がない図面、つまり差分がない図面であれば、チェック時間が数十秒ほどになりました。変更点がある場合でも、異なる部分がすぐにわかるので、長くて1枚あたり2~3分で検図できるようになりました。私は、入社後半年後にこのサービスが導入されたこともあり、図面変更を行ったらすぐチェックにかけるということがすっかり習慣になっています」(同部 村上)

図面差分検出サービスが特に力を発揮するのが、平均して年二回ほどある共通部品の変更に伴う設計変更時です。共通部品の変更はトラブル対策やコストダウン、そして部品の生産中止などによる代替品への置き換えを目的に行われますが、この際は150枚にのぼる全図面のチェックが発生します。サービス導入前は検図業務を2~3名で数日かけて行っていましたが、今では約1/5の半日で終わるようになり、その分の時間を生産性の高い設計業務に割くことができるようになりました。

また、導入前は目視に頼っているため、どうしてもチェック漏れがあり、後工程でそのミスが判明することがありましたが、部内の変更図面チェックのフローにも正式に組み込まれることで、ほぼ100%変更点を検出できるようになり、設計品質の向上にも貢献しています。

電子回路図面の検図時間も大幅短縮

富士ゼロックス株式会社
コントローラー開発本部
コントローラープラットフォーム第五開発部
野村 建太

複合機・プリンターのコントローラー回路の企画・設計・開発を行っているコントローラー開発本部コントローラープラットフォーム第五開発部(以下CTPF第5開発部)は、本サービスを一番に導入し、5年にわたり使い続けています。電子回路設計も機構設計と同様、変更設計の増加に伴い、大量な設計図面の検図業務に大きな工数を割いてきました。

「私たちが担当しているコントローラー回路の設計図面は、1機種あたりA3で100枚ほどあります。サービス導入前は、すべての図面の検図に1枚あたり平均30分程度かかっていましたので、延べで50時間ほどかかっていたことになります。しかし、サービス導入後は変更のない図面は30秒で判断できるようになり、検図時間が大幅に短縮、その空いた時間を新機種の仕様検討や設計にまわすことができるようになりました」(同部 野村)

チェック漏れによる次工程への影響もほぼ皆無に

富士ゼロックスアドバンスドテクノロジー株式会社
デバイス制御開発部デバイスコントローラーHW 開発部
鈴木 和哉

海外向け複合機の特定仕向け機種用のコントローラー回路の開発を行う富士ゼロックスアドバンスドテクノロジー デバイス制御開発部デバイスコントローラーHW開発部では、CTPF第5開発部の紹介でサービスの利用を開始しました。

同部ではCTPF第5開発部で開発されたプラットホームを元に、仕向け先国に合わせた機能・性能にカスタマイズする開発を行っています。一人の担当者で同時に2~3機種のバリエーションの開発を担当しており、開発工程においては、1バリエーションあたり試作図面を2~3回作りますが、この試作図面の検図工数が課題となっていました。

「サービス導入前は、同時に複数機種の開発を行っていることもあり、試作時には設計変更を行った図面しか行っていませんでした。しかし、それでも検図1回あたりに3~4時間はかかっていましたので、かなりの負担になっていました。

サービスを先行して導入されたCTPF第5開発部の方から、検図作業がとても楽になったという話を聞き、当部でも使い始めました。導入後、全図面の検図を行っても導入前の約1/8の30分ほどで終わるようになったため、毎回全図面の検図を実施するようにしました。これにより、試作段階での品質が上がり、設計品質の作りこみにも効果を上げています」(同部 鈴木)

電子回路設計の特徴として、試作段階と量産段階で使用する部品が異なるということがあります。以前は検図のチェック漏れにより、量産用図面において部品の表記が、試作用のまま次工程の基板のパターン設計にそのまま反映されてしまい、その修正のために年間数件程度の図面変更を行うことがありました。しかし、サービス導入後はチェックの精度が上がり、昨年度(2013年度)はチェック漏れによる図面変更0件を達成。コストの低減につながっています。

製造現場ではリードタイム縮減に大きく寄与

複合機・プリンターの生産を行っている富士ゼロックス 鈴鹿事業所。ここでは、電子回路設計部門で設計された図面を元に電子回路基板を製造しています。同事業所第2製造部製造技術部では、製造された電子回路基板が正常に動作するかを検査する装置の運用を行っています。

基板の検査装置は、テストパッドと呼ばれる回路基板上にある検査用の接点に、プローブと呼ばれる検針をあて、プローブから電気信号を流すことで回路に不良がないかを調べます。

このプローブの数や位置は、事前に設計部門から渡される回路・基板図面を元に設計・調整をします。本来であれば、量産用の図面を元にプローブの位置を設計するのですが、リードタイム短縮に対応するため、最近では試作図面で準備設計を進め、量産図面を入手後に最終の調整を行っています。

「サービス導入前はすべての図面(各100枚程度づつ)の差分を目視でチェックしていたので、差分確認作業だけでまる1日かかっていました。図面差分検出サービスを導入後は、この差分確認作業が1時間ほどで終わるようになったため、調整作業にとりかかるまでの時間が大幅に短くなり、生産開始までのリードタイムを大幅に短縮することができました」(同部 前川)。

将来の展望:「言行一致活動」で得られたフィードバックを基に実用性の高い商品に進化させていく

富士ゼロックス株式会社
研究技術開発本部インキュベーションセンター
足利 英昭

このサービスを開発し、社内への導入を推進してきた研究技術開発本部インキュベーションセンターの足利はこう語ります。「図面の差分検出が検図業務の生産性の向上につながるという仮説に基づき、設計部門の方々にサービスを提供してきました。

サービス開始当初は3部門40名ほどのユーザー数で月間の利用枚数も600枚ほどでしたが、その後口コミで利用者が拡大、現在(2014年9月)では登録ユーザー600名、月間の利用枚数も3200枚と大幅に増えました。これもこのサービスの利便性と効果が認められた証拠だと考えています。

定期的にユーザーにはヒアリングを実施していますが、実際に検図作業の大幅な時間短縮や品質向上の効果があったという報告も多く、「検図ではこのサービスを使うことが習慣になっている」などの声を聞くと、導入を推進した甲斐があったと感じています」。

これまでの5年間、「言行一致活動」で得られた現場の生の声を参考に、多くの機能・性能を改善してきました。この成果は商品である「図面差分検出ボックス」にも反映されています。今後も「言行一致活動」で得られたフィードバックを基に、認識性能を高めつつ、設計・開発現場において生産性が高まる機能を増やし、「図面差分検出ボックス」をより実用性の高い商品に進化させていきます。

サービス概要

図面差分ボックス

複合機でスキャン、またはクライアントPCのWeb画面から電子データ入力した変更前と変更後の図面を、イメージ差分検出技術を使って自動的に対比し、双方の差分を検出。変更部分(差分)を強調表示(色付け)して、図面を画像データやプリント出力します。

今まで目視で確認していた図面の差分チェック(検図)時間を大幅に短縮し、チェック漏れ減少に貢献。また、検出処理終了時にメールで通知されるため、処理中は本来業務に集中できるといった、業務の効率化と生産性の向上にも寄与します。特に設計業務を行われている製造業の開発現場などでは、導入効果の高いシステムです。

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