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企業と個人のボランティア活動のかかわり方

富士ゼロックス株式会社
構成・文 X-direct事務局
取材協力・CSR部

震災をきっかけに、社会人のボランティア活動への関心が高まってきました。
その一方で、「ボランティア活動で業務に支障は出ない?」「企業にとっての意義は?」「企業の関わり方は?」といった質問を多くのお客様からいただいています。
今回は、ボランティア活動が本来業務に与える影響や企業にとっての意義について、富士ゼロックスの考え方や、社員と会社のボランティア組織「富士ゼロックス端数倶楽部」の活動をご紹介します。

1.従業員のボランティア活動に対して、企業は?

東日本大震災をきっかけに、従業員のボランティア活動への関心が高まっています。
企業側も、社会的責任の一環として、また、地域社会の一員としての観点から、従業員を積極的に被災地ボランティアに派遣したり、ボランティア休暇制度などを設けたり休暇日数を拡充する企業が増えました。企業としても、地域社会の発展や地域社会とかかわることを通じて従業員が成長することは企業にとっても利点と捉えて、従業員のボランティア活動への参加を支援したい、という考えも広がってきています。
また、従業員から、現地で何か役に立ちたい・ボランティアに参画したいので、会社として活動を支援したり、参加する場所をコーディネートしてくれると良い、あるいは、活動に参加するための休暇制度などを設けて欲しいという声があがってきている企業も増えているようです。

実際に、昨年よりいくつかの企業の方から富士ゼロックスの取り組みについてお問い合わせをいただいたり、ヒアリングにいらしていただきました。

「ボランティア活動が業務に影響を与えないか」
「どこまでが企業活動でどこからが従業員個人の活動なのか切り分けが難しい」
「従業員の社会貢献活動への参画は、本当に企業にとって意義があるのか」

など多くのご質問をいただきました。
そこで、ボランティア活動が業務に与える影響や企業にとっての意義をどう考えるかについて、一例として、富士ゼロックスにおける従業員の自発的なボランティア活動の仕組みと会社のかかわり方をご紹介させていただきます。

2.富士ゼロックスの取り組み
~従業員の自発的なボランティア活動を支える仕組みと会社のかかわり方~

“企業による従業員のボランティア活動への支援”と一言で言っても、会社が主催し社員の参加を募るような活動場所の提供から、休暇制度の導入といった制度面での支援、社員の自主的な活動に対するサポートなど、さまざまな形があります。今回はこうした中で、「従業員の主体的な活動に対する企業の関わり方」について弊社の事例をご紹介します。

弊社では、従業員の自発的な社会参加を支える仕組みとして、以下のような仕組みや制度があります。

  • ボランティア休暇
    月間5日まで積立休暇(使用期限が過ぎて失効した有給休暇最高60日分を積み立てたもの)を使って短期のボランティア休暇を申請・取得することができる
  • ソーシャルサービス制度
    3ヶ月~2年の範囲でテーマを決めてボランティア休職を申請できる
  • LeafX(リーフエックス)
    会社・地域・家庭でできる環境保全および社会貢献活動に参加する機会を提供する
  • 端数倶楽部
    従業員が自主的・自発的に運営するボランティア団体

特に、この「端数倶楽部」は富士ゼロックス従業員のボランティア活動の大きな基盤となっている仕組みの一つです。

端数倶楽部について

「端数倶楽部」とは、1992年に設立された従業員による自主運営のボランティアの組織。
富士ゼロックスの従業員や退職者など、自分の意思で参加を表明した会員で構成され、現在は社員の約40%が会員になっています。
会員が毎月の給与と賞与の100円未満の金額(=端数)と、個人の自由な意思(一口100円×希望の口数)をプラスして、会費を拠出。会員が必要と考える分野やテーマについての活動資金として活かしています。

  • 組織体制
    会員から立候補した約50人の運営委員が、ボランティア活動の企画・運営や、寄付先の検討をしています。
  • 活動内容
    1. 寄付活動
      集まった資金を、全国の草の根活動を行う団体に寄付することで活動を支援。
      寄付先は会員が推薦し運営委員で選別した団体で、「推薦者が活動に積極的に関与しているか」というポイントが選択基準のひとつです。また、寄付だけに終わらず、寄付先団体との共催イベントなど、従業員が継続的にその活動に参加できる点も大切にしています。
    2. ボランティア活動
      例えば、障がい者のスポーツ活動のスタッフボランティア、自然観察会、海外ボランティアキャンプ、他のボランティア団体との企画の共催など、多様なボランティア活動を企画・運営しています。従業員がボランティア活動に参加するハードルを下げるとともに、より深く関わっていくことができるように運営されています。

2-1.従業員が自主的に参加できる「場」を提供

ボランティア活動をしたいと思っても、はじめての人にとっては、「どこで参加したらいいのか?」「どうやって参加していいのか?」というところでつまずいてしまいます。端数倶楽部としてさまざまなイベントを企画することでボランティア活動へのハードルを下げ、参加する機会を作りだしています。端数倶楽部の活動として大切にしているのは、寄付するだけではなく、「参加すること」。そのため寄付先の団体とイベントなどを共催しながら、はじめてでも参加しやすい場所を設定し、多くの人の参加を促しています。
とはいうものの、一方で、体調や子育て中などの事情で自ら活動に参加することができない人もいます。もちろん、参加することが本来の姿なのですが、このような事情からどうしても参加できない人たちでも、端数倶楽部の会員として給与・賞与の端数の拠出という形で参加することで、社会とつながっている実感を持つことができます。このように、さまざまな形で参加できるところがこの仕組みの良いところと言えます。

2-2.ボランティア活動と業務の兼ね合いについて

この端数倶楽部は会社が支援している社員の活動ではありますが、ボランティア活動は社員の業務ではありませんので、会員や運営委員は、終業後や休日の業務時間外に、自主的に活動しています。そうなると、業務が忙しいと活動できないのでは?という懸念もあるかもしれませんが、実際はむしろ、業務で多忙な人ほど積極的に参画している印象すら受けます。おそらく、業務もボランティア活動も、何でも積極的に取り組む姿勢が根付いている人が多いからではないでしょうか。
会員が参加するボランティア活動も、海外ボランティアキャンプなど、ごく一部の活動を除いては、休日や終業後に設定されており、休暇制度を使用する必要もなく、業務に支障が出ないようなものになっています。
そして、端数倶楽部の活動に参加する従業員に対して上司や同僚は……というと、業務とボランティア活動をしっかりと切り分けているため、本来業務への支障は感じない、という印象が大半です。

2-3.会社のかかわり方

この端数倶楽部の活動に対して会社からも以下のような支援があります。

会社の支援

  • マッチングギフトを寄付
    端数倶楽部の寄付金と同額を会社からも端数倶楽部の寄付先に寄付します。
  • 社内インフラの利用
    会社のイントラネットを利用できます。イントラネット上の掲示板で参加者を募集したり、メールで連絡・報告などができるので、参加者の輪を広げるのに大きな役割を果たしています。また、活動のための場所として会議室など利用することもできます。
  • 事務局(社員)が運営に参加
    寄付金の集金・管理や端数倶楽部の事務局業務を、会社の担当部門が業務として支援しています。また、会社に集まってくるさまざまな情報のアンテナとしての役割も果たしています。

発足当初は現在よりも会社の支援・関わり方が強かったようですが、現在は端数倶楽部の運営が軌道に乗り、運営委員が主体で企画・運営しています。端数倶楽部の活動が自主的にできるようになったのは、運営委員や事務局が経験を積み、ボランティア活動の企画・運営などに習熟してきたことが大きいと考えています。

2-4.企業にとって、従業員のボランティア活動の意義とは

ボランティア活動は、待っているだけでは何も始まらないので、自ら企画し、周囲を動かしながら運営していく必要があります。活動を通して、自然に自己表現や計画実現のためのスキルも鍛えられますし、当事者意識や自主性が生まれ、個人の成長につながることはもちろん、物事に対する積極的な取り組み姿勢として業務にも活かされてきます。こうした姿勢はビジネスリーダーとしてとても大切なものと言えます。
また、社内外のさまざまな人たちと活動する中で、異なる考え方と出会い視野が広がるとともに、新たな価値観や発想をもたらし、それが組織の活性化につながっているのではないでしょうか。

そして、この端数倶楽部は会社組織をベースとした活動のため、同じ会社にいながら通常の業務では出会う機会のない他部門の人たちと、ボランティア活動を通してネットワークを構築できることも大きな意義といえます。例えば、活動を通して接点ができた研究部門と営業部門の社員が業務上でも連携することでお互いの業務が前進するきっかけになるなど、直接的に業務に役立つ事もあるといいます。また、社外のNGOの方々との活動も多く、社員にとっても多様な人々と知り合うきっかけとしても有用です。
このように、従業員個人が社会とかかわることで得た経験と成長は、間接的にも直接的にも、企業活動の中で必ず活かされ、企業の成長につながる、と当社は考えています。

2-5.会社主導のボランティア活動と端数倶楽部の連携 ~震災後の復興支援活動より~

もちろん、自主的な組織とはいえ、会社の主体の活動と連携するなど、柔軟に活動しています。
震災後の復興支援活動として、富士ゼロックスでは人事部・CSR部が中心となって宮城県気仙沼市大島への復興支援ボランティアを派遣しています。人事部・CSR部がNPO法人と企画、社員ボランティアの参加を募り、社員はボランティア休暇制度を活用して参加しています。こうした会社主導でのボランティア活動に対して、端数倶楽部としても仙台・気仙沼間のバスのチャーターやメンバーの交通費の支援などを行いました。このように、会社が企画するボランティア活動とも連携をとりながら活動するケースもあります。

3.最後に

今回は、従業員のボランティア活動と企業との関わり方についての一例として、弊社の端数倶楽部の活動を「業務との兼ね合い」「企業の関わり方」「企業にとっての意義」といった視点でご紹介させていただきました。多くの会員はボランティア活動と業務をしっかりと切り分け、両立しており、ボランティア活動が仕事に支障をきたすようなことにはなっていません。むしろ自ら積極的に企画し実行していく過程で、スキルや調整力などが鍛えられ、それらが仕事にも活きています。また、活動を通して社内外の人脈が広がり、業務にも直接役立っていくなど、企業にとっても大きな意義がある活動だといえます。
企業の関わり方として、どこまで支援するすべきか難しい点もありますが、従業員が自主的な活動を継続できるよう支援していくことが大切だと感じています。富士ゼロックスは、ボランティア活動を通して従業員一人ひとりが成長することが会社の活性化と成長につながるとして、これからも、より多くの従業員が自発的に社会参加できる機会を提供していきたいと考えています。

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