秒数は目安です。
ご自分のペースで、無理のない範囲で行いましょう。
国/地域:
株式会社 富士ゼロックス総合教育研究所
メンタルヘルスコンサルタント
竹内 理恵
竹内 理恵 プロフィール
現在、株式会社富士ゼロックス総合教育研究所でメンタルヘルス分野におけるコンサルティングを担当。精神保健福祉士(国家資格)、産業カウンセラー、キャリア・コンサルタント、心理相談員、メンタルヘルス・マネジメント検定試験 I種、II種、III種を取得。従業員の心の健康問題やその環境等も視野に入れた上で、より各企業のニーズにフィットした人材育成や組織開発を提供するため、ただいま奮闘中!
皆さま、旧年中は「メンタルヘルスコンサルタントの奮闘記」をご愛読いただきまことにありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
新年にお届けするのは前回に引き続き、リラクセーション法です。今回も心だけでなく身体にもメリットがある「呼吸法」を紹介いたします。
皆さまにとって素敵な年の幕開けとなりますよう心を込めてお届けいたします。
前回(2011年10月「オフィスでできる!簡単リラクセーション法(1)」の筋弛緩法に続き、今回も代表的なリラクセーション法ですぐその場で活用できる「呼吸法」をお届けします。
突然ですが、なぜ、普段自然に行っている“呼吸”がリラクセーション法になり得るのでしょうか?
私たちは不安や緊張の時には自然と呼吸が浅く速くなり、リラックスしている時には自然と呼吸が深くゆっくりになります。このように心の状態と呼吸は影響し合っています。
ストレス社会に生きている私たちは、仕事や対人関係等のストレスから呼吸が浅くなりがちで、それが習慣化していると言われています。
その浅い呼吸は「胸式呼吸」と言われるもので、楽に呼吸はできますが、その分新鮮な空気を取り込みにくく、肺のガス交換も十分ではありません。
一方、深い呼吸は「腹式呼吸」で、主にリラックスしている時や寝ている時にしている呼吸です。
この腹式呼吸は一回の呼吸で出し入れする空気の量が胸式呼吸の3倍以上と言われています。
従って、少ない呼吸数で多くの酸素を体内に取り入れることができるため、肺や心臓の負担が減り、血圧も高くならないメリットがあるのです。
さらに、腹式呼吸は横隔膜を上下に動かすため、胃腸や肝臓などの内臓がマッサージされ、生体機能の低下を防ぎ、血液の循環を高める(全身の血行促進にも)効果があります。

では、深い呼吸をすることで心の状態にはどう働くのでしょう?
生理的な効果があると国内外からいくつも科学的研究データがあがっています。
リラクセーションには、速い呼吸よりもゆっくりした呼吸、吸う息よりも吐く息を長くした呼吸が良いと言えるでしょう。実は、それらを兼ね備えているのが前述の腹式呼吸になります。
心と身体の回復や維持、増進に繋げるためにも、意識的に腹式呼吸を行うことをおススメします。簡単で時間もお金もかからないので、ものぐさな私も続けています。
では、これから腹式呼吸で簡単にリラクセーションを体験してみましょう。
腹式呼吸は、下腹がへこんだり、膨らんだりするように呼吸するものです。
さまざまなやり方がありますが、今回はどなたでも行いやすいと思える内容をお届けします。


秒数は目安です。
ご自分のペースで、無理のない範囲で行いましょう。
呼吸法で深いリラックス状態を得られた場合、頭がボーっとしたり、身体がフラフラすることがあるかもしれません。そのような時は終了時に次の動作を取り入れることで、リラックス状態から解除することができます。
状況や場所などによって行うのが難しい場合は、手をグー・パー、グー・パーと2~3回握ったり開いたりして、最後に[3.]を(伸びが難しい場合は深呼吸のみ)しましょう。
いかがでしたでしょうか?

呼吸法を行う時間や余裕がない、でも、緊張をほぐしたり気持ちを鎮めたい……そんな時は深呼吸がおススメです。(前回お届けした筋弛緩法のどこか一カ所、もしくは一気に全身を行うこともおススメします)
深呼吸はゆっくり息を吐き出し、大きく息を吸い込む呼吸です。数回繰り返しても使う時間は数十秒程度です。
ちなみに、「幸せが逃げる」「周りの気分が低下する」と嫌われがちなため息。
気分が低下していたり、緊張している時などは自然に出ますよね?
ため息が出るような心の状態の時は、たいてい首や肩周辺の筋肉が緊張し、力が入っているもので、ため息はそんな緊張状態を緩めてくれています。つまり、ため息はご自身の緊張状態を和らげるもので、心身の状態に気づく絶好のサインでもあります。私はため息をつくと“あぁ疲れているんだなぁ”“緊張を解いてくれてるんだなぁ”と思って、早めに休んだり、リラックスするように努めています。
ただ、ため息や深呼吸は周囲の方が驚かない程度(大きさ)に意識した方が良さそうですね。
また、緊張は決して悪いものではありません。実力を発揮するには適度な緊張が必要で、ここでお伝えしているのは、過度な緊張を和らげる場合であることも補足しておきます。
心身の状態と呼吸は密接な関係にあります。
呼吸法は意識的に腹式呼吸を行い、呼吸のコントロールを行うことで心身の状態にアプローチをかけるものであることはご理解いただけましたでしょうか。
前回と今回にわたってリラクセーション法をお届けしました。
自分の心身に目を向ける時間を取れない方が多いと思いますが、今日明日の健康は誰も保障されていません。自分の心と身体のオーナーは自分自身です。「健康」は今日行ったことや選択したことの積み重ねが明日、半年後、1年後、5年後……の自分を作っていきます。特に、2回にわたってご紹介したリラクセーション法はその場ですぐ効果を感じられる方が多いものです。継続して行うと更に大きな効果が期待できます。
忙しい方であればなおさら、自分の心や身体の声を聞いてコントロールをして欲しいですし、その手段としてもリラクセーション法は活用できます。
今回ご紹介した以外にも世の中にはたくさんのリラクセーション法があります。日常に取り入れられたら一生の財産になると思います。ご自身に合ったものを安全に活用し、皆さまにとって心身の回復や維持、増進となりますこと心より祈っています。
| タイトル | |
|---|---|
| 2009年9月号 | 自分自身のストレスを認識してますか? ― 「気づき」を大切に ― |
| 2009年11月号 | 企業経営におけるメンタルヘルスマネジメント ― 個と企業が生き生きとするために ― |
| 2010年1月号 | メンタルヘルスフォーラム レポート <前編> |
| 2010年2月号 | メンタルヘルスフォーラム レポート <後編> |
| 2010年6月号 | 変化や出来事が多い時こそ要注意! |
| 2010年10月号 | 睡眠リテラシーのすすめ ― オーバーヒートの前に脳をクールダウン ― |
| 2011年2月号 | 発表!「つながり」や「かかわり」、「コミュニケーション」の経験談 |
| 2011年10月号 | ストレスに負けない心体づくり ― オフィスでできる!簡単リラクセーション法(1) ― |
| 2012年1月号 | 呼吸ひとつでココロもカラダもスッキリ! ― オフィスでできる!簡単リラクセーション法(2) ― |