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ドキュメント/文書管理

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<連載>文書管理は意識改革から ― 富士ゼロックスの10年を振り返る ―
(1-1) 契約書の保護と活用(営業の効率化を目的とした電子化)

2008年5月

富士ゼロックス株式会社
営業本部 オフィスソリューション営業部
レコードマネジメント支援グループ
グループ長 内田 俊哉

内田 俊哉 プロフィール
内田 俊哉主な業務は社内文書管理の維持管理と、社内外の文書管理教育を通じ営業部門への支援活動を行なう。04年1月の六本木ティーキューブ移転実行委員会の情報コンテンツ推進チームリーダー、04年9月〜05年12月バイタル・レコード・マネジメントタスクの事務局、07年1月新本社移転実行委員会事務局、07年8月〜開発・生産・研究本部への文書管理タスク事務局など文書管理タスク、委員会活動に従事。行政文書管理士、ファイリング指導者、ITコーディネータ、ISO27001審査員補。

コンセプト/考え方 事例

2008年3月号でお届けした「文書管理は社員の意識改革から! 〜 富士ゼロックスの実践事例 〜」では、文書管理の重要性と、弊社の経験から生まれた「ファイリング研修サービス」についてご紹介しました。
今回より、実際に携わってきた担当者(内田と総務部の酒井)が、10年間の取り組みを掘り下げてご紹介します。文書管理を推進されるお客様のご参考になれば幸いです。

index
1 10年の取り組みサマリー
1 東京地区の営業にモバイルPCを配付
2 営業の効率化を目的とした契約書の電子化を検討
3 トライアルとしての電子化作業
4 社内にスキャニングセンターが開設される
5 サテライトオフィスの活用が増加

10年の取り組みサマリー

文書管理の取り組み――それは、10年間の試行錯誤の繰り返しでした。図1は、10年間の取り組みを概略化したもので、総務部の酒井とともに、各テーマを振り返ってみます。

図1:弊社文書管理の取り組み(10年の歴史)
図1:弊社文書管理の取り組み(10年の歴史)


1

東京地区の営業にモバイルPCを配付

電子化の歴史は、コンピューターの歴史と共に歩んできた、といっても過言ではありません。ホストコンピューター全盛期の1960年代、この時代はコンピューターからアウトプットされた紙の情報を取り扱った紙文書主流の時代でした。1980年代はOA(オフィスオートメーション)化時代、この時代ではOA3品と言われるパソコン・ワープロ・FAXがオフィスの中に浸透してきました。ワープロで原稿を書き、それをコピーして配付したり、FAXで送ったりしたわけです。オフラインで仕事をしていた時代と言えました。

しかし、1995年にWindows® 95が世に出てから大きく変りました。それはパーソナルコンピューター1台で、Wordなどで文書を作ったり、Excel® などで計算したり、電子メールで文書を送ったりすることができ、まさにネットワーク時代の幕開けでもありました。

図2:コンピューターの歴史から見る電子化の動向
図2:コンピューターの歴史から見る電子化の動向


この頃から仕事の進め方が一気に変ろうとしていました。今から遡ること10年、1998年に弊社の社内環境もWindows® 98になり、例えば東京地区では、営業に1人1台のパーソナルコンピューター(以下、PC)が配付されました。そのときの目的はPCを使って営業の生産性を上げることでした。つまり、営業がお客様先で、標準の商品紹介資料を使い商品の説明をしたり、時には画像、映像によってバーチャルなショウルームを展開することを狙いました。そして今でこそ当たり前ですが、営業にとって必要な顧客情報データベース(武器の蔵と書いて「武蔵システム」と命名)をネットワーク上で見ることができる仕組みを作ってきました。

また営業が事務所に戻らなくても、PCにPHSをつないでイントラにアクセスでき、直接日報を送ったり、翌日の予定表などを確認でき、よりお客様との面談時間を増やすことができると考えました。フリーアドレスの仕組みをトライアルしたのもこの頃からでした。

しかし結果は、そういうわけにはいきませんでした。大半の営業は事務所に戻ってきて仕事をしているのです。それは数値データでは表せない「取引条件申請書」という、営業の決裁書のようなものがお客様の機械1台ごとに契約書と一緒にファイルされ、紙として存在しているからでした。営業の欲しい情報が全てPCから取り出せる環境になっていなかったために、チャレンジしたフリーアドレスはすぐに崩壊してしまいました。

お客様に新商品を提案する場合、営業はお客様との信頼を裏切らないためにも、過去の商談経緯をしっかり取引条件申請書で確認していたのです。実務面ではまだ不備もありますが、ホストコンピューターに入っている情報だけでは不足で、紙に記載してある情報が必要だった、というわけです。
そこで、紙で保管している契約書の電子化を検討することになったのです。

2

営業の効率化を目的とした契約書の電子化を検討

1999年にまず、東京支社管轄の4つの支店で、メンバーも比較的若いメンバーが多い部署からトライアルすることになりました。当事、130万枚の契約書が4箇所の書庫に保管されていて、管理は事務サービス部門で行なっていました。営業が契約書を閲覧したいときは、場所によってはフロアの違う書庫に行き、3段キャビネットにあいうえお順に並んでいるお客様名のフォルダーを探し、場合によってはコピーを取り、自分の席に戻っていました。ファイルがきちんと在るべきところにファイルされていればすぐに探せるのですが、きちんと戻されていなかった場合には時間をかけて探さなければなりません。また営業が夜遅く帰ってきた時などは、キャビネットが施錠され、事務サービス部門が不在だと閲覧できないということもあり、営業部門でも同様の契約書のコピーを控えで持っているところもありました。

図3:営業の効率化を目的として契約書を電子化
図3:営業の効率化を目的として契約書を電子化


こうした状況下、契約書を電子化するための検討委員会ができ、「解像度は?」「媒体は?」「検索のキーワードは?」「契約書のどこまで電子化するのか?」「検索ソフトは?」「文書管理ソフトは?」「サーバーの容量は?」など化の仕様を詰めていきました。その結果、解像度は「200dpi」で「白黒2値」、フォーマットをドキュメント有効活用ソフトウエア「DocuWorks」にすることが決まりました。また属性として「機種」「機械NO」「お客様コード」「倉庫へ保存する箱番号」の4つのキーワードをDocuWorksに直接テキスト入力をすることになりました(現在は、基幹システムと連携してさらに効率化しています)。システムは弊社の販売している検索エンジンとオラクルサーバーを使用し、当初はディスク容量も400GB程度でスタートしました。なお、契約書については、共通の条文を除いた個別契約の部分(捺印したページなど)や取引申請書など、1件あたり約10ページ程度を電子化することが決まりました。

3

トライアルとしての電子化作業

いよいよ作業開始です。複合機3台、作業員5名(派遣社員)という体制で、都内3箇所の書庫で作業に当たりました。契約書は袋とじされているので、原稿自動送り装置は使えず、1枚1枚本をスキャンするように作業していかなければならないので大変です。さらにスキャンしたデータをPCに取り込んで、画像の曲がりや、原稿の抜けがないか、きちんと取り込んでいるかをチェックしなければなりません。

しかも4つのキーワードを入力するのです。入力ミスがあれば2度と検索できないデータを作ってしまいます。データに誤りがないかどうかを検査する「べリファイ」といわれるダブルチェックを、入力担当者以外も入れて行ないました。当初は1人あたり1日300枚しか処理できず、慣れてきても、1日平均600枚程度でしたから、電子化はコピー作業と違って「消耗品代は掛からないが、ほとんどは人件費である」ということがわかりました。

もうお分かりのように作業が増えるほど人件費が掛かるのです。特に電子化対象のファイルがルールもなくダンボールに詰められていれば、原稿を整理する段階から作業しなければなりません。また、後で使うかもしれないと検索キーワードを沢山つけるとなると、入力作業コストが跳ね上がりますので気をつけたいものです。

4

社内にスキャニングセンターが開設される

2001年には、海老名工場と岩槻工場の2箇所にスキャニングセンターが開設しました。なんと1ヶ月100万枚の生産能力を持つセンターです。このセンターは社内だけではなく、外販向けの作業施設としても位置づけられました。もちろん、外部のデータを扱うこともあり、いち早く、セキュリティを意識したISMSの認証を事業所で取得しました。

東京支社では、早速スキャニングセンターに作業を移すことにしました。しかし、そこで大きな問題が1つありました。スキャニングの場所が変ることで、電子化され閲覧できるまで約3ヶ月の日数を要することになったのです。営業がお客様からいただいた契約書は事務サービスセンターに送られ、そこで不備がないかどうかチェックされ、部門別に箱詰めされました。最大で2ヶ月滞留されたのち、スキャンセンターに送られ、サーバーにバッチ処理されていましたから、更に1ヶ月掛かっていました。のちに営業からすぐに閲覧ができるようにして欲しいとの要望があり、改善の検討がされたのです。

図4:弊社の契約書電子化の流れ
図4:弊社の契約書電子化の流れ

5

サテライトオフィスの活用が増加

こうして過去分の契約書の130万枚がデータ化されました。当初は「紙で探した方が楽だ」という意見も聞こえてきましたが、そんな心配もすぐに消えていきました。それはネットワークにつながる場所ならどこでも、いつでもすぐに欲しいデータが機種と機械番号さえ入力すれば入手できるからです。1分も掛からずに、130万枚の中から瞬時に検索できるのですから、こんな便利な玉手箱はありません。文明の力は恐ろしいもので、一度使ってしまったら手放せないものになりました。徐々に営業も活用の仕方を自ら工夫し出しました。例えば自社内の別オフィスにある「サテライトオフィス」に立ち寄り、仕事する風景が増えていきました。当初狙った営業の効率化という面ではトライアルとしてはひとまず成功した結果と言えました。

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