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東京支社を超えて東京地区全体へ波及 |
前号でご紹介したように、営業の効率化を目的として東京地区の4支店で電子化を進めてきました。そんな折、5箇所の営業拠点を1箇所へ、2,000名規模で統合することが決まりました(2004年1月に実施した移転の詳細は第三話でご紹介)。この拠点統合が、営業部門における契約書の電子化のゆくえを大きく作用することになったのです。
東京支社の4支店での電子化による効率化の結果を見て、他の支店でも実施して欲しいとの要望が上がりました。一方、新たに仕組みを導入することになる他の支社では、「今までの仕事のやり方を変えたくない」との理由から電子化に反対でした。移転が決まって4ヶ月で引っ越さなければいけない状態でしたので、十分議論している余裕はありません。最終的には「移転先である六本木ティーキューブビルの契約書を保管するスペースがない」「契約書そのものを事務所に保管していると危険である」「東京支社のトライアルの中で効率化が実証できている」という3点から、契約書の電子化が正式に決まりました。
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効率化の目的から契約書の保護する活動へ |
こうして424万枚もの契約書が電子化されることになったのですが、新たに「契約書の保護」という視点も加わりました。その背景には、1995年の阪神淡路大震災と、2001年9月11日の米国多発テロという2つの出来事がありました。
特に阪神淡路大震災。半壊して入居禁止になってしまった弊社の神戸の営業所内に、お客様情報および契約書があったのです。お客様の業務が早く復旧するよう、ご使用いただいている機械を、早急に稼動できる状態にしなければなりません。そのためには、お客様情報、契約書が必要なため、外部の力も借りて、今にも崩れ落ちそうな事務所から契約書類、顧客データを取り出したのです。
しかし、これには危険が伴うわけで、2度と繰り返してはならないとの大きな示唆から、古い構造のビルからの移転が進められました。と同時に、契約書を電子化し、原本を安全なところへ疎開する動きが始まりました。これが2004年9月より始まったバイタル・レコード・マネジメントへと繋がっていくのです。バイタル・レコードとは、企業の存続に関わる基幹文書・重要文書のことで、詳細は第二話でご紹介します。

図1:災害復旧から得られた示唆と課題
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セキュリティを重視したシステムへ移行 |
スタート時からするとデータの量も増え、効率化を目指した当初の目的から契約書そのものが重要文書(バイタル・レコード)の扱いとなり、さらにセキュリティ面とデータ容量からシステムの方針を変更することとなりました。情報システム部門の意向も確認し、記録(レコード)に関しては、堅牢で強固なシステムである文書管理・活用ソフトウエア 「ArcSuite Office」に既存のデータを移し変えました。こうしてカットオーバーしたのが「営業契約書閲覧システム」です。

図2:営業契約書閲覧システム
その結果、従来は誰もがすべての契約書を閲覧できたのに対して、営業が自分の担当するお客様の契約書のみを見ることができる仕組みへと変わりました。しかし、営業が外出先から事務所のスタッフに契約内容を調べてもらう、といったような運用ができず、お客様へのサービスが低下する懸念があったため、任意にアクセス権を設定できるように変更することとなりました。
また、営業が人事異動した場合でも、営業基幹システムが変更になれば、自動的に営業契約書閲覧システムの属性が変更される仕組みを実現しています。
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大事なことは継続できる仕組み |
東京地区の過去分をスキャニングする際は、社内にある海老名、岩槻スキャニングセンターに依頼をしていたことは前号で述べました。ところが、運用していく中で営業から改善要望があがりました。営業が、お客様から契約書を回収してから閲覧できるまでに約3ヶ月かかっていたのです。事務サービス部門で契約書に不備がないかをチェックするのに2ヶ月、その後スキャンセンターでまとめて処理されるまでに1ヶ月。
この電子化登録作業を短縮化するために、バイタル・レコード・マネジメント登録システムを開発しました。今では契約書が揃った時点で、随時、事務サービス部門で登録ができるようになり、営業からの不満もなくなっています。
このシステムの開発には1年近く時間を要しました。というのも、現場の負担をなるべく少なくし、かつ極力ミスが起きないようなシステムを目指して検討を重ねたからです。

図3:富士ゼロックスでの契約書電子化フロー
これまでの経験から言いますと、電子化というのは一度始めたら終わりがありません。常に鮮度管理が重要となってくるので、なるべくお金も時間もかからない仕組みが一番良いのです。
その意味において、手前味噌ではありますが弊社の仕組みはうまく回っている、といえるのではないかと思っています。
というのも、1999年に端を発した契約書閲覧システムの評判が大変良く、2006年には34販売会社へと広がり、活用度が上がっているからです。
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契約書電子化の効果 |
ところで電子化について、どうやって効果を計ったらよいのでしょうか?
「スペースコスト」「検索コスト」「移動コスト」「コピーなどの配付コスト」「郵便などの通信コスト」といった項目での削減効果が見込めます。
図4は、六本木ティーキューブの契約書424万枚を「紙のまま保管した」場合と「電子化して、原本は免震倉庫で保管した」場合とで、「スペースコスト」「検索コスト」の面で比較したものです。

図4:契約書電子化の費用対効果
424万枚を電子化するには、ざっと計算して1億2,720万円必要です。
スペースコストを見た場合、電子化(242,200円/月)すれば、紙で保管したとき(1,847,000円/月)の13%のコストに収まります。しかし、これだけでは電子化費用をペイすることができません。
次に、検索頻度が多い、あるいは一件あたりの検索に時間が掛かっている、という検索コストを含めて考えると、紙で保管した場合の9,565,210円/月に比べて、電子化したときは627,879円/月で済みます。つまり8,937,431円/月の効果があるわけで、1億2,720万円投資しても、14.2ヶ月で回収できてしまうのです。契約書は、15年間は保存されるとすれば十分ペイするものといえるでしょう。
私たち自身の教訓から、なんでもかんでも電子化するのではなく、「よく活用する文書」あるいは「即時検索する必要のあるもの」「遠隔地からも閲覧するようなもの」「同時に複数の人が活用する可能性のあるもの」などを対象にすべきでしょう。
今回、弊社における契約書の電子化事例を2回に渡りお届けしましたが、これから電子化をご検討される方の参考になれば幸いです。
次回は、バイタル・レコード・マネジメントの取組みについて、総務部の酒井がご紹介します。
(次号に続く)
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