経営重点テーマ

未来へつなぐ社会貢献(1.将来世代の人材育成、2.希少な文化や情報の伝承)

1.将来世代の人材育成

新興国における教材提供プロジェクト

富士ゼロックスが事業を展開するアジア・パシフィック地域では、十分な初等教育を受けられない児童が多く存在しています。本プロジェクトは、初等教育レベルの教材配布を通じて、新興国における児童の教育格差是正に貢献します。

富士ゼロックスが全体を統括、教材コンテンツを無償提供するパートナーと、印刷費用などを負担するフィナンシャルスポンサーを募り、現地ニーズに合った教材を作成します。作成した教材は、必要な部数を必要な時に出力できる強みを活かし、当社のプロダクションプリンターで印刷、現地NGOや地域コミュニティーと協力し、十分な教育の機会に恵まれない児童へ提供および学習支援が行われます。本プロジェクトは、より多くの企業やNGOとの連携により支援する児童数を拡大し、2023年までにアジア・パシフィック地域で10万人の児童への配布を目指しています。

教材提供プロジェクトの仕組み

これまでの活動実績

本プロジェクトは2014年のフィリピンでの活動開始を皮切りに、2015年度にはミャンマー、タイ、2016年度にはベトナム、インドネシアへと活動を順次拡大しています。各国の状況やニーズに応じて支援の形も様々に変化させながら、プロジェクト全体の支援児童数は約71,000人、活動に参加した従業員はのべ300人となりました。

今後の進め方

2017年度は、上記5カ国での活動を継続・拡大するとともに、マレーシアでの活動開始を予定しています。引き続き、各参加企業の強みを活かし、国による教育制度や学習文化、社会課題の違いに柔軟に対応しながら、各国・地域ごとに持続可能な仕組みの運用を目指します。

各国における活動の様子
フィリピン

活動開始:2014年6月

主なパートナー:
  • (株)学研ホールディングス (教材コンテンツ提供)
  • Gawad Kalinga Community Developmet Foundation, Inc. (1)注1
  • CFC ANCOP Global Foundation, Inc. (2)

提供コンテンツ:
英語、算数の補助教材

これまでの支援児童数:
3,964人

活動の内容(支援の形):
英語

(1) NGOが貧困地域で運営する幼児教室に通う子供たちに、英語/算数のワークブックを配布しています。学習の進捗をNGOと確認しながら、支援を継続しています。

提供教材を使った学習風景

(2) NGOの運営するプログラム(公立小学校と連携し、英語の成績に課題のある1-2年生の児童に対し、1年間の英語強化プログラムを提供、1年後には学力の向上度合いを確認するもの)に、英語の読み書きが練習できるワークブックを提供しています。このプログラムでは、大学生を中心としたボランティアによるチューター制度を取り入れており、児童の着実な学力向上支援を目指しています。

ミャンマー

活動開始:2015年6月

主なパートナー:
  • (株)学研ホールディングス (教材コンテンツ提供)
  • Xenon Company Limited (出力支援)

提供コンテンツ:
算数の補助教材

これまでの支援児童数:
667人

活動の内容(支援の形):
1年生算数

ヤンゴン近郊を中心に、経済的に恵まれない児童が多いエリアにある国営小学校・僧院小学校の児童に、算数の計算練習ができるワークブックを提供し、授業の補助教材として活用いただいています。当社の従業員が定期的に現地を訪問、各校の先生方と活用状況の確認を行いながら支援を継続しています。

ワークブックを嬉しそうに見る児童

2016年度は、ヤンゴン近郊での活動を3校から5校に広げると共に、当社販売代理店の協力によりミャンマー第二の都市であるマンダレーの僧院学校にも支援を拡大しました。

学習の進捗に応じ現在は3種類のワークブックを用意していますが、先生方とニーズの確認をしながら、難易度や使用言語のバリエーションも広げています。

タイ

活動開始:2015年8月

主なパートナー:
CCF(Community Children Foundation Under the Royal Patronage of HRH Princess Maha Chakri Sirindhorn)

提供コンテンツ:
読み書き、算数、言葉あそびなど多彩な内容の学習導入補助教材

これまでの支援児童数:
60,810人

活動の内容(支援の形):
王室エンブレム入りワークブック 北部学校でのセレモニーの様子

タイ王室マハ王女後援のもとで児童育成支援を行うNGO CCFの協力を得て支援先の特定、教材制作、配布、配布教材の活用状況の確認を行っています。主な受益者となる辺境地域の学校の先生方やNGOとニーズを検討の上、読み書き、数の数え方、時計の読み方、迷路、言葉あそびなど、児童の興味や学習意欲を喚起するための補助教材となるワークブックを提供しています。

2016年には、マハ王女60歳を記念して王室のエンブレム入りの特別バージョン60,000冊を用意。8月に富士ゼロックスタイランドの社長が宮廷を訪問し王女様に贈呈しました。提供したワークブックはNGOにより順次児童に届けられています。

ベトナム

活動開始:2017年2月

主なパートナー:
Save the Children Vietnam

提供コンテンツ:
読み物/絵本(11冊)

これまでの支援児童数:
約2,000人

活動の内容(支援の形):
絵本表紙の例 読み聞かせの様子

グローバルで児童支援を行うNGO Save the Children と連携し、主に辺境地域の図書館/図書室などに、就学前児童を対象とした読み物/絵本を提供、NGOが活用支援及び活用状況の確認を行います。

NGOが用意したコンテンツに本プロジェクトの主旨紹介を加え、当社顧客の支援を受けて出力、提供しています。教材はイラスト入りのカラフルなベトナム語の読み物で、身につけるべき習慣や道徳的な内容を中心に、語彙力や読解力の増加、読む習慣づけ、学習意欲の喚起などを目的に作られています。また読み聞かせを行う教師のための活用ガイドも用意されています。

2017年2月に行われた活動開始のセレモニーには当社従業員も多く参加し、子ども達とのふれあいを楽しみました。

インドネシア

活動開始:2017年3月

主なパートナー:
SOS Children’s Village Indonesia

提供コンテンツ:
読み書き、算数、言葉あそびなど多彩な内容の学習導入補助教材

これまでの支援児童数:
3,500人

活動の内容(支援の形):
カラフルなワークブック 子どもたちとの交流風景

インドネシアにおける当社の販売代理店であるPT Astra Graphia, Tbk.が同社財団を活用し、グローバルNGO SOS Children’s Villageと連携して活動を開始しました。本プロジェクトにてタイで提供しているワークブックを参考に、読み書き、数の数え方、時計の読み方、迷路、言葉あそびなど、児童の興味や学習意欲を喚起するためのインドネシア語の補助教材をNGOと共に準備し、支援を必要とする児童に提供しています。

ジャカルタ近郊から開始し、インドネシア各地に活動を広げます。

  • 注1 フィリピン全土でスラム街住民の自立促進を目的とした住居建設プロジェクトを推進するNGO。Gawad Kalinga(ガワッ・カリンガ)はタガログ語で「気にかける」を意味し、現在フィリピン国内で2,000のコミュニティー、60,000家族を支援しています。富士ゼロックスフィリピンが2007年に富士ゼロックスガワッ・カリンガ・ビレッジを建設して以来、協力関係を築いてきました。本プロジェクトにおいては地域社会との橋渡し役となる重要なパートナーとして協働しています。
関連情報

2.希少な文化や情報の伝承

伝統文書の複製と活用

当社は、自社の複合機や最新技術を融合し、古文書などの伝統文書を原本そっくりに複製・復元する社会貢献活動を推進しています。贈呈した複製品を通じて、失われつつある文化やかけがえのない伝統文書の、社会での活用への貢献と将来への伝承を目指しています。

2008年に富士ゼロックス京都が社会貢献の一環として伝統文書の複製を通じた文化継承活動を開始。依頼される原本がより精緻で色鮮やかになるにつれ、開発陣を巻き込んだ活動に拡大しました。旧家や神社仏閣などに眠る伝統文書を現代でも活用できるように、色合いや和紙の種類、手触り感、製本に至るまで、原本を忠実に再現し、経年劣化が心配される伝統文書の原本に代わり、実際に手で触れて活用できる複製品を神社仏閣、市町村、大学、企業などに200点以上の複製品を贈呈しています。

当社は「時を超えたコミュニケーション」をテーマに、独自の複製技術やコミュニケーション技術を融合し、伝統文書の再現・伝承を支援することで、「失われつつあるかけがえのない伝統文書の発掘」「開示されていない伝統文書の公開」「先人の教え、知恵・思いや気持ちの伝承」に貢献することを目指します。

これまでの活動実績

2014年4月に活動の対象を全国規模に拡大するとともに技術部門との連携を強化するため、研究・開発の主要拠点である横浜の富士ゼロックスR&Dスクエアに活動拠点を開設。京都と横浜の2拠点体制としました。

2016年度は、山口県 防府天満宮所蔵の「松崎天神縁起絵巻」や熊本大学附属図書館所蔵 貴重文書「細川忠利血判起請文」、宮城県白石市図書館所蔵の「白石片倉家臣據旗記」などの複製品を贈呈しました。

中でも、公益財団法人東洋文庫所蔵の「戸田浦における露国軍艦建造図巻」(以下軍艦建造図巻という)の複製品は、2016年12月の日露首脳会談に来日したロシア連邦のプーチン大統領への贈答品に選ばれ、安倍首相からプーチン大統領に記念品として贈呈されました。

熊本大学 山尾館長(左側)への複製品贈呈
白石市 山田市長(左側)への複製品贈呈

露国軍艦建造図巻は、日露和親条約締結を目的に下田に来航したロシアの使節プチャーチンが、安政大地震による大津波で乗艦を失い、日本の助力で代替船を建造したことを記した水彩画絵巻。日露交流史と美術的観点の両面から文化的価値を高く評価されている伝統文書です。伝統文書固有の色彩や光沢、経年変化による独特の風合いがあり、このような色彩を複合機で和紙に忠実に再現するには、高度な複写技術が要求されます。製作にあたっては、電子化した画像情報を印刷に適した形式に色変換し、原本に忠実に再現する独自のカラーマネジメント技術を活用しました。

軍艦建造図巻の複製品の一部分

今後の進め方

2017年度は、文化伝承活動を地域の活性化や地域における教育に結びつけていくことを重点として活動していく予定です。全国の様々な貴重な伝統文書の複製を通じて、地域の活性化や発展に貢献するとともに、今後はさらに国内だけでなく海外も視野に入れ、より一層文化の伝承に貢献していきます。

防府天満宮 鈴木宮司への複製品贈呈

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