トップコミットメント

オープン、フェア、クリアな事業活動を徹底して、信頼の回復に全力を注ぐとともに、人々が創造性を発揮し働きがいを実感できる社会の実現に邁進します。富士ゼロックス株式会社 代表取締役会長 古森重隆 富士ゼロックス株式会社 代表取締役社長 栗原博

不適切会計処理問題について

この度、当社海外子会社において、過去数年間にわたる不適切な会計処理が発覚したことに関して、お客様をはじめ、取引先、従業員、株主等、ステークホルダーの皆様には多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
本年6月12日に、富士フイルムホールディングスが当社 海外子会社における会計処理の妥当性を確認するため設置した「第三者委員会」より調査報告が公表されました。調査報告では、富士ゼロックスニュージーランド(FXNZ)および富士ゼロックスオーストラリア(FXA)にかかわる一部の会計処理が不適切に行われていたことや、富士ゼロックスのガバナンス(内部統制)に対して非常に厳しい指摘を受けました。
当社は、かねて「CSRは経営そのもの」を標榜し、「私たちが目指すもの(ミッションステートメント)」や「私たちが大切にすること(シェアードバリュー)」を大切にして、日々の事業活動の中で実践することに努めてまいりました。しかし、残念ながら、それが不十分であったということに、経営陣として責任を痛感しております。
今回の事案を真摯に受け止めて、6月に当社の経営体制を刷新し、再発防止と信頼回復に向けたさまざまな施策を実施しています(P.5~8「不適切会計処理問題について」を参照)。トップマネジメント層には、責任と覚悟を持って事態に正面から向き合い、ガバナンスやコンプライアンスを遵守した事業活動をリードすることを国内だけでなくグローバルに再徹底しています。すべての従業員に対しても、一人ひとりが会社を代表していることの責任感や倫理観を強く持ち、守るべきルールに基づいて各役割を果たしていくよう啓発を図っています。
この教訓を糧とし、富士フイルムグループがビジョンに掲げる「オープン、フェア、クリア」な事業活動の推進を再徹底して、企業風土にしっかりと浸透させ、あらゆるステークホルダーの皆様から再び信頼していただける企業となれるよう全社を挙げて取り組んでまいります。

富士フイルムグループにおいて富士ゼロックスが中長期的に目指すもの

今回の事案は、短期的な利益の実現だけでなく、中長期的に富士ゼロックスが社会にどのような価値を提供し存在意義を発揮していくべきかを真摯に自らに問い、必要な手を打つことの重要性を、私たちに改めて強く認識させるものでした。
2017年8月に、富士フイルムグループは新たな中期経営計画「VISION2019」と、長期的なCSR計画「FUJIFILM Sustainable Value Plan 2030(以下、SVP2030)」を発表しました。SVP2030は、サステナブル社会の実現に向けて変革をリードする企業となるために、強靭な経営基盤のもと、事業活動を通じた社会課題解決への貢献によって持続的な成長を成し遂げていく、富士フイルムグループが2030年に向けて実現を目指す姿であり、中期経営計画のベースに位置づけられています。
その中で富士ゼロックスはドキュメントソリューション部門において、当社の経営哲学を源とするBetter Communications、すなわち、当社のミッションステートメントにある「知の創造と活用をすすめる環境の構築」を通じて、お客様の経営課題や社会課題の解決への貢献をさらに推進してまいります。これは、国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals : SDGs)の目標8「働きがいと経済成長の実現」に貢献し、人々が創造性を発揮し働きがいを実感できる社会の実現を目指すことを意味します。
具体的には、ドキュメント技術を活用した業務プロセスの自動化によって生産性を抜本的に改善すると同時に、AIやビッグデータ解析等を活用した価値ある情報の抽出・活用によって人の知的創造を支援します。長期的には、革新的なコミュニケーション技術を活用して、医療、教育、中小企業活性化、地方創生などの面で、社会の仕組み(エコシステム)の変革に貢献します。当社は昨年来、ミッションステートメントに沿って当社のCSR経営が2030年、2020年で目指すことについて経営陣で議論をしてきましたが、「事業を通した社会課題の解決」と「事業プロセス」の両面で、CSRの事業への統合をすすめてまいります。

富士ゼロックスの中期経営目標達成に向けて

富士ゼロックスは、2016年10月に発表したSmart Work Gatewayのコンセプトを体現し、社会のあらゆる人々が、いつでも、どこでも、誰とでも、必要な情報を最適な形で、安全かつ簡単に利用できるコミュニケーション環境を提供してまいります。
成長を期待する市場機会に対しては、2017年度に新成長事業創出部、セキュリティビジネス事業部、ヘルスケアビジネス事業部、観光・クラウドビジネス事業部、地域創生営業部などを創設し、お客様や社会のニーズに対応できる専門力を強化していきます。新たな価値創出や商品・サービスの市場への提供においては、富士フイルムホールディングスならびにゼロックス・コーポレーションとの強固なパートナーシップを基盤として、プロダクションサービスのインクジェットの領域などで相乗効果を生み出し、事業成長の実現をグローバルに加速させていきます。そのため、お客様の期待をより深く理解しスピーディーに応えられるように、4月に新たな事業本部制を導入しました。さらに、研究開発・調達・生産の総力を結集したメーカーとしての競争力の強化にとどまらず、働き方変革の促進や環境負荷低減につながる付加価値がより高い商品やソリューション・サービスを提供すべく、将来に向けて重点投資も行っていきます。
これにより、2019年度の経営目標として、連結売上高1兆1,000億円、営業利益950億円(営業利益率8.6%)、CO2排出量増分ゼロ(2013年度実績比)の達成を目指します。

ステークホルダーの皆様への約束

2016年度は、ソリューション・サービス化への事業構造転換をすすめ、社会課題の解決という事業の視点でさまざまな取り組みがなされました。お客様へのソリューション提供では、ダイレクトメールを活用した革新的なプロモーション展開が評価され、日本郵便株式会社主催「第31回全日本DM大賞」金賞を受賞、DocuWorksは国内販売累計500万ライセンスを達成するなど、お客様の働き方変革を推進する取り組みがすすんでいます。自社では、経済産業省主催「平成28年度 新・ダイバーシティ経営企業100選」経済産業大臣表彰を受賞したほか、お客様満足度の調査結果でも、業界初となる8年連続 顧客満足度No.1の栄誉を獲得しました(J.D.パワーアジア・パシフィック社調べ)。
2017年は「Turnaround Toward New Sustainable Growth」を経営方針に掲げて、財務面の強化に加え、非財務面においても、環境・人権・倫理などESG(環境・社会・ガバナンス)にかかわるCSR基盤をサプライチェーン全体にわたり強化に取り組んでいます。
AIなどに代表される新しい技術革新が社会や経済構造に与える変化を市場機会の拡大ととらえ、未来の社会の人々の働き方を豊かなものへと導くイノベーションを生み出し、当社の「よい会社構想」でいう「強い、やさしい、おもしろい会社」を超えて、富士ゼロックスならではの社会的な存在価値を高めていく所存です。
社会から信頼され、社会とともにサステナブルな成長を成し遂げられるよう、原点に立ち戻り、新たな富士ゼロックスを再び創造していく覚悟と決意を持って尽力してまいります。