お客様や社会の環境負荷の低減

商品における地球温暖化抑制への取り組み

富士ゼロックスは、商品が地球温暖化に与える影響を最小限に抑えるため、ハードウェア面・ソフトウェア面の両方で環境負荷の低減に取り組んでいます。
まず、商品開発にあたっては電力消費量の低減と利便性の両立を追求しています。すべてのラインナップの新機種に省エネルギー技術を導入し、旧機種と交換していくことによって、お客様が使用する際の電力消費量を削減することを目指しています。
次に、商品販売にあたっては、お客様により多くの環境配慮商品を提供するために、環境配慮商品に関する社員教育の実施やお客様ご使用時の環境負荷を見える化する「環境効果シミュレーター」を活用した営業活動などに取り組んでいます。さらに、お客様の節電に役立てていただけるよう、省エネモードの設定方法のご案内や、オフィスにおける出力機器の節電シミュレーションの実施および出力機器の消費電力可視化サービスの提供を行っています。

地球環境問題を解決する技術

安全で環境にやさしい商品を提供するために、効率的な部品の再利用や材料の再資源化を可能とする技術、省エネ技術、そして世界各国の環境技術への対応に取り組んでいます。これら具体的な取り組みについてご紹介します。

環境負荷の見える化

2015年度、富士ゼロックス株式会社は行政等への報告を効率的かつ適切なタイミングで行なえるよう、富士フイルム株式会社と共通のシステムを導入しました。データ収集と集計の期間を2ヶ月間に短縮し、環境経営の意思決定についても迅速に対応していきます。
また将来的には、エネルギー・廃棄物以外の環境負荷項目に管理範囲を拡大し、バリューチェーン全体の環境負荷の把握を目指します。

商品における天然資源保全への取り組み

資源循環システム

富士ゼロックスは、1995年に、商品リサイクル全社方針「限りなく『廃棄ゼロ』を目指し、資源の再活用を推進する」を定め、環境負荷低減のために、企画・設計・調達から再資源化に至るまで、商品ライフサイクルすべての段階を視野に入れた取り組みを進めています。
当社の環境保全活動の柱の一つが、「使用済み商品は廃棄物ではなく、貴重な資源である」という考えを基本とする資源循環システムの推進であり、この資源循環システムは、市場に出した商品を回収して、閉じた輪のなかで部品を循環させる「クローズド・ループ・システム」を中心に、上流の企画段階から下流の再資源化(リサイクル)までを大きく二つの考え方で構成しています。その一つが、部品の再利用を前提に環境負荷の少ない商品づくりを目指す「インバース・マニュファクチャリング(逆製造)」。もう一つが、再使用できない部品を分別・再資源化し、再び資源として徹底的な活用を目指す「ゼロ・エミッション」です。

資源循環システム

インバースマニュファクチュアリング

富士ゼロックスは、回収された使用済み商品から取り出した部品を効果的にリユースするため、後継機の部品として再使用できるような多世代にわたる企画を行っています。
また、部品リユースを拡大し確実に商品に導入する「リユース設計指針」を策定し、設計者には「リサイクル設計ガイドライン」、部品・素材メーカーには「リサイクル調達ガイドライン」としてリユース部品活用拡大の活動促進を図っています。また、特定有害化学物質の削減目標については「グリーン調達基準」の一つとして定め、設計段階における削減を図っています。

クローズド・ループ・システム

部品のリユースを核としたクローズド・ループ・システムは、回収した使用済み商品から取り出した部品を、厳しい品質基準を満たしたリユース部品として活用するものです。
2015年度は、リユース部品を活用した商品数や消耗品カートリッジ注1のリユース量が増加したことにより、新規資源投入抑制量が前年度比で増加しました。

部品リユースによる新規資源投入抑制量注2(日本国内とアジア・パシフィック地域、中国の合計値)

2015年度の部品リユースによる新規資源投入抑制量(日本国内とアジア・パシフィック地域、中国の合計値)は、3,273t。

  • 注1 マーキングユニット・トナーカートリッジおよびトナー回収ボトル
  • 注2 富士ゼロックスおよび関連会社が製造過程でリユース部品を活用したことによって、新規資源を抑制できた量

ゼロ・エミッション

富士ゼロックスは、部品リユースを最優先に資源活用に取り組んでいますが、部品としてリユースできなかった資源については、まず商品の素材として使用する材料リユース注3を目指しています。それでも利用できない資源は、当社で国内最大44部品類、海外約80部品類に分解・分別し、素材化できるものは専門業者によってマテリアルリサイクルされます。さらに素材として利用ができなかったものは、サーマルリサイクルとして熱源に利用しています。このようなリサイクルパートナーとのネットワークを含めた再資源化体制により、埋め立てをしない「廃棄ゼロ」を実現しています。

回収された使用済み商品の再資源化率 2015年度注4

2015年度の回収された使用済み商品の再資源化率は、日本 99.9%、アジア・パシフィック 99.7%、中国 99.9%、台湾 99.9%、オーストラリア 99.6%、ニュージーランド 99.7%、韓国 99.9%。

  • 注3 部品としてリユースできなかったものを、素材に戻し、再び自社製品の素材として活用することを当社では材料リユースと呼んでいます。
  • 注4 国内外で回収された使用済みの複合機やプリンター機械本体(消耗品除く)において、部品リユースまたは素材・熱など再び資源化して活用した割合

国際資源循環システム

富士ゼロックスは、事業のグローバル化とともに海外でも日本と同様に環境負荷低減に取り組まなければならないと考えています。この考えに基づき、2004年度にはアジア・パシフィック地域(タイ)にリサイクル拠点として富士ゼロックスエコマニュファクチャリングを設立、2007年からリサイクルを開始した台湾の桃園工場と合わせて、2008年度には中国・蘇州に富士ゼロックスエコマニュファクチャリング(蘇州)を設立し、日本と同等の資源循環システムを構築しています。
なお、従来は、アジア・パシフィック地域における「廃棄ゼロ」に向けた取り組みは、タイのリサイクル拠点に集約することが最も経済的、かつ合理的との判断で進めてきましたが、使用済商品の輸出に関するバーゼル条約改正や先進国の国内法(有害廃棄物輸出に関する規制)の強化に対応するため、オーストラリア・ニュージーランド・韓国については「廃棄ゼロ」が達成できることを確認の上で、2012年度より自国内での再資源化処理を開始しました。

100%再資源化処理システム

生物多様性保全に向けた責任ある用紙調達と供給

当社は「調達先に対する環境・健康・安全に関する調達規程」を制定し、当社が調達、使用、または販売する用紙の調達先企業に対する取引基準を定めています。
この規程では、調達する用紙自体に対する基準のみならず、調達先の事業活動全体に生物多様性保全や地域住民の権利尊重等を求める「CSR観点を重視した操業を求める取引基準」を設けています。また、2012年から用紙調達の関係者による会議を開催し、この取引基準の適合状況を確認しています。2015年度は第四回の会議を開催しました。
2016年度もお客様に安心して弊社の用紙をお使いいただけるよう、引き続き規程に基づいた運用を進めて行きます。

1.調達先企業に対する取引基準の原則(当社が取引する調達先企業への要求事項)

  1. 環境
    操業する国および地域の法令を遵守していることはもとより、保護価値の高い森林の保護や森林生態系に配慮した操業を行っていること
  2. 地域住民の権利
    周辺住民の権利(生活権や居住権等)が守られているとともに、周辺住民の権利に重大な影響を与える可能性がある場合に、当該住民に対して十分な対話を行っていること
  3. 企業倫理
    労働者の人権が守られていること、公正な取引が慣習的に行われていること、反社会的勢力や団体との関係を断っていること

2.用紙に対する調達基準の原則(取引基準に適合する企業から調達する用紙への要求事項)

  1. 持続可能な森林管理がなされていること
    第三者機関により認証を受けた森林であること
    もしくは、管理がされた状態にある森林であること
  2. 再生パルプは原料古紙の供給元が明らかであること
  3. 使用する化学物質は安全が確認されていること
  4. 用紙製造は、無塩素漂白処理で行っていること
  5. 生産工場は環境管理システムを保持していること

商品における化学物質リスクの低減への取り組み

商品に使用される化学物質については、「エコロジー&セーフティビジョン」に則り、法規制より厳しい自主基準を設定し管理するとともに、法律の制定・改正情報を把握し法規制対応を施行前に確実に完了することを基本方針としています。

2019年に現在のRoHS規制物質注5に加えて新規制限物質4フタル酸エステル類が追加されます。15年度は現在購入している部品や材料に関して4フタル酸エステル類の含有調査を実施しました。今後、含有禁止への移行を進めていきます。
サプライチェーンにおける管理の重要性に関して取引先企業への説明会を開催し、不具合事例の再発防止の徹底を図るとともに、2012年度から、取引先での化学物質管理の実態を把握でき、かつ取引先自身が問題を把握できるよう監査方法を見直しています。2013年度以降は新監査により各社の管理レベルを把握し、必要と判断される取引先への支援・指導を強化し、取引先全体の化学物質管理のレベルアップを図っています。
また、2013年11月の富士ゼロックスハイフォン(ベトナム・ハイフォン市)の稼働開始に伴う新規の取引先に対しても説明会を行い、部品含有有害物質調査範囲の拡大をすすめています。

REACH規則の部品への対応としては、これまでに構築した社内データベースを活用し、現状の調査ツールであるJAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)のAIS(アーティクルインフォメーションシート)に加えて、新たなツール(chemSHERPA)に対しても、ツール評価等に積極的に関与し、新しい含有化学物質情報伝達スキームへの対応を検討していきます。REACH規則注6への対応については、調剤として対象となるトナーやオイルなどの輸入量に応じた登録の作業を継続しています。2015年度までに約70件を登録完了し、18年の登録完了に向けて順次対応しています。

海外における化学物質の法規制対応として、2012年度に中国の現地化対応を強化しました。中国現地法人内に認可組織を設立し、現地メンバーによる化学物質の登録処理ができる体制を構築し、現在、同様の対応がアジアの他の国々へ展開を検討しています。
今後も国際的な動向を先取りし、速やかに対応できるよう有害懸念化学物質の削減への取り組みを積極的にすすめていきます。

PRTR注7届出対象物質の2015年度実績

政令番号 対象物質名 使用量(t) 排出量 大気
4 アクリル酸 11.9 0
7 アクリル酸ブチル 474.7 0
71 塩化第二鉄 192.5 0
80 キシレン 4.0 0.9
232 N,N-ジメチルホルムアミド 0 0
240 スチレン 1541 0
296 1,2,4-トリメチルベンゼン 0 0
300 トルエン 261.7 0.9
309 ニッケル化合物 0 0
384 1-ブロモプロパン 1.9 0.1
412 マンガンおよびその化合物 653.5 0
412 酸化マンガン 0 0
453 モリブデンおよびその化合物 0 0
  3141.2 1.9
  • 注5 RoHS指令:2006年7月1日以降、EU域内に上市される電子・電子機器を対象とする、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)の6物質群の使用を制限する化学物質規制。
  • 注6 REACH規則(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals):2007年6月から施行されているEU域内の化学物質の管理に係る規則。欧州連合域内で製造されるまたは欧州連合域内に輸入される年間1トン以上の化学物質の登録を義務づけている。
  • 注7 PRTR(Pollutant Release and Transfer Register):「特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)。
    この表では、PRTR法で指定された化学物質のうち、各生産拠点における取扱量が1トン以上の物質の合計を記載しています。なお海外の生産拠点における取扱量は、国内とは異なる管理体系のため、集計対象外としています。