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Fuji Xerox Art Space

今回の「ジム・ダイン」展では、富士ゼロックス版画コレクション所蔵作品の中から、米国の美術家ジム・ダイン氏の作品《私の体の30 の骨格》を展示します。
ジム・ダイン氏は1935 年生まれ。複数の大学で絵画や版画を学んだ後、ニューヨークで創作活動を開始し、ギャラリー内や市街地で行われる非日常性や偶然性を重視したパフォーマンス・アート「ハプニング」で注目を集めました。その後、アンディ・ウォーホルやロイ・リクテンスタインなどと並ぶポップ・アートの代表的な作家と目されるようになり、私達にもなじみ深い、身の周りの日用品をイメージとして取り込んだ作品を次々に制作しました。氏の活動領域は絵画に留まらず、版画や彫刻、さらに舞台衣装やセットのデザインなど幅広く、またイタリア、ドイツなどの国際美術展に積極的に参加するなど、世界で広く評価されています。
よく知られているカラフルな《ハート》や《バスローブ》などの作品のほかに、ジム・ダイン氏は、金づちや刷毛など身近にある「道具」を主題として多くの作品を制作しています。今回展示する《私の体の30 の骨格》も その一つで、ハサミやペンチなどを1 枚に1 点ずつ30 枚、モノトーンの細い輪郭で描いた、ドライポイント注1によるポートフォリオ形式の版画作品です。

  • 注1 先端が鋼鉄やダイヤモンドの針などを用い、銅板に直に彫って描画する版画手法

生家が金物屋だったジム・ダイン氏にとって、これらの「道具」は幼い頃から親しみ、手に取って使っていたモノであり、本作品はこれらを「骨」と見なすことで、自分の体の一部として捉えたものです。背景となる銅版は「皮膚」を表徴しており、氏が道具に感じている愛着や一体感が表現されています。無機物である これら道具を実物大に描いた作品一つひとつは、タイトルが示すようにジム・ダイン氏の「自画像」であるとも言われています。

会場および日程

  • 会場:
    富士ゼロックス・アートスペース
    (Fuji Xerox Art Space)
    〒220-8668 神奈川県横浜市西区みなとみらい六丁目1番
    富士ゼロックス R&D スクエア 1F
    地図
  • 日程:2018年6月11日(月)~8月31日(金)
  • 開館時間:11:00~19:00 (最終入館は閉館15分前まで)
  • 休館日:土・日・祝日および7月30日(月)~8月3日(金)
  • 入場料:無料
  • 最寄駅:
  • 各JR・地下鉄・私鉄線「横浜」駅より徒歩8分
    横浜駅中央通路から東口に進み、はまみらいウォークから日産グローバル本社を経由して、とちのき通り西交差点・横断歩道を渡り1F入口すぐ。
  • みなとみらい線「新高島」駅3番出口よりとちのき通り西交差点・横断歩道を渡り1F入口すぐ。

展示作品

私の体の30 の骨格/ 1972 年/ドライポイント、紙
(富士ゼロックス所蔵作品、30 点組)

ジム・ダイン氏(1935 年~) プロフィール

略歴

1935年 米国オハイオ州シンシナティに生まれる
1954-58年 シンシナティ大学、ボストン美術館芸術大学、オハイオ大学で絵画や版画を学ぶ
1958年 ニューヨークで創作活動を開始
1962年 アメリカにおけるポップ・アートの台頭を決定づけた「ニュー・リアリスツ」展(シドニー・ジャニス・ギャラリー/ニューヨーク)に出品
1963年 「6人の画家とオブジェ」展(グッゲンハイム美術館/ニューヨーク)に、アンディ・ウォーホル、ジャスパー・ジョーンズ、ロイ・リクテンスタイン、ジェイムズ・ローゼンクイスト、クレス・オルデンバーグとともに参加
1967年 英国ロンドンに渡り、アートへの取り組みの幅を広げる (1971年 帰米)
1970年 ホイットニー美術館/ニューヨークで個展を開催。以降、ニューヨーク近代美術館(1978年)、ウォーカー・アート・センター/ミネアポリス(1984年)、シンシナティ現代アートセンター(1988年)、ワシントン・ナショナル・ギャラリー(2004年)などで個展を開催。また名古屋ボストン美術館(2011年)など日本国内でも多数個展を開催
1980年 米国芸術文学アカデミー・アンド・インスティチュートのメンバーに選出
1998年 ベルリン芸術アカデミーのメンバーに選出
2003年 フランス政府から芸術文化勲章を授与

富士ゼロックス版画コレクションについて

絵画・彫刻・版画等、美術作品は私たちの生活を豊かにし、観る者の心を高揚させ、あるいはその心を静謐な精神世界に導いてくれます。その一方で、今までの歴史を振り返ってみますと、洋の東西を問わず、その時代や地域、人々の生活、世界観、そしてその時代の進む方向を映す鏡ともなってきました。言いかえれば、美術作品はその時代固有の姿を眼に見えるかたちで伝えるドキュメントとして、後の人々に時代や歴史を検証する重要な手掛かりを与えてくれているのです。

1988年、富士ゼロックスは社会貢献・文化活動の一つとして、事業の根幹をなす印刷・複製技術「ゼログラフィー」とも関係の深い版画作品を中心とした美術作品の蒐集を始めました。コレクションの開始から30年が経ち、現在では900点を超える作品が収蔵されています。