製造現場における熟練技術者の経験・ノウハウを 見える化した品質課題解決手法を確立

技術伝承を促し開発期間の短縮と生産性向上を実現

2019年9月25日

富士フイルムグループの富士ゼロックス株式会社(本社:東京都港区、社長:玉井 光一)は、商品や製造工程の開発における熟練技術者の経験やノウハウを見える化し、品質課題の要因を特定する独自の品質課題解決手法(メカニズムベース開発手法)を確立しました。10月17、18日に開催される第25回品質機能展開シンポジウム(一般財団法人日本科学技術連盟主催)注1において、本手法の自社事例を含めた講演と展示を行います。
当社の開発・生産拠点で本手法を導入した結果、以下の改善効果が得られています。

改善事例①:金型製作期間を1/3に短縮

これまで熟練技術者が、1年以上の期間を要して現物を使ったトライアンドエラーで作りこんでいた金型を、本手法を導入したことで経験の浅い若手技術者が試作品を作らずに起工することができ、不具合による手戻りを無くすことで量産設計後の金型製作期間を1/3に短縮。

改善事例②:品質課題の発生を1/10に低減

品質課題が発生するたびに生産設備の調整を行っていた生産プロセス(調整型生産)において、過去の対策で得られた知識を本手法で整理し、品質を安定させる良品条件(要因)を特定し、その改善を行った結果、品質課題の発生頻度を1/10以下に低減。

製造業の現場では、熟練技術者の経験やノウハウが、言語化されずに暗黙知として蓄積されており、過去の品質課題の解決で得られた知識を組織的に活用することが困難であるなど技術伝承は重要な経営課題となっています。このため新たな商品開発の際に、類似の品質課題を未然に防止することができないなどの問題が依然として多く発生していますが、本手法によりその解決が見込めます。
本手法は、従来伝承することが難しかった技術者の経験やノウハウを、「品質」・「機能」・「物理量」・「設計項目」の影響度合いとして見える化(図1:4軸表)することで、品質課題の要因を特定できることが特徴です。商品開発初期段階では、最小限の試作や実験で開発を進めることができるため開発期間を短縮し、作りこみが不十分なことによる前工程への手戻りも軽減できます。また、設計変更が発生した場合にも、気をつけるべき二次障害を予測できるなど、トラブルの未然防止が可能になります。
今後は、当社のイベント出展注2などを通じたお客様のニーズ探索や技術評価を行いながら、IoTにより製造工程の品質や変化をモニタリングしデータ化する当社独自のしくみ注3と組み合わせ、製造現場のスマート化を目指した利用検討を進めてまいります。

【図1】 4軸表(「電球が点かない」というシンプルな品質課題を想定した例)

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