従業員への取り組み

1.はじめに

富士ゼロックスを支えているのは人です。企業が持続可能であり続けるためには、さまざまな個性やバックグラウンドを持つ多様な従業員一人ひとりが、自らの力を最大限に発揮し、借りものでなく自分自身の問題意識にもとづいて変革を起こし、チャレンジし続けることが大切であると私たちは考えています。富士ゼロックスは、すべての従業員が「自ら考え行動」し、「変革をリードする」人材となるよう、環境を整備し、人材開発を進めていきます。

2.従業員意識の向上に向けて

富士ゼロックスおよび国内関連・販売会社、海外販売会社では、全社共通の指標「コア・モラール注1」に各国・地域で必要な要素を加えた従業員意識調査をそれぞれ継続して実施してきました。
調査項目は従業員の内発的な貢献意欲の状態(会社の方向性の理解・帰属意識・貢献意欲)と、従業員を活かす環境要因(組織・上司・仕事・人事)を把握することを中心に構成しており、その他、各社・各組織の特性に応じてオリジナル設問や、自由回答欄を設けています。調査結果は、各社各組織にフィートバックし、経営方針の策定や各組織における職場課題の解決に向けた重要な情報として活用しています。
2018年度には国内版を「エンゲージメントサーベイ」として設問内容を刷新し、国内版・海外版ともに、過去の調査内容との継続性を維持しながら、従業員の会社に対する自発的な貢献意欲と、期待される行動に対する発揮度合いを把握できるようにしています。

  • 注1 「コア・モラール」とは、富士ゼロックスが従業員の意識を測定するうえで重要と考える項目のことで、「仕事のやりがい」「職場の働きがい」「上司への信頼度」「人事運営」「組織運営」の5項目をさします。

3.働き方変革の推進

富士ゼロックスは、「モーレツからビューティフルへ」のキャッチフレーズを展開した1970年代から、世の中に先駆けて働き方変革の概念を世間に訴え、時代や社会のニーズに応じたさまざまな制度をいち早く整えながら、働き方変革に取り組み続けてきました。
近年は「社員一人ひとりが活き活きと働き、能力を最大限に発揮する会社」「多様な人材が活躍できる会社」「心身ともに健康で働き続けられる会社」を目指し、働く時間や場所の柔軟性を向上させる制度の拡充、業務プロセスや意識/風土の改革などに取り組み、組織全体の生産性向上も実現しています。
富士フイルムグループのCSR計画「Sustainable Value Plan 2030」でも、「働き方」を重点課題の一つに掲げ、「自社の働き方改革を、誰もが『働きがい』を得られる社会への変革に発展させる」ことを宣言しています。当社は、2018年に発表した価値提供戦略「Smart Work Innovation」のコンセプトのもと、社員自らが実践した業務改善の経験に基づき、お客様の「働き方変革」につながるソリューション・サービスの提供に取り組んでいます。

4.自ら考え行動する人材の育成

富士ゼロックスが求めるのは、変化に対応し、変革を起こすことのできる人材です。従業員一人ひとりが自身の能力を伸ばし、新たな課題に果敢に挑戦し、変化を生み出すことで成長を実感できるキャリアを形成できるよう、さまざまな取り組みを行っています。

教育・キャリア開発支援・グローバル人材育成

富士ゼロックスおよび国内関連・販売会社では、階層別教育として、変革に向けた課題を設定し、実践を通じて行動変容を起こすプログラムを実施しています。各階層のレベルに合わせて教育内容を見直すことで、変革のための課題提案力と実行力のレベルアップを図っています。職種別に体系化した人材育成プログラムも展開し、専門性の強化を支援しています。

また、従業員のキャリア開発を支援するために、社員が自分の強みや弱みを見つめ直し、次のキャリアを主体的に描いて挑戦するための仕組みを整備しています。全社員が毎年「キャリア開発シート」を作成し、上司と面談で共有。本人のキャリア目標・計画を踏まえた育成計画と実行のサイクルをまわしています。

人材グローバル化の観点では、国内人材の海外派遣と海外人材の招致を両輪で進めています。国内人材の海外派遣では、アジア・パシフィック地域及び米国の海外関連会社での業務経験を通じ、グローバルな視点で全社の事業を牽引できるリーダー人材を育成しています。海外人材の招致では、海外関連会社の人材を日本に一定期間受け入れることで、経営方針を深く理解しながら、将来海外各国での事業を牽引できる人材を育成しています。
上記に加え、国内外の教育機関への留学を通じて、全社の経営戦略を実現するビジネスリーダー、重点技術領域をリードする高度専門家人材の育成を行っています。

評価・任用・処遇

富士ゼロックスは、新規事業の立ち上げや既存事業の強化を加速するためには、これまでの考え方を一歩推し進めて「アグレッシブで変革志向の高い組織風土」が必要であると考え、2019年4月に人事制度を改定しました。
高い成果を出した社員をより高く評価するとともに、任用については、従来以上に、年齢に関係なく実力ある社員が積極的に登用され、活躍の場が広がるよう、評価・処遇の考え方、基準および昇格審査基準の改定を行いました。評価・処遇における実力主義の徹底を図ることで変革をリードする人材の輩出を促し、目指す組織風土の実現につなげていきます。

5.ダイバーシティ&インクルージョンの推進

富士ゼロックスにおけるダイバーシティの考え方

富士ゼロックスは、会社として重視する6つの価値「私たちが大切にすること」の一つに「多様性の尊重」を掲げています。
私たち富士ゼロックスおよび国内外の関連会社のビジネスはグローバルに広がっています。お客様や市場は多岐にわたり、共に働く仲間も多様です。様々なバックグラウンドを持つ人の力を活かし大きな力に変換していくためにも、多様性の尊重は欠かせません。

私たちは相互に学び、刺激を与え合う関係の中から生み出される新しい価値の提供を通じて、豊かな社会づくりに貢献していきます。具体的には、年齢、人種・民族、国籍、性別、障害の有無、LGBTなど、「属性の多様化」に加え、能力、経験、知見やそれらに基づく考え方などを含めた「個性の多様化」を互いに受け容れ、尊重し、時に議論を交わしながら多様な価値を融合していきます。

そのためには、富士ゼロックスで働くすべての人が高いモラルを持ち、人権尊重の基本概念を理解した上で自ら行動で示していくことが重要です。「富士フイルムグループ行動規範」でも、基本的人権の尊重をコミットしています。

富士ゼロックスのダイバーシティ推進方針

富士ゼロックスは、自社の競争力向上に不可欠な要素として、多様な個性を尊重し、受け容れ、活かすダイバーシティ推進を重要な経営戦略の一つと位置づけています。そのもとで、以下を強化していきます。

  1. 多様な人材が高いパフォーマンスを発揮できる働き方変革の推進
  2. より良い経営判断のための多様な知の融合
  3. 優秀な人材の獲得、活用
  4. 社会に新たな価値をもたらす商品・サービスの提供

具体的な取り組み

上記方針を具現化するために、以下のような取り組みに力を入れています。

I.自社における多様な人材の活躍推進

富士ゼロックスでは、企業を支えているのは人であるという認識のもと、個と組織の成長を最大化するための各種教育や制度・プログラムの充実に加え、グローバルレベルでの人材の戦略的配置によって国内外のすべての人材が活躍できる体制を強化しています。
女性の活躍促進では、2016年に施行された「女性活躍推進法」を受け、富士ゼロックスおよび国内関連会社は、全社で「女性活躍推進法に基づく行動計画」を策定し情報公開を実施してきました。現在も各社において各々の行動計画に基づいた取り組みを展開し、女性活躍を進めています。
障がい者雇用については、ノーマライゼーションの趣旨に賛同し、障害の有無にかかわらず全ての人が働きやすい職場の実現を目指しています。2018年度より、富士フイルムホールディングスを事業主とするグループ算定特例のもと、グループ内の連携を強化し障がい者雇用推進に取り組んでいます。法令順守、そして誰もがいきいきと活躍できる会社の実現に向けてさらなる取り組みをすすめていきます。
グローバル人材の活躍推進については、「4.自ら考え行動する人材の育成」を参照ください。

女性活躍促進 各種認定

  • 次世代育成支援対策推進法に基づく認定「プラチナくるみん」
    富士ゼロックス(単独) 2016度認定
    富士ゼロックス多摩2017年度認定
  • 女性活躍推進法に基づく認定「えるぼし」第二段階
    富士ゼロックス(単独) 2017年度取得
  • 「平成28年度 新・ダイバーシティ経営企業100選」経済産業大臣表彰
    富士ゼロックス(単独) 2016年度受賞

II.お客様や社会に対する多様な働き方推進やイノベーション創出

富士ゼロックスでは、実際に私たちが実践し効果を確認した多様な働き方のモデルを、お客様へのサービスメニューとしてご提供しています。例えば、モバイルワークやサテライトオフィス活用による高い生産性の実現、ドキュメント共有による情報面での業務効率アップへのアプローチなどです。
また多様な「人」によるイノベーションの創出を目指し、お客様やパートナー企業の皆様と共に課題解決の方法や新たな仕組みを検討し創り出す場のご提供も、積極的に行っています。これらを通じ、お客様や社会に多様な価値を提供していくことを目指します。

多様な働き方を推進するお客様へのご提供サービスの例

6.労働安全・健康保持増進

労働安全

「富士フイルムグループ行動規範」では、「労働安全衛生」の指針を明確にしています。富士ゼロックスは、「安全の確保はすべての業務に優先する」ことを理念として掲げ、「安全で快適な職場づくり」「心身ともに健康な従業員」の実現を目指し、国内・海外を含めた全社で活動に取り組んでいます。国内・海外各社へのガバナンスを強化・徹底するとともに、理解促進のためケーススタディを交えた教育を展開しています。
国内の全社安全衛生規程においても、健康に関する基本的な考え方を定めており、長時間労働が発生している社員には産業医が個別に面談を実施し、必要な場合には対象部門へ勧告を行う等の処置を講じています。

健康推進

健康推進のさらなる強化を目的に2018年7月より、富士フイルムホールディングス「健康推進グループ」を立ち上げ、富士ゼロックスと富士フイルムが一体となり、統一方針のもと、実行計画を策定・推進しています。

具体的には、富士フイルムグループ共通の健康推進方針、および重点施策を策定し、生活習慣病やがん対策、禁煙などの健康指標(KPI)を富士フイルムグループ共通で設定の上、取組みを進めています。
また、富士フイルムグループ従業員の健康管理情報をヘルスデータバンク(HDB)にて一括管理し、データに基づく管理を進める基盤を整備しています。
さらに、富士フイルム健康管理センターや内視鏡クリニックを活用するなど、社員の健康維持・向上を目指して活動しています。

その他、健康保険組合とコラボヘルスを進め、喫煙率やメタボ率を減らす取組みや、チーム戦形式で一つの目標に向かって協力しあうことで、楽しみながら健康増進をはかれる「歩活 あるかつ(各チームの平均歩数を毎日自動集計し、ランキング表示して競い合う)」イベントを実施しています。

また、メンタルヘルス推進も重要な課題の一つとして、メンタル疾患症例をきめ細かく分析し、疾患に至る前の予兆を把握する取り組みを行っています。加えて、現在、ストレスチェック結果を基に集団分析を行い、課題のある職場への改善を進めています。

2019年9月には「富士フイルムグループ健康経営宣言」を発表するなど、今後も従業員の健康増進に向けた取り組みをグローバルで加速していきます。

7.労使関係・年金制度

労使関係

富士ゼロックスの労使関係は、「人を大切にする」「会社を発展させる」を基本精神とし、労使双方が対等で責任ある信頼関係を築き、事実の共通認識と誠実な話し合いに基づいたコミュニケーションを図っています。
基本精神を軸に労使関係を維持・発展させることで、社員がもつ能力を最大限に発揮し、いきいきと働ける職場環境の整備や健康増進の取り組みを進め、当社のさらなる成長を目指します。

年金制度

富士ゼロックスおよび国内関連会社・販売会社では、共通の確定給付企業年金(DB)と確定拠出年金(DC)の2制度を基本とした年金制度を社員に提供しています。
DBの年金資産運用においては、将来の年金給付を確実に行うための十分な年金資産を確保すべく、分散投資を徹底し、リスクを抑制しつつ安定的な収益を計上するよう努めています。
DCの運営においては、e-ラーニングによる社員への継続的な投資教育や、新入社員への年金制度に関する教育など、富士ゼロックスおよび国内関連会社・販売会社の社員に等しく教育機会を提供しています。