取引先への取り組み

目指す姿

取引先との共存共栄の精神のもと、サプライヤーエンゲージメントを盤石にして、競争力のあるサプライチェーンの強化を目指します。

当社の基本的な考え方

  • 当社は、財務などの経済側面に加え、環境、社会、企業統治などのCSR側面にも配慮することで、環境、人権・労働、企業倫理などの社会課題の解決に対し、グローバルに寄与します。
  • 当社は、取引先企業を「理念・方針を共有するパートナー」と位置づけています。当社と取引先がCSRに関する価値観を共有し、環境、人権・労働、企業倫理に関するリスクを話し合ってそれらを最小化し、共存共栄の関係を築いて両者の競争力を高めることを狙いとして、CSR調達活動をグローバルに推進しています。

取り組みの経緯

CSR調達開始CSR調達定着CSR調達強化 2007 日本、中国、韓国の主要な資材取引先に対し、CSR調達を開始。資材分野から着手し、CSR特別セミナー、説明会、セルフチェック配布、改善支援活動開始 2008 専門チームによる取引先の訪問確認を開始。CSR調達の対象を国内物流分野に拡大 2010 取引先トップに対するCSRセミナー開催国内外の資材分野、および国内の物流分野においてCSR調達活動の改善PDCAが定着 2012 用紙調達先企業の取引先基準を策定 中国における調達担当者の取引先全拠点訪問を開始 2013 海外のCSR調達の取り組みを拡大、強化(中国、物流分野)紛争鉱物*問題への対応を開始。対応方針を「購買取引の基本方針」に反映 * 紛争鉱物:採掘によって得られる資金が非人道的な用途に使われたり、採掘現場で人権侵害が起こっているとして問題視されている鉱物のこと。現在は特に、中央アフリカで採掘されるタンタル、タングステン、スズ、金の4鉱物が紛争鉱物とされている。 CSR調達をすすめるにあたっては、説明会やトップセミナーの開催、マネジメントガイドラインやCSRセルフチェックリストの展開、訪問確認の実施などにより、取引先の納得性や実効性の高い改善活動を支援しています。 2014 ベトナムにおけるCSR調達の開始

Commitment

これまで積み重ねたCSR調達の活動を通じて、取引先との関係強化はもとより、取引先に起因する部品納品遅延やラインストップが、ここ数年激減する成果になって表れてきました。中国深圳地区でもっとも成果が上がっている取り組みのプロセスやノウハウを、他の海外生産拠点に展開することに力を入れ、さらに高い競争力につなげていきます。

富士ゼロックス株式会社 執行役員 調達本部長 松浦智之

CSR調達の拡大

当社の活動の特長

CSRアセスメントの仕組み

当社は、サプライチェーンの競争力向上のためには、取引先にCSR経営の重要性を理解して改善し続けていただくことが大切と考えています。当社の取引先の経営トップから実務者に至る皆様とのコミュニケーションを密に行い、CSRの重要さや改善の必要性について理解をいただきながら、サプライチェーン全体でのCSRの取り組みレベルの向上を目指しています。

2014年度活動の実績

2014年度は、主な生産拠点がある海外における取り組みの強化を前年度から継続して実施しました。中でも、取引先トップとのコミュニケーションに力を入れ、複数の拠点で取引先トップセミナーを行いました。

海外における取り組みの強化
  • 資材分野では、富士ゼロックス深圳の調達、人事、総務、法務、CSRの担当者からなる「専門訪問チーム」による取引先への改善アドバイスの有効性が確立しつつあります。そこで専門訪問チームによる訪問確認の実施数を拡大するとともに、今後のさらなる拡大に備え専門訪問チームの体制を強化しました。
  • 物流分野では、海外取引先において前年度のセルフチェック適合率が低かった取引先への改善指導を行いました。そして2014年度のセルフチェックでは最重要項目適合率90%以上の海外取引先が目標の90%を超えました。
  • 間接材分野では、富士ゼロックス深圳の拠点運営をサポートするサービスプロバイダーに対し、専門訪問チームによる訪問確認を開始しました。
取引先トップとのコミュニケーション
  • 日本および中国(深圳、上海)では、2014年8月および9月に、主要な資材取引先のトップを対象として、「取引先トップセミナー」を開催しました。昨今のCSRの潮流や社会からの注目の高まり、当社のCSR調達方針の強化ポイントなどを共有しました。
  • ベトナムでは、2013年に稼働した富士ゼロックスハイフォンにおいて、「取引先トップセミナー」を開催しました。


最重要項目90%達成比率の推移

2015年度活動の概要

富士ゼロックスハイフォンの作業風景
  • 欧米のNGOや国際機関によるCSRの取り組み強化(特に人権問題など)の要請が一層強まっています。このような国際的な状況を踏まえ、当社の生産拠点における環境、人権・労働、企業倫理の取り組みについても、改めて実態の確認を行い、問題があればその改善をすすめます。
  • また、当社の生産拠点の労務、環境管理、人材育成などの活動から学んだことを、CSR調達の活動を通じて取引先にも共有する場を増やします。取引先との相互信頼に基づいたCSR調達を強化することにより、さらに強いサプライチェーンを構築します。こうして、生産拠点のCSR経営と、取引先に対するCSR調達を通じて、より現地に根ざした、安定した生産の確立を目指します。

事例① ベトナムにおけるCSR調達の開始

ベトナム・ハイフォン周辺の取引先(資材、物流および間接材分野)40社のトップを対象として、2014年11月、当社ではベトナムで初めてとなる「取引先トップセミナー」を開催し、ベトナムにおけるCSR調達が本格的にスタートしました。資材、物流、間接材の3分野合同セミナーも、当社では初めての試みです。当社がCSR調達を重視する背景や目的、活動のプロセスなどを共有し、セルフチェックの実施協力を依頼しました。これからは、日本や中国と同様にベトナムでも改善のPDCAを継続します。
併せて、富士ゼロックスハイフォンの従業員に対してCSR教育を実施しました。さらに、CSR調達推進者の実践教育を行い、実際に複数の取引先の生産ラインや食堂などの環境、労働安全衛生などについて確認しました。そして、ハイフォン地域における工場経営の環境、人権・労働、企業倫理に関するリスクや対処方法について、情報交換を行いました。

事例② 紛争鉱物問題への対応

米国金融規制改革法(ドッド・フランク法)に基づき、2014年5月に、米国証券取引委員会(SEC)登録企業は2013年の鉱物来歴調査の結果をSECに報告しました。以降も毎年、SEC登録企業には同様の報告義務が課せられています。
当社はSEC登録企業ではありませんが、複数のSEC登録企業のお客様の調査に協力するため、また当社のサプライチェーンにおける武装勢力の介在有無を明らかにしていくため、2013年より鉱物来歴調査を行っています。2014年の調査では、一次取引先からの回答回収率が92.4%と昨年(87.5%)から向上し、調査によって211の製錬所がサプライチェーン上にあることを特定しました注1。このうち132の製錬所が、2015年6月現在EICC注2のCFSI注3のプログラムによる紛争フリー認証を取得していることを確認しました。また、武装勢力の介在を示す情報はありませんでした。
当社は、紛争鉱物問題を重大な人権問題と認識しており、購買取引の基本方針において、紛争鉱物問題に真摯に対応することを明言しています。また、当社はJEITA注4の「責任ある鉱物調達検討会」に参加して、人権侵害に加担しないための合理的かつ効果的な施策を他社と共に検討しています。2015年以降の調査ではさらなる回答回収率と回答精度の向上を図ります。

  • 注1 2014年の調査テンプレートに記載されている標準製錬所のうち当社のサプライチェーンに存在することを確認した製錬所数。対象4鉱物(タンタル、タングステン、スズ、金)の合計
  • 注2 EICC = Electronic Industry Citizenship Coalition
  • 注3 CFSI = Conflict Free Sourcing Initiative
  • 注4 JEITA = 一般社団法人電子情報技術産業協会