トップコミットメント

ソリューション・サービスでお客様の価値創造を支援し、社会を変える

本Webページは、2016年8月末発行の冊子版「サステナビリティレポート2016」をWeb用に再構成したものです。コンテンツは、発行時点の内容になります。

CSR経営を通じて、すべての人々が暮らしやすい世の中、働きがいを実感できる社会の創造に貢献します。

グローバル社会の変化と社会課題

富士ゼロックス株式会社
代表取締役会長
山本 忠人

これまでのSRI(社会的責任投資)やESG(環境・社会・ガバナンス)の視点に加えて、2015年はCOP21でパリ協定が成立し、国連においても17の持続可能な開発目標(SustainableDevelopment Goals: SDGs)が採択されるなど、グローバル社会からの要請や枠組みが大きく変化しました。特にSDGsは、2030年までの持続可能な開発の実現に向けてあらゆる開発レベルの国々に対して取り組みを求める重要な指針であり、企業の枠を超え、産・官・学や市民、NGO、地域社会といったすべての関係者のグローバル連携が強く求められます。企業経営の面では事業機会とリスクの認識を根本から見直すことが必要になるほど大きなインパクトを及ぼす可能性があります。

その一方で、コーポレートガバナンスやコンプライアンスへの関心がさらに高まり、すべてのモノがネットでつながる「IoT」、ビッグデータ、人工知能(AI)のような情報通信技術(ICT)の進歩やイノベーションの加速などもあり、社会、経済、環境面において、私たちが直面している社会課題はこれまでの考え方や取り組み方では通用しないほど解決が難しくなっております。

富士ゼロックスが果たすべき役割

ビジネスのすすめ方も、1社ですべてを担う時代から、複数の企業間でグローバルにコラボレーションしながら事業をすすめていく時代に変わり、情報を迅速かつ正確に流通させ、共有することで新たな知を生み出す環境を構築することがますます重要となっています。

富士ゼロックスの企業理念は「知の創造と活用をすすめる環境の構築」で始まります。1962年の創業当初から「Better Communications」の実現を事業目標として堅持し、当社の商品やソリューション・サービスを提供することを通じて、社会価値を創造し世の中のコミュニケーションをより豊かなものにしていくことに取り組んできました。つまり、当社が目指す最大のミッションは、前述のSDGsにおいては「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の推進と持続的な経済成長の実現」に大きく貢献することであります。社会課題が複雑化、高難度化すればするほど、コミュニケーションの役割は重要性を増すようになります。世の中で日々企業活動が営まれている以上、当社が取り組むべき経営課題は尽きることはなく、その意味において、従業員一人ひとりが社会的責任をしっかりと認識し、誇りを持って価値ある役目を果たさなければなりません。私は、当社のミッションステートメントを実践し体現していくことこそが社会から今求められていることであり、やりがいを持って社会の発展に貢献できることだと考えています。

「CSRは経営そのもの」であることの意味

私は、「CSRは企業経営そのもの」であると唱え続けてきました。継続した事業成長に必要不可欠なCSR経営の取り組みは、企業活動におけるすべてのプロセスの中で実践されてこそ意味があり、当社や社会の将来を左右する新たな価値創造へのチャレンジだと考えているからです。企業の価値は、あらゆるステークホルダーをいかに満足させることができるかで決まりますが、グローバル社会から価値を認められ、必要とされる存在になってはじめて、事業の継続的な成長が可能になりサステナブルな企業だと言えるようになるでしょう。

私たち富士ゼロックスは、強みを持つドキュメントサービス&コミュニケーションの領域において、本業を通じてステークホルダーの期待を大きく超えるような価値あるコミュニケーションを創造し、「真のエクセレントカンパニー」となることを目指します。そして、すべての人々が暮らしやすい世の中、働きがいを実感できる社会づくりに貢献することに邁進してまいります。

人が活きるコミュニケーションの提案で、イノベーションを生み出し続ける会社を目指します。

知識や情報を選別し活用する力

富士ゼロックス株式会社
代表取締役社長
栗原 博

富士ゼロックスは、1962年の創業以来、複写機によるドキュメントの伝達を通して、「情報の民主化」に貢献してきました。その後、90年代に入って、IT革命により情報量は飛躍的に増大しただけでなくその流通経路や形態も多様化、複雑化しました。さらに、近年では情報通信技術(ICT)の進化によって、価値ある知識や情報を選別し活用する力が一層求められるようになりました。このような大きなパラダイムシフトのもとで、当社はもとよりお客様も、従前のやり方で事業成長を継続させることは困難になっており、複雑化・高度化する情報化社会にどのように向き合い、どう事業成長を継続させるべきか、企業としての真価が問われています。

情報過多の時代こそ、当社の強みが発揮できるチャンス

当社は、ここ数年間にわたりソリューション・サービス化への事業構造転換を加速してきました。私は、国内営業事業管掌役員として、お客様と直に接しながらその取り組みを推しすすめた後、2015年6月に代表取締役社長に就任しました。社長としてあらためて実感することは、この情報過多の時代こそ、私たちの強みを大いに発揮できる絶好のチャンスだということです。

半世紀以上にわたり培ってきたコミュニケーション全般の技術やノウハウによって、当社は必要な情報を最適な形に変換し、迅速に配布・共有できる最適な手段で、業務フロー全体の整流化、ガバナンス強化、顧客関係性強化など、ビジネスのあらゆる場面でお客様の経営課題解決や業務プロセスの改善に貢献してきました。今後はこれまで蓄積してきた複写技術に加え、必要な情報は確実に残す「アーカイブ」、過去の履歴から変化を察知し予測を踏まえた示唆に導く「センサリング」のほかにも「モニタリング」「アラート」といった技術を駆使し、新たな時代に求められるドキュメント・コミュニケーションのインフラを構築してまいります。私たちがミッションステートメントに掲げる「知の創造と活用をすすめる環境の構築」こそ、まさに今、社会から求められているのだと実感しています。

本業を通じてオープン・イノベーションで社会課題に向き合う

一方で、当社は、コラボレーションやコンセプトワークなどのコミュニケーション技術を使って新たな価値を創発する、オープン・イノベーションにも取り組んでいます。例えば、横浜みなとみらい21地区の当社の研究開発拠点では、地域の社会課題解決などの実践事例と関連技術を、お客様、行政、大学や研究機関、NGO、コミュニティーの皆さんに紹介し連携しながら研究開発活動を展開するなど、新しい価値づくりをすすめています。地方創生という観点から、ある地域の課題解決策を他の地域へ展開することもすでに始めています。

「人」の感覚や経験、業務活動などのアナログなプロセスをITと融合することによって実現する「価値あるコミュニケーション」の提供も当社の強みです。人を中心に置いたコミュニケーションの提案で、お客様や地域社会の課題解決への貢献を続けていきます。

事業とCSRの統合の加速

当社は「言行一致」という全社改善運動を事業プロセス強化のエンジンとして動かし、企業力の強化、従業員の成長、お客様への価値提供につなげています。営業、サービス、生産、研究・開発、調達・サプライチェーン、コーポレートなど、すべての機能において、こうした活動を通じて従業員一人ひとりが問題発見力、課題解決力を養ってきました。そうした結果、2015年には6年連続で顧客満足度No.1評価の獲得(J.D.パワーアジア・パシフィック社調べ)、省エネ大賞の受賞など、さまざまな成果が生まれ、また統合マネジメントシステム認証を国内で初めて計40社3万人規模で取得し、経営基盤の強化に努めてきました。2016年度は、全社をあげてCSR活動をさらに推しすすめ、サステナビリティの観点で絞り込んだ経営重点テーマについて議論を活性化しPDCAを回して、グローバルトップレベルの水準を目指していきます。

こうした一連の活動を積み重ねてスパイラルアップすることによって、経営トップから従業員まで、「CSRは経営そのものである」という意識を醸成し、企業風土へと浸透させ、事業とCSRの統合をすすめていきます。

事業のさらなる成長へのチャレンジ: No Try, No Success

2016年度は、“Change Myself, Change Team, Change Fuji Xerox”を経営方針に掲げ、「中期経営目標の必達」と「次の成長に向けた準備の加速」に取り組みます。特に顧客接点の拡大と提供価値の深化を強化していきますが、それを実行していくのは従業員ですから、従業員満足(ES)が経営に必要不可欠であることは言うまでもありません。

「No Try, No Success」挑戦しなければ何も始まらないというのが、私の信条です。一人ひとりが高い目標に挑戦し、成長の喜びを実感できる企業風土を醸成するために、従業員との対話機会を積極的につくり、働き方・コミュニケーション改革などにもより一層取り組んでいきます。

ステークホルダーの皆様への約束

技術革新のスピードが速く、ICTの進化が社会に大きな影響を与える時代でありますが、効率や利便性を追求することばかりが正しいことだとは限りません。私は、社会課題の本質をしっかりと見極め、本当に求められている価値を社会にお届けできるように、軸足のブレない経営をすすめていきます。従業員一人ひとりがいきいきと活躍することができ、当社が不断のイノベーション創出をもって、お客様や社会に貢献する会社になるために、私は果敢にチャレンジしていきます。そして、富士ゼロックスが世の中から愛され、必要とされる企業として、中長期的に社会に変革をもたらすような存在であり続けるよう全力を尽くしてまいります。

サステナビリティレポート2016アンケート