デザインの取り組み デザイン研究会

デザインの取り組み デザイン学会への参画

一人では成し得ないデザイン提案を、 「共創と共感」によって作り上げる場。

富士ゼロックス・富士フイルムの両社のデザイン部門が協働して開催するデザイン研究会(以下「デ研」)は、デザイナー志望の学生と、両社のデザイナーが6日間合宿し、テーマに沿って作品をつくりあげていくカリキュラムとなっている。参加経験のある3名にデ研の魅力について語り合ってもらった。

 

椎原 務 Tsutomu Shiihara

椎原 務 Tsutomu Shiihara

2012年入社。外観デザイナー。オフィス向け複合機や製造業向け広幅複合機、ソリューション領域におけるB to B商品をはじめ、将来デザインやコンセプトデザインの提案にも従事。

及川 史織 Shiori Oikawa

及川 史織 Shiori Oikawa

2014年入社。UIデザイナー。主に複合機の操作パネルのUIを担当。その他、将来商品のコンセプトデザイン、映像スキルを活かした業務など幅広く携わる。

小田島 瑛真 Ema Odajima

小田島 瑛真 Ema Odajima

2018年入社。外観デザイナー。UIデザイン、操作性デザインなど横断的に業務に参加。最近ではHIDのプロモーション活動なども担当している。

 

自分の体験をテーマにとことん深掘りをする実習カリキュラム

デザインの取り組み デザイン研究会 対談

——デ研を知ったきっかけを教えてください。

椎原 僕は学校の企業説明会ですね。そこでデ研の募集のことを知りました。でも、二人は違うよね?

小田島 私と及川さんは地方の大学だったので企業説明会はなかったですよね。私は学校の先生に勧められたのがきっかけで参加を決めました。

及川 私も先生にどこか参加してみたら?と勧められて、就職室の掲示板にたくさん貼ってある中の一つに、デ研の募集のチラシを見たのがきっかけです。テーマがざっくりしていて、取り掛かりやすかったのを覚えています。

——実際にデ研の1日目がスタートしたとき、どんな印象を受けましたか?

小田島 他の企業の実習は商品やサービスを考えることがメインになってくる印象でしたが、デ研はちょっと違いました。とにかく自分と対話することがメインという感じで、テーマをどんどん深掘りしていくんです。最初はとても緊張したのを覚えていますね。自分の考えをデザイナーさん(トレーナー)に話すという機会が今まであまりなかったので。でも、トレーナーが親身に話を聞いてくれるので、いろんな話をしていくうちに緊張がほぐれていきました。

及川 自分のことを話すので、逆に私は緊張も恥ずかしさも最初からなかったですね。自分のことだからやりやすかったです。

椎原 僕は自分が考えたこともないようなところまでやらなくちゃいけないことに最初は戸惑いました。例えば自分が好きなものは何かと聞かれるとします。では、なぜそれが好きなのか、とことん追求するんです。辛いと捉えてしまうとネガティブですが、それが自分を知るきっかけになり、さらに深い提案へと結び付けられることに繋がっていくんです。

小田島 最後のアウトプットを最初から想像しちゃうと良い方向に行かないんです。テーマを深掘りしていくことで自然と見えてくるものが最高のアウトプットにつながると実感しました。途中で何度もアウトプットに行こうとして近道をしようとしたんですけど、トレーナーにいつも引き戻されて(笑)。そこがもどかしいんですけど、終わった時はどの実習よりも一番達成感を味わうことができました。

デザインの取り組み デザイン研究会 対談

 

多くのコミュニケーションの場が、良いデザインを生むきっかけになる

デザインの取り組み デザイン研究会 対談

——他の参加メンバーとのやり取りも盛んに行われるそうですね。

及川 実習の中ではテーマを深掘りすると同時に他のメンバーとのディスカッションの時間もたくさんあります。お互いそれぞれのアイデアにアドバイスをしていくので、みんなでその人の案を良くしていこうと、自然とそういう流れになっていくんです。目標に向かって、みんなが協力し合って良いものを作ろうとする、この会社の風土なのかなと、感じました。

椎原 自分を良く見せようとか、そういう気が起こらなくなるよね(笑)。あと、他の会社の実習は5~6人で行われることが多いけど、デ研は人数が多い分、気楽にできたところはありますね。そう考えると、自分の素が出せる環境だったかもしれないです。

及川 ワーク以外のコミュニケーションの場も多かったですよね。だから、初対面の人たちの集まりなのに、すぐに打ち解けられた気がします。

 

——実習の中で印象に残っていること、大変だった出来事を上げるとしたら?

小田島 私、一番と言っていいほど最後のアウトプットが出るのが遅くて、最終の提出日の午前中にアイデアが出たんですよ。そんな中、周りがゴールに向かってせかせか動いているので、焦りで集中できなくなってしまって。そこで、「外で考えてきます」とだけ伝えて頭を整理するために部屋の外のロビーに行ったんです。そしたらその変化に気づいたトレーナーが何度も様子を見に来てくれて、気持ちが折れそうになるところを助けてもらいました。

及川 最後のアウトプットが見えるまではとにかく必死で、それに対してトレーナーも必死に対応してくれるから、それに応えたいという気持ちになるよね。

椎原 僕はアイデアが出たのは割と早いほうだったかな。思いついたらそれを形にして、クイックに作ってみて体験して、ということを繰り返して、アイデアを改善していきました。トレーナーとモックアップを何度も作って改善していくプロセスを一緒にできたのは貴重な体験でしたね。

デザインの取り組み デザイン研究会 実際の様子デザイン研究会の様子(小田島)

 

デザインの取り組み デザイン研究会 対談

 

個人のアイデアに捉われず“共創”の意識でモノづくりをする

デザインの取り組み デザイン研究会 対談

——学校や他企業では経験することができない体験が、デ研にはたくさん詰まっているんですね。

小田島 そうなんです。自分のことをここまで深掘りする経験はしたことがなかったので、自分の強み、弱みを知ることができたのは新しい発見でしたし、それぞれのメンバーが自分の強みを活かして協力し合いながらモノづくりをするというプロセスはとても勉強になりました。

椎原 社会的に求められる提案においては、客観的な視点で見た上で課題を見つけ、そこに対する提案をするというのが一般的だと思います。デ研の場合はまず主観から入って、主観的なところから課題を見つけて、それをみんなが共感できる課題に変えて提案に結び付けていきます。良いデザインは、たくさんの考えや意見によって生まれるということを、デ研を通して体感することができました。

小田島 個人の考えだけでアイデアは広がらないんですよね。自分の意見を可視化して、相手に伝わるように説明する工程がとても大事。それによってたくさんの意見をもらえるし、気づきも増える。デ研に参加した後は、大学での授業でも“共創”を意識したモノづくりの進め方を心がけるようになりました。

及川 地方大学からすると、東京の大学に比べるとデザインを学んでいる人たちと会う機会がすごく少ないので、参加するだけでもメリットがあると思います。濃密な6日間を過ごす中で刺激をたくさんもらえますし、仲間意識も芽生えます。

椎原 デ研に参加した人たちは、もちろん富士ゼロックスだけでなく、企業やデザイン事務所などさまざまな道に進んでいますが、今でも連絡を取り合っています。友達とは違う、不思議な関係ですけど、一緒に辛いことも楽しいことも分かち合った、“戦友”みたいな感覚の仲間ですね。

及川 6日間を終えて、やり切ったという達成感がすごくありました。あと、トレーナーが私たちに寄り添って、同じ目線で6日間を過ごしてくれたことへの感謝の気持ちもありました。

デザインの取り組み デザイン研究会 実際の様子デザイン研究会の様子(及川)

小田島 私も終わった時には感動しました。デ研を通して、富士ゼロックスの会社の雰囲気の良さ、社員の人の良さに触れることができて本当に良かったです。

及川 会社の雰囲気は、会社説明会やWeb上ではわからないですからね。もし迷っている人がいたら、まずはエントリーしてみてほしいです。大変なことも多いですが、ここでの経験は必ず自身にとってプラスになると思います。

椎原 僕はここに参加することで、一つの考えに固執しなくなりました。一人では決して成し得ない、“共創”の場を体験することができたからだと思います。学生の皆さんにも、ぜひお互いの意見からアイデアが広がることを、身をもって体感してほしいですね。

 

コンテンツ一覧