カメラ画像補正技術

ビジネスシーンにおいて、モバイル端末に内蔵されたカメラ機能の活用が広がっています。例えば、お客様からいただいた名刺をスマートフォンで撮影し画像を保存する、ホワイトボードに書いた情報をスマートフォンで撮影し、デジタルデータとして議事録に添付することがあります。しかし、撮影時の条件によっては画像に歪みが生じたり、明度や彩度のかぶり注1が生じてしまい、判読しづらいという課題がありました。そこで富士ゼロックスでは、スマートフォンなどのモバイル端末のカメラで撮影した文書情報の視認性を向上させる「カメラ画像補正技術」を開発しました。本技術は、画像の歪みを補正する幾何歪補正と、画像の明度(明るさ)や彩度(鮮やかさ)を補正する階調再現補正で構成されています。

スマートフォンで撮影した名刺やホワイトボードの画像の歪みを補正し、必要部分を切り抜く「幾何歪補正」を図1に示します。

  1. スマートフォンで撮影した画像から、明るさや色が急峻に変化する部分を検出し、画像の輪郭を抽出します。
  2. 抽出した輪郭の強さや方向などの特徴から輪郭直線を検出し、輪郭直線で囲まれた領域の形状・長短辺比・面積・領域内の明るさの分布などの特徴を分析し、画像全体から所望の被写体領域を抽出します。
  3. 最後に抽出した被写体領域の変形を補正し、被写体部分だけの画像を切り抜きます。
  • カメラ入力画像
  • (1)画像輪郭抽出
  • (2)被写体領域を検出
  • (3)被写体形状の補正・切り抜き

図1:幾何歪補正

次に画像の明度、彩度を補正処理し、判読しやすく再現するための「階調再現補正」を図2に示します。

  1. 切り出された画像面内のノイズを低減すると共に画像のシャープさを向上させます。
  2. 次に、明度のかぶりを補正します。このとき、適切な背景領域を特定し、画像面内における明度のかぶりの変化状態を統計分析により推定します。このため、均一でない明度のかぶりが存在する場合であっても補正が可能になります。
  3. 最後に、白色化するための階調変換を行います。このとき、もとの原稿では白色背景であったと推定される領域を特定し、画像面内における彩度と明度のかぶり度合いを推定し補正を行います。

以上の処理により、もとの原稿に近い階調再現が出来るようになります。

  • 切り出された画像
  • (1)鮮鋭度・平滑化補正
  • (2)面内の明度かぶりを低減
  • (3)明度・彩度を補正

図2:階調再現補正

幾何歪補正と階調再現補正の組合せによって、スマートフォンで撮影した画像を補正処理した例を下記に示します。

名刺、ホワイトボードの画像処理事例

  • 注1 撮影時の条件により、画像面内において明度が低下したり、被写体に無い色味が付いてしまうことがあり、それぞれを明度のかぶり、彩度のかぶりと呼びます。