1パス両面読取技術

富士ゼロックスでは、複合機などの原稿読取において、読取部を1回通過させることで原稿の表裏の読取が可能な1パス両面読取技術を開発しています。

1パス両面読取技術(図1)は、読取部を3回通過させる3パス両面読取技術(図2)に対し低消費電力、読取装置の小型化、原稿を傷めない、といった特長があります。

一方で、裏面読取部は原稿走行に伴う汚れの影響を受けやすく汚れた部分が誤った読取情報になるという課題がありました。

富士ゼロックスでは、独自に開発したハイブリッドシェーディング補正技術によりこれを解決しています。裏面読取部は、CIS(Contact Image Sensor)からなるセンサー部とそれに対向する位置に設置された基準白色部からなります。CISは原稿を読み取る前に基準白色部を読み取り、シェーディング処理注1を施すためのシェーディング用データを採取します。ここで、CISと基準白色部の間を原稿が通過することによって基準白色部は汚れやすくなるため、通常は基準白色部を複数ライン読み取り、各ラインの中で汚れのない画素を選択しシェーディング用データを作成します。従来、複数ラインを読み取るためには基準白色部を移動させる必要があり、このためのメカ駆動部を必要としていました。ハイブリッドシェーディング補正技術は、あらかじめ汚れる前の基準となる白色部材を読み取って記憶しておき、原稿を読み取る直前に基準白色部を読み取った白色データと比較して所定の補正をかけることでシェーディング用データを作成しています。このためメカ駆動部を必要とせず読取装置の小型化、低消費電力化を実現することができました。

次に、同じく裏面読取部の補正技術について紹介します。センサー部はCMOSチップを主走査方向(原稿が移動する方向と垂直方向)に1列に並べてあります。このためチップとチップの間に隙間が生じ、この間は原稿を読み取ることができません。富士ゼロックスでは、これを解決するために、読み取った隙間の近傍の画像情報から類似の画像を選択しそれを用いて補正するという技術を開発しました。これによりチップ間の画像補正が可能となりました(図3)。

このように富士ゼロックス独自の技術により業界最高レベルの1パス両面読取技術を開発しています。

図1:1パス両面読取

図2:3パス両面読取
読取部を3回走行する(1)表面読取、(2)裏面読取、(3)元に戻す為反転

補正前

補正後

図3

  • 注1 読取センサーの画素毎の感度ばらつきや光源からの露光量ばらつきを補正するために、あらかじめ基 準白色部を1ライン分読み取ってシェーディングデータとして記憶しておき、原稿読取時に読取画像をシェーディングデータで画素毎に除算することで平たんな読取特性を実現するための処理。読取センサーは環境などにより影響を受けるため、原稿読取直前で実施する。