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静音化技術

近年、オフィス内の静寂化が進み、複合機の静音性が求められています。

複合機には、複数のモーターやファン、用紙の摺動音など、さまざまな音源があり、複合機の動作音を低減するためには、さまざまな対応が必要となります。富士ゼロックスでは、自動原稿搬送装置、本体、フィニッシャーに対し複合機の動作音を低減する静音化技術を開発しました。(図1)

静音フィニッシャー技術 / スキュー補正技術 / 静音冷却技術 / 低負荷マーキング技術 図1:搭載技術と騒音低減量

用紙衝撃音を低減するスキュー補正技術を搭載した自動原稿搬送装置

これまでの自動原稿搬送装置では、原稿読取り時に原稿の傾き(スキュー)を補正する音が、この装置から発生する音の約3割を占めていました。それは、用紙をレジロールに衝突させて用紙先端位置を合わせ、さらに用紙を押し込み、たわませることでスキューを補正しており、様々な用紙衝撃音が発生していました(図2-a)。

富士ゼロックスでは、このようなメカ機構で実現していたスキュー補正に替わる新たな手段として、画像処理によるスキュー補正技術を開発し、これまでスキュー補正時に発生していた用紙衝撃音を大幅に低減することに成功しました(図2-b)。また、これを実現するための専用の半導体ICを開発しました。原稿が傾いたまま搬送されると、原稿読取り装置でその傾きが読取られます。そして、この専用ICにより用紙の傾き(角度)を計算し、スキュー量を算出します。そして、その算出量に応じて画像処理を行い、スキューを補正します。これにより、用紙衝撃音が大幅に低減し、原稿読取り時の騒音低減が可能になりました。(図2-c)

図2-a:従来方式(メカ機構によるスキュー補正)
図2-b:新方式(画像処理によるスキュー補正)

図2-c:用紙衝撃音を低減した部分

このスキュー補正技術に加え、駆動系統・用紙搬送部材・遮音構造化等の徹底的な見直しにより、従来機注1の自動原稿読取り装置の騒音に比べ、最大で約83%注2の静音化を実現しました。

静音冷却技術(ヒートマネジメント)

複合機本体の遮音密閉化と内部温度上昇防止を両立させ、プリント時、待機時のどちらでも静音化することに成功しました。

内部温度上昇の防止は、熱分散とエアフロー改善による静音冷却技術(ヒートマネジメント)により実現しました(図3)。従来、プリントエンジン近くに設置されていた、大きな熱を発生する電源ユニットは、本体背面下部へ移動しました。熱源の分散配置と、後述する「低負荷マーキング技術」を導入することで、エンジン周辺の発熱量は従来機に対して、わずか1/3に低減しました。これによって、エンジン冷却効率が向上し、冷却に要していたファンの風量を約1/3に抑えることが可能となり、ファン騒音も約1/3に低減することに成功しました(図4)。
また、電源ユニットに対しては、1個のファンが広い面積の集熱板に送風し冷却する集熱構造電源を新たに開発し、冷却効率を向上させました。

図3:静音冷却技術(ヒートマネジメント)構成図
図4:従来電源装置と集熱電源装置のファン風量と騒音レベルの比較

低負荷マーキング技術

複合機でプリントを行う際、現像器中のマグネットロールが回転することで摩擦熱が発生し、現像器本体の発熱につながります。この発熱により現像器中のトナーに悪影響が及ばないように、冷却するためのファンが設置されていました。そこで、現像器の発熱を抑えるために、現像器中のマグネットロールの磁力を変更し、現像剤との摩擦を弱めました。これにより、従来に比べて現像器の発熱量が1/3になりファンの稼働も低減でき、音を抑えることが可能になりました。

静音フィニッシャー技術

必要な時に、必要なだけ動かすエコ動作により、初期設定時の動作音や、ステープラ中の稼働音を大幅に低減しました。高周波音、びびり音をカットし、快適な静音環境を提供します。
フィニッシャー固有の音源(ステープラ・コンパイラ部の騒音、メカ騒音、ドライブ機構の騒音)の静音化を実現するために、メカ機構やメカトロ部品の静音化をはかる設計改善を行いました。ステープラの騒音に対しては、針綴じ工程毎に用紙の種類や枚数によって速度を最適化し、必要な時に必要な部分だけ必要最低限の力で行うことで、静音を可能にしました。さらに、静音対策として、勘合部の密閉や用紙排出部の開口面積の最小化も行っています。コンパイラ騒音などメカ機構の騒音に対しては、機構解析シミュレーションを用いた設計パラメーターの最適化(用紙を揃えるラックと呼ばれる部品の形状最適化や速度パラメーターの最適化)により静音を実現しています。そして、装置の開口部から漏れ出るドライブ騒音に対しては、音響解析により吸音材の最適配置を行い、静音を実現しました。