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画像処理プロセッサー技術

従来、複合機のコピーやプリントなどの画像処理機能は、ソフトウェア処理ではなくASICなどのハードウェアにより実現されてきました。これは、スキャナー(入力装置)あるいはプリントエンジン(出力装置)の処理速度に追従して、リアルタイムに画像処理を行うためです。複合機は、今では単なるコピーやプリントを出力する機器から、お客様のワークフローを支援する機器として変化しており、様々なドキュメントに対応する画像処理技術や新機能を短期間で複合機上に実装できる、フレキシブルなリアルタイム画像処理システムが必要になっています。そしてこのシステムの中核を担うのが、画像処理プロセッサーです。
従来の画像処理プロセッサーは、内部処理回路が固定化されているため、ドキュメントの画像情報に依存して処理速度が大きく変化するという問題がありました。そこで、富士ゼロックスでは、半導体回路の動作中に超高速(10億分の1秒レベル)で回路情報の書き換えができる動的再構成注1プロセッサーDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)を複合機に搭載し、画像処理のスケーラブルな高速化、高付加価値化を可能にしてきました。DRPにはPE(Processor Element)と呼ばれる高速処理が可能な様々な種類の演算器が内蔵されています(図1)。

図1:DRP基本構成

従来の画像処理プロセッサーは、「回路分割」方式が一般的に用いられていました(図2:従来方式)。この方式では、ドキュメントの内容に関わらず、画一的な回路・順番で処理しているため、ドキュメントの内容によっては回路の一部が無駄になるという問題があります。例えば、プリンターでは、クライアントPCでプリンター固有のデータ形式であるPDL(ページ記述言語)が生成され、これをプリンターコントローラーに渡します。PDL記述では、描画する画像、文字などのオブジェクトが分離して記述されます。入力オブジェクトが画像であればイメージ描画回路を使用し、入力オブジェクトが文字であればフォント描画回路を使用します。それぞれの処理は同時に行うことができない場合があるため、どちらかの回路だけが働いている状況となります。そして、ドキュメント1ページの画像処理は、イメージ描画処理とフォント描画処理を何度も繰り返しながら行われます。
そこで、富士ゼロックスは、画像処理時間を高速化する方式として、アダプティブ画像処理技術を独自開発しました(図2:アダプティブ方式)。アダプティブ画像処理とは、ドキュメントの内容に応じて、必要な時に必要な回路だけに再構成する方式です。先の例で、入力オブジェクトが文字であれば、フォント描画処理回路だけを構成し処理を行います。入力オブジェクトが画像であれば、イメージ描画処理回路だけを再構成します。つまり、「今必要ではない回路」を削除し、「今必要とする回路」だけを構成することで、ドキュメント処理時間を短縮することができます。この図では、フォント描画回路も、イメージ描画回路も従来方式に比べ、2倍の回路規模、つまり2倍の性能を持っています。この特性を最大限に生かすための最適な動的再構成制御方式を開発し、1ページ内で数千回の回路の再構成を行っています。結果、目標性能カバー率注2は従来の方式と比べ大幅に向上しています(図3)。アダプティブ画像処理は、超高速に回路の再構成を行うDRP画像処理プロセッサーだからこそ実現できる技術と言えます。

図2:従来方式とアダプティブ方式の動的再構成制御概要

図3:従来方式とアダプティブ方式の性能カバー率比較