VCSEL-ROS

リアル2,400dpi高画質を実現する面発光レーザー走査技術

VCSEL-ROSの概略構成 リアル2,400dpi高画質の説明模式図(従来技術との比較)

カラーゼログラフィーでオフセット印刷に迫る高画質を実現するには、さまざまな課題を克服する必要がありました。中でも困難だったのが解像度を上げるための光学スキャン用レーザーの多ビーム化と素子の高密度集積でした。

富士ゼロックスは、この難題を独自技術である面発光型半導体レーザーVCSEL(ヴィクセル)で解決しました。VCSELを光源としたROS(Raster Output Scanner、画像書き込み部)を採用することで、1スキャン32本のマルチビーム化に成功し、カラーレーザープリントで、初の2,400dpiを実現しました。

これまでの標準的な600dpi画像で1ドットだった大きさに、4本のビームを当てることで、4倍の解像度(=2,400dpi)を生み出します。さらに、それを同時に8組のビーム群がスキャンできるので、毎分100枚以上の高速印刷も可能としました。加えて、最新の高性能画像処理 ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を搭載、発光点の配置や各ビームの光量、印字タイミングのコントロールにより、印刷機に迫る高画質印刷を実現しました。

従来ROS(600dpi)とVCSEL-ROS(2,400dpi)
のプリントサンプル比較(拡大)

32ビットを同時発光させた
780nm帯 8×4 VCSELアレイ

VCSEL(ヴィクセル)とは

Vertical Cavity Surface Emitting Laser=垂直共振器型面発光レーザーをVCSELと呼びます。従来の半導体レーザー(端面発光レーザー)は、半導体基板の端面に反射鏡があり、基板に対して平行方向に光を出射します。一方VCSELでは基板に対して垂直方向に反射鏡があり、この向きに光が出射します。

端面発光レーザー(左)とVCSEL(右)の構造とレーザー光出射方向の比較図

VCSELの利点

VCSELは端面発光レーザーに比べ、次のような利点があります。

  • 低コスト
    反射鏡として機能する端面の形成に必要だった「へき開(材料の結晶面に沿って割ること)」工程が不要となり、またウエハー状態で良否判定が可能であることから、製造コストの大幅削減に繋がります。
  • 低消費電力
    消費電流が一桁小さいことに加え、発光効率が高いことから低消費電力で動作します。
  • 2次元化が容易
    端面発光レーザーでは不可能だった発光点の2次元配列化が容易で、多ビーム化に対応できます。
  • 高速変調が可能
    発光領域の体積が二桁小さいことから10GHzを優に超える高速変調が可能です。

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