バイオベースプラスチック材料技術

従来のプラスチックは、石油から作られることによる資源枯渇、またCOを大量に発生することによる地球温暖化など環境問題に対する課題があります。そこで非石油資源、たとえば植物から作られ光合成による相殺でCO排出量も大きく削減できるバイオベースプラスチックが注目されています。富士ゼロックスは、複合機に使われる石油由来プラスチックを、バイオベースプラスチックに置き換えていくための研究開発に取り組んでいます。しかしバイオベースプラスチックは、従来の石油由来プラスチックと比較して性能が著しく劣るため、実用化するには新しい技術開発が必要です。

当社は2004年から本格的にバイオマスプラスチックの研究開発を開始し、2007年に植物(飼料用とうもろこし)由来成分を30重量%以上含むバイオマスプラスチックを材料とする部品を、商品に導入しています。さらに研究を進めた結果、植物由来成分を50重量%以上含むバイオベースプラスチックを開発いたしました。従来の30重量%以上のバイオマスプラスチックは、植物由来材料であるポリ乳酸と石油系材料であるポリカーボネートとのアロイ(複合)樹脂ですが、新たに開発したバイオベースプラスチックは、ポリ乳酸のみとしました。その物性を向上させるために使用する添加剤も、石油由来の材料を極力使用しないことで、石油由来成分の使用率を10%未満に抑えています。

図1:新しい添加剤を加えた前後の柔軟性比較結果

一般に植物由来成分を高めるためにポリ乳酸を増加させると、難燃性/柔軟性が悪化し、加水分解も起こりやすくなります。そこで新しいバイオベースプラスチックは、難燃剤を工夫することで難燃性を向上させ、また低吸湿性の材料を使用することでポリ乳酸の加水分解を抑えました。さらに柔軟性を向上させるために新しい添加剤を検討し、衝撃に強い材料としました。(図1)

このようにして開発したバイオベースプラスチックを材料とした部品は、植物由来成分比率が50重量%以上のプラスチック部品に与えられる「バイオマスプラ50マーク」を取得し、商品に導入されています。

図2:「バイオマスプラ50マーク」を取得した複合機の部品写真

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