プレゼンテーション簡易記録・配信技術

近年、プレゼンテーションや講義、会議などをマルチメディアコンテンツとして記録、蓄積、配信する技術が実用化されています。しかし、ビデオカメラを使って発表者の映像を記録する場合、会場へのビデオカメラの搬送やセッティング、また撮影後の索引付けなどの編集に多大な時間とコストがかかり、コンテンツの制作は容易ではありません。また、記録した動画はデータ量が大きく、蓄積にも大容量のサーバーが必要で、また配信にはネットワーク上に大きな負荷がかかり、コンテンツを視聴する環境が制約されるなどの課題がありました。
富士ゼロックスでは、ビデオカメラによる発表者の映像を収録するのではなく、発表者が使用する発表資料の画像と音声およびマウスポインタの動作を記録して配信する、プレゼンテーション簡易記録・配信技術を開発しました。通常、プレゼンテーションや講義などを記録する場合は、発表者の映像を収録することが多くなりますが、重要な情報は発表者の映像よりも発表資料と音声に含まれていると考えています。この技術は、独自開発のキャプチャ・ソフトによって自動でPC上の発表資料と発表者の音声を記録し、配信することができます。映像は静止画として記録するため、動画に比べてデータ量が小さいことも特徴の一つです。

図1にコンテンツ作成フローを解説します。説明者は、PC上に記録したい資料を表示して通常通りプレゼンテーションを開始します。この時、独自開発のキャプチャ・ソフトは、説明音声を取り込みながら資料画像が切り替わったタイミングでその画面を静止画として取り込みます。その際の資料画像の切り替わりの判断は、画像の変化量をモニターして行います。また、説明資料を早送りする操作を行ったような場合は画面の取り込みは行いません。取り込まれた画像は、説明音声と対応づけて記録されます。また同時にマウスポインタの位置も記録されます。画像ファイルと音声ファイルおよびマウスポインタの位置を記録したデータはひとつのテーマコンテンツとしてセットでまとめられ、サーバーに転送され管理されます。視聴する場合は、ブラウザをとおしてサーバーにおかれたコンテンツにアクセスすることで視聴が可能になります。コンテンツは複数の人が同時にアクセスし視聴することができ、視聴者は、プレゼンテーションのサムネイルから視聴したいページを自由に選んで始めることもできます。
このように、プレゼンテーションの記録・蓄積・配信が容易にできるので、様々な講演・講習会の蓄積や教育教材の作成と自学習などへの応用が考えられます。

図1:コンテンツ作成フロー