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巻頭言/Foreword

富士ゼロックス株式会社 常務執行役員
市村 正則

近年、日本の製造業の中核を成すモノ作りは、「すり合わせ技術」や「生産現場力」の強みを活かし、高品質を武器に成長してきました。しかし2005年以降は、部品の標準化やモジュール化が進み、製造の場は日本から中国を中心とする人件費が安価なアジア各国へシフトしてきました。さらにアジア各国のモノ作りメーカーが台頭し、家電等から次第に複雑なモノ作り技術を要する事務機器や自動車などの製造も行うようになってきています。

このような変化の中で、2011年にはドイツ政府が国を挙げて、IoT(Internet of Things)を駆使してスマート工場を目指す「インダストリー4.0」構想を打ち上げ、また2014年には米国の主要メーカーが主導して、インターネットと産業システムの標準化推進を目的にIndustrial Internet Consortium(IIC)を立ち上げるなど、モノ作りにおける革新の動きが始まりました。このような状況の中で、日本でも政府をはじめ、複数の業界団体や主要メーカーによる活動が活発化しているのは、ご存知のとおりです。

富士ゼロックスでは、すでに2005年ごろから、製造工程をリアルタイムで見える化し品質のトレーサビリティを可能にした情報システムSCQM(Supply Chain Quality Management)を導入し、現在も進化の途中です。また、お客様先に設置された商品のさまざまな稼動状況データを、収集、分析、活用することで、お客様の利便性を向上する情報システムTQMS(Trace Quality Management System)も導入しています。さらに設計から生産準備に至るエンジニアリングチェーンでは、部品を3Dデジタル設計した時点で、成型金型の品質を向上させるための金型要件チェックツールを適用して、生産準備の効率化を実現しています。これらのデジタル設計関連ツールは、当社で進めている「言行一致活動」として、お客様へも提供しています。

今回のテクニカルレポートでは、当社のモノ作りに対する考え方や、デジタル技術を活用したモノ作り技術やシステム、そしてモノ作りに関連するソリューションに関して特集しています。当社の今後の課題は、これらのデジタル技術を活用して、エンジニアリングチェーンからサプライチェーンまで一貫した「つながる工場」を実現して、ローコストのモノ作りを成し遂げる「富士ゼロックス流インダストリー4.0」を完成させることだと考えています。

現代の新たな製造革新の取り組みの中でよく耳にする、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどの言葉は、「つながる」ことを容易に想定させます。しかし、つながったあとに「どのような情報が活用できるか?」、そこがこの製造革新を成功させる肝だと考えています。それは、単につなげるだけでは見出せません。技術者たちの日々の努力から明らかにされる「メカニズム」と、「それに基づく開発」の中で、肝となる情報を明確にしていくべきだと考えています。これについては特集の中でも述べており、今後の活動のさらなる進展によって新たなモノ作りの完成度を上げていきたいと考えています。

是非一読していただき、ご意見、ご示唆をいただければ幸いです。

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