川口市役所 総務部行政管理課次長 清野郁夫様

電子決裁の添付文書をDocuWorksに統一、見やすい文書で意思決定をスピードアップ ユーザーインタビュー川口市役所 総務部行政管理課次長 清野郁夫様

川口市役所では、電子自治体実現の一環として、文書の電子化による業務効率の向上に取り組んでいます。そのポイントとなるのが庁内で使用される紙文書や電子文書のDocuWorks化。DocuWorksにより見やすくわかりやすい電子文書とすることで、業務効率の向上と意思決定のスピードアップを実現されています。DocuWorksを採用された経緯や、使われ方の工夫などを伺うべく、総務部次長兼行政管理課長の清野郁夫氏をお訪ねしました。


電子自治体には行政の電子化が不可欠

川口市役所 総務部行政管理課次長 清野郁夫様

川口市役所では地域イントラネット事業を推進するなかで、市役所から公民館、保育所、環境センター、保健センターなど、市内の各施設を専用の高速な光ファイバーで結んだネットワークを構築し、電子自治体のインフラ整備を進めてきました。
「電子自治体の目的は、市民サイドに立ったサービスを提供していくことにあります。しかし、もう一方の柱である内部業務そのものの電子化ができなければ、それはうまく機能しません。」そこで、電子申請や電子入札の導入を目指すとともに、市役所の意思決定方法である決裁業務の電子化を強く推進していくことになったのだそうです。

紙文書の電子化に着目

電子決裁のワークフローそのものは、すでに統合文書管理システムのなかで整備されていますが、問題は、電子決裁に必要な添付文書をどのように扱うかということです。これには2つのアプローチが考えられました。1つは電子文書のみを対象とするもの、もう1つは紙文書も併せて電子決裁の対象とするという考え方です。
清野氏は「紙文書の電子化に取り組まなければ電子自治体の実現はあり得ない」という考えに立ち、いかにして紙文書を電子化していくかが検討されました。「電子決裁のシステムを導入しても、添付文書を紙で回す運用では、業務効率化には繋がりません。そこで、最初に取り組んだのがスキャナー機の導入であり、大量の紙文書をスピーディーに処理するために、コピー機のリプレースにあわせ、スキャナー機能をもった複合機を順次導入していこう。」ということになったそうです。

添付文書の問題

DocuWorks導入前の添付文書の状況

「当初、添付文書はWordやExcel、PDFなど様々なアプリケーションの形式で個々に独立した文書として保存されていたため、どこが重要なポイントか分かりづらく、ひとつひとつのファイルを開いて確認しなければならないため大変非効率でした。」
通常、決裁を行なうにはさまざまな種類の文書が必要なため、電子決裁では電子文書がいくつも添付されて回議されることが珍しくありません。また、文書を作成したアプリケーションも1つとは限りません。そうすると、添付された文書ごとにアプリケーションを起動し、全ページを閲覧したらまた別のアプリケーションを使って次の文書を見る、といった操作が必要となります。これでは煩雑であるとともに、必要な情報を効率的に探すことも困難です。そのために、電子決裁システムを導入したにもかかわらず利用率が上がらず、業務の効率化に繋がらないといったことにもなりかねません。

「しかしこのような状況では電子決裁を導入した意味がないので、添付文書の取り扱い方法についていろいろと検討しました。その結果、紙文書の取り扱いも容易にできるDocuWorksで添付文書を統一し、見やすさを追求しようということになりました。

DocuWorksで添付文書を統一

DocuWorks導入前の添付文書の状況

DocuWorksは、WordやExcelといったさまざまなアプリケーション文書や画像ファイルを、DocuWorks形式に変換し、それらを1つの文書に“束ねる”ことができます。こうすれば、決裁に必要な資料は1つのDocuWorks文書にして添付すれば済みます。さらに付箋をつけておけば、その文書のポイントが一目でわかるようになります。 「DocuWorksは、束ねたり付箋を貼ったりなど従来の紙を扱う感覚で電子文書を扱え、永年親しんできた紙による決裁版のイメージがそのままディスプレイから目に飛び込んでくるのが最大の利点であり、それがDocuWorksを導入した最大の理由」です。これによって、とかくPCで業務を行なうことに抵抗感のあった年配の職員にも、違和感無く馴染みやすい電子決裁システムになったと、そのメリットを納得してもらえたと言います。

DocuWorksで一束になった電子決裁の添付文書。ルール化された付箋により文書のポイントが一目で分かる。

付箋の運用ルールも徹底

DocuWorks導入前の添付文書の状況

川口市役所では、添付文書をDocuWorks文書に統一するだけでなく、ルールを決めて文書の種類に応じた付箋をつけることにしました。たとえば、照会や通知など相手から来た文書は青色の付箋、起案文書のような内部の意思を表す文書は黄色の付箋といった具合です。 こうすることによって、文書を全体的に把握しやすく、また、どこにポイントがあるかが一目でわかります。ページを順に捲らなくても、付箋をクリックすれば瞬時にそのページを見ることができ、必要な情報へ素早くアクセスできます。ページ数による制限も特に設けていません。 それぞれのDocuWorks文書を1つに束ねて、性質別に色分けした付箋を付け、それを添付文書とする。これをルール化して全職員に守ってもらうようにしています。これが、川口市役所の電子決裁の最大の特徴といえます。

色分けのルールは、文書には必ず付箋をつけなくてはならないということも意味しています。「付箋をつけなさい」というだけでは、なかなか徹底できません。色分けというルールだからこそ、付箋をつけることが徹底されるのだといいます。 さらに付箋については、調査や依頼により全課に文書を発する際、文書受領課(約120課)の立場に立って、文書依頼課が依頼分をDocuWorks文書に変換し「依頼分」などの付箋を付けて発送するというルールも決めました。こうすれば、文書を受け取ったそれぞれの課が、内容を見て変換したり付箋を付けるといった手間が省けます。 このように共通ルールのおかげで、文書はずっとわかりやすくなります。「添付文書が見やすい分かりやすいということは、決裁が早く行なわれることにつながります。それは起案者にとっても大きなメリットなのです。」

DocuWorks 6.0の新機能にも期待

川口市役所が今後の展開として考えていることのひとつに、DocuWorks 6.0で強化されたOCR機能の活用があります。DocuWorks 6.0では、スキャンした文書をOCR処理し、OCR結果を保存することができるようになりました。この機能を利用すれば、たとえば他の資料を参照・加工して新たな資料を作成する際など、作業効率を高めるだけでなく、庁内の業務の質を向上することも期待できます。 また、同じくDocuWorks 6.0では、DocuWorks文書をワンクリックでPDF文書に変換する機能も搭載されましたが、この機能にも注目されています。「PDF文書は市役所以外へ発送する際の文書形式として必要ですし、外部とのやりとりもPDFの場合が多いので、PDF形式に変換する機能はぜひ欲しいと考えていました。」

DocuWorksと複合機で電子決裁の利用率アップ

電子決裁の導入においては、電子化率の目標をどこまでとすることが大きな問題となります。川口市役所の決裁は年間およそ20万件です。当初、電子決裁化できるのは全体の5%ぐらいではないか、という意見もありました。しかし、「その程度なら電子決裁を導入する意味がありません。20万件のうち永年保存文書3万件と電子化が困難な案件3万件を除いた14万件を電子決裁にしたい。全国トップレベルの電子決裁率70%をといわれておりますので、これを目標としています。現在は1年保存文書を電子決裁の対象としており平成17年4月からは紙情報をスキャナーにより電子化し、文書の大部分である10年保存文書まで対象を広げ、電子決裁への移行を強く推進していきます。」 そのためには、スキャン機能が装備された複合機の導入をさらに進めて、どの部署でも紙文書をスキャンして電子化できるようにすることを目指したいとのこと。あわせて、すべての添付文書のDocuWorks化と、付箋などの運用ルールの徹底を図る。こうした川口市役所の取り組みは電子文書の本格的な利用推進に向けて、確かな手応えを感じていられるように思われました。

DocuWork導入前と導入効果