開発者インタビュー ソフトウェア商品開発部

開発者インタビュー 「ドキュメントが自然に読み手に語りかける」全く新しいコンセプトによって開発された「DocuWorks Context Service」DocuWorks Context Serviceの開発経緯やコンセプト、そして将来への展望などについて開発メンバーにインタビューしました。ソフトウエア商品開発部 松本 天

ソフトウエア商品開発部 部長 柴田隆夫

ソフトウエア商品開発部 三部 裕史

まずコンテキストとはどうゆう意味なのでしょうか?

ソフトウエア商品開発部 柴田隆夫

 元来ドキュメントには、ドキュメントそのものにある情報や属性以外にも、ドキュメントを取り巻く様々な背景や関係といった要素があります。ひとつ例をあげると、紙の文書を手で人から直接受け取ったとき、受け取った人は相手しゃべる言葉や表情、そしてその人の信頼感や評判など、様々な情報を文書と一緒に受け取っています。これらはコンテキストの一種と考えています。私達が考えるコンテキストの概念は、文書を取り巻くもの全てがコンテキストであると考えています。Context Serviceはドキュメントにまつわる背景や関係を管理するために開発したソフトウェアです。現在のバージョンではこれらの一部(注1)をコンテキストとして管理することができます。

  • 注1DocuWorks Context Service 1.0で管理できるコンテキスト ・新版の有無情報と、改版文書 ・関連文書の存在の有無情報と、関連文書 ・文書提供者のメッセージ ・文書利用者のコメント ・文書の有効/無効情報

Context Serviceの発想の原点は?

ソフトウエア商品開発部 インタビューの様子

 IT技術が発達してドキュメントの電子化や共有化が進んでいくと、簡単に大量の文書が入手できる反面、それらのドキュメントの価値は十分に発揮できるのか、活用できるのかという疑問がありました。ドキュメントは知識の共有や新たな知識を生み出すことに役立つ最良のツールだと思いますが、十分に活用されなければドキュメント本来の価値を発揮することはできません。私達は、ドキュメントにコンテキストを持たせ、ドキュメントを通じてコンテキストを自然なかたちで共有することで、ドキュメントをもっと活用することができるのではと考えました。


Context Serviceの開発当初の状況を教えてください。

ソフトウエア商品開発部 松本天

 ドキュメントの背景や関係を管理するという発想は、実はDocuWorksが開発される前から、DocuWorks自体のコンセプトのひとつとして既に存在していました。DocuWorksは1993年にコンセプトメーキングが始まり2年ほどかかりましたが、その2年の後半頃には「ドキュメントの関係管理」という形でContext Serviceのコンセプトができておりました。プロトタイピングのフェーズにおいては、DocuWorksのプロトタイプと一緒にContext Serviceのプロトタイプが動いていました。この一連の流れの中で、まず先に商品として開発されたのがDocuWorksです。


当時考えられていた文書の関係管理とは?

ソフトウエア商品開発部 三部裕史

 当時の関係管理というコンセプトは、もっと広い意味を持っていました。関係管理には2つの考え方があり、コピーされたドキュメントは違うものだということと、同じものだという考え方です。当時のプロトタイプは前者に近い考え方で作られました。文書が開かれた場所を管理して、文書がどう広がってどう変化していったかということを、時系列で見るという機能もありました。しかし前者のような考え方は、改版履歴としてローカルでやるほうがニーズがあると考え、DocuWorks本体へと反映されました。署名機能などはそのひとつです。

 Context Serviceは、コピーされたドキュメントは同じドキュメントという考え方です。コメントが書き込まれたり、変更されたりしても、同じドキュメントというグループで管理していく。Context Service とDocuWorks本体に反映した考え方がセットになって、当初の関係管理のコンセプトができあがっています。

そのコンセプトが「ドキュメントが自然に読み手に語りかける」というキャッチフレーズにこめられているのですね。

ソフトウエア商品開発部 柴田隆夫

 はい。ドキュメントというものは本来、いろんな周辺情報が存在して成り立っています。最近はインターネットを通じて大量のドキュメントを検索し、入手できるようになりましたが、背景などが全く分からずにそういったドキュメントを見ても十分に活用することは難しいのです。Context Serviceによって、あたかも人から人へ文書を渡すかのように読み手にコンテキストを伝えることで、ドキュメントがもっと活用されるようになって欲しいという意味を込め、このフレーズを考えました。

Context Serviceはどのように使われていくと考えていますか?

DocuWorks Context Serviceチャート図

 このような商品の位置付けとして、活用と保護、集中と分散、というテーマがあります。世の中はセキュリティに対する関心が非常に高く、集中と保護の方向に大きく傾いてきています。これに対してContext Serviceは活用と保護を両立させていくことをテーマとしています。文書を活用するためのシステムとして、文書保護の仕組みとしても使えるというシステムです。集中と分散については、Context Serviceは分散していく文書のコンテキストを管理するということで、分散側のシステムです。

ソフトウエア商品開発部 松本天

またContext Serviceは特定の業務や用途にしばられるシステムではありません。コンテキストは本来、文書に付いていて当たり前のものであり、複数の人がDocuWorks文書をやりとりする環境の中で、あって当たり前のように使っていただきたいと思います。 導入の一例としては、文書を社内に広く配布したり、配布した先で正しい文書を使ってもらいたいといった環境には最適なシステムだと思います。


Context Serviceを導入することでどのようなメリットがありますか?

ソフトウエア商品開発部 三部裕史

 例えば電子メールに文書を添付して送信した場合は、コンテキストはメールの本文で伝えられます。しかしその文書がさらに転送されていったり、文書だけをどこかに保存してしまうと、コンテキストは失われてしまいます。Context Serviceはコンテキストサーバーと通信できる環境下であれば、文書がどこに流れても開いたときにコンテキストを通知してくれるので、文書提供者のメッセージはそのまま伝わりますし、最新版を入手することも可能になります。文書を通じて文書提供者にコメントを返すこともできます。文書がどんな経路をたどって流通しても、常に文書提供者とコンテキストのやり取りが可能となり、文書提供者は文書に対する責任を果たすことができます。


Context Serviceについて今後どういった方向性を考えていますか。

ソフトウエア商品開発部 松本天

 今取り扱えるコンテキストは一部ですが、ドキュメントに関わる情報は全部コンテキストという考え方で、いろいろなコンテキストが取り扱えるよう枠にとらわれずに取り組んでいきたいと考えています。DocuWorksのように、使いだすとその便利さや使いやすさに気付いて、DocuWorksと同じようにコンテキストがないと困るといったソフトウエアにしていきたいと考えています。

■DocuWorks Context Service 1.0
文書に関連するコンテキストを管理し、DocuWorks文書を通じてコンテキストのやりとりができるサービスを提供するサーバーソフトウエア。コンテキストが登録されたDocuWorks文書を開くと、登録された情報をお知らせとして表示されます。文書利用者はDocuWorks文書を通じて改訂情報や改版を取得したり、文書提供者とメッセージやコメントの共有などが可能となります。

DocuWorks Context Serviceの流れ