お客様導入事例 学校法人法政大学様

概要

経営課題:教育の「質」向上を目指す中、授業支援システムと紙ベースの教育との共存が課題に

法政大学様では教育の「質」向上をはかるため、2007年、全学的に授業支援システムを導入しました。しかし、テストの採点・返却などには変わらず大きな負荷がかかっていました。また、日常的に行われている紙ベースの教育方法には多くのメリットがあり、授業支援システムとの共存や一元管理が課題になっていました。

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取り組み内容:手書き答案を簡単に授業支援システムに登録し、一元管理できる仕組みを開発

富士ゼロックスとの「共創プロジェクト」を立ち上げ、手書きの答案を一元管理できる「授業支援ボックス」を開発。複合機でスキャンするだけで、紙ベースのテストやレポートを授業支援システムに登録できるようになり、教員の事務作業を大きく削減できました。また、学生側にも理解度の深まりやモチベーションアップなどの効果が見られました。さらに、学生が教員の授業の進め方に関して期中に改善提案をする、FD注1授業改善の期中アンケートにも活用しています。

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将来展望:教員・学生ともにシステム利用者数をさらに増やし、将来的には全学での導入を視野に

法政大学様では、今後もさらに教育の「質」向上を目指し、さまざまな形で「授業支援ボックス」などの教育支援ツールを導入していく方針です。また、システム利用者数をさらに増やすこと、将来的に全学で導入することを視野に入れています。

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サービス概要:スキャンするだけで紙文書のテストやレポート、出席票を授業支援システムに登録

テストやレポート、出席票などの紙文書をApeosPortシリーズの複合機でスキャンすることにより、授業支援システム(LMS:Learning Management System)に登録するシステムを構築。採点に関わる教員の工数削減、および教員と学生の相互コミュニケーションの活性化や学生のモチベーション向上に効果を発揮しました。

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事例詳細

教育の「質」向上をはかるため、より良い教育システムを開発・研究

情報メディア
教育研究センター
教授
常盤 祐司 様

本学は、教育目標として「自由と進歩」の精神に基づき、既成概念にとらわれない自由な発想で考え、新しい問題に積極的にチャレンジする自立型人材の育成を掲げています。また、あらゆる組織・企業においてグローバル化の進展が盛んに叫ばれる昨今。大学には、国際的な競争力を持ち、世の中の社会課題を発見して、解決策を考えられる人材を育成することが期待されています。これらを実現するためには、これまで以上に教育の「質」を向上させることが必要です。

情報メディア教育研究センターでは、授業支援システム、教育用コンテンツなどの開発をはじめ、ICTを活用した教育支援システムの開発・研究という分野において教育目標の実現を支援しています。また、本学では情報メディア教育研究センターと、教員による教育の継続的改善を目的とするFD推進センターが両立。2つのセンターが相互的に連携しながら、教育の質向上のために取り組んでいます。

しかし、教員は学生に対する授業やその準備のほかに、自身の研究にも注力しなくてはならず、社会から期待される人材を育成するために試行錯誤する時間は十分ではありません。情報メディア教育研究センターとしては、学生に対する教育の「質」を高めて、その効果を上げることはもちろん、在籍する多様な教員にICTを使っていただき、その効果を教育に反映していただけるようにはかる必要があります。

ICT教育システムと手書きを用いた教育との共存、手書き答案の一元管理が課題に

教育の「質」向上を目指した活動の一環として、本学では世界350の大学で採用されている授業支援システム「Sakai」を、国内の私立大学としては全国に先駆けて2011年から全学で展開しています。現在は約2万人の学生と、約730名の教員が利用し、授業中および予習・復習で活用しています。この授業支援システムの導入で、学生はいつでも教材にアクセスしたり、レポート課題を提出したりできると同時に、教員が教育に必要な情報を一元管理できるようになり、かかっていた負荷を軽減できました。

一方、これまで紙ベースで行われてきた「手書き」を用いた教育方法をなくすことは困難です。紙には「顔」が見えるコミュニティーを形成できるというメリットがあります。また、理工系・数学系学部では数式・図・グラフ・イラストを用いた解答を求めることが多く、紙ベースの学習を完全にICTに置き換えることはできません。学生の考える力やアイデアを練る力を養うためにも、パソコンのワープロソフトではなく紙を使った手書きの学習が必要だと認識しています。

さらに、ある授業の期末試験で選択式問題と記述式問題を混在させて出題したのですが、総じて記述式問題の正答率が低かったのです。選択式問題は記述式問題に比べると学生に考える力を必要としません。このことで考える力を養うためには、手書きが必要だと再認識しました。学生が自ら考える機会を増やすことが、大学での教育には必要だと考えたのです。

こうしたことから、授業支援システムを軸とするICTを活用した教育と、手書きを用いた教育の共存。そして、テストでの記述式問題を含めた手書きの答案を蓄積し、一元管理することが課題となっていました。

「共創プロジェクト」を立ち上げ、紙の答案を一元管理できる仕組みを開発

理工学部 教授
FD推進センター
FD推進
プロジェクト・リーダー
川上 忠重 様

2012年5月、課題の解決に向けた施策を検討中に、富士ゼロックスから「電子透かし」を活用した紙文書の電子化や処理効率化の提案がありました。紙文書の一元管理に多大な実績があること、他大学において紙の答案を学生へフィードバックすることについて研究を進めていることなどを伺い、提案に興味を持ちました。

また、横浜みなとみらいの富士ゼロックスR&Dスクエアで顔合わせをしたとき、さまざまな分野の研究者や技術者が集まってくださり、豊富な知識を持つ現場の方たちと、密度の濃い意見交換ができました。担当者が数名いるだけの企業プロジェクトが多かった中で、本学が目指す教育の「質」向上を「共に実現する!」という、富士ゼロックス側の熱い思いを感じました。このことを受けて、両者で相互的に連携して新しいものを創造する「共創プロジェクト」を立ち上げるに至りました。

その後も、こちらが要件や改修要望を相談すると、いつの間にか富士ゼロックス側で実現・改善しているという、スピード感にも驚かされました。結果、わずか1年半未満で「授業支援ボックス」を中心としたシステムを完成させることができました。

情報科学部 教授
藤田 悟 様

スキャンするだけで、手書きのテストやレポートを授業支援システムに登録

本学では、商品化に成功した「授業支援ボックス」を2013年11月より導入し検証を開始。テスト環境での試験運用期間を経て、2015年4月から本番環境での運用をスタートしました。そして、授業で使う紙の出席票・レポート・テスト用紙を複合機でスキャンすることで、既存の授業支援システムに登録できるようになりました。

本学の授業の多くは、50人~100人の学生が履修しています。これまで教員は授業後に、学生の出席管理やテスト用紙の出席番号順でのソート、成績一覧の作成などの作業で、多くの時間を費やしていました。しかし「授業支援ボックス」導入後は、各種用紙をまとめてスキャンするだけで、自動で学籍番号順の出席簿や成績一覧を作成するとともに、点数とコメントを記入した解答用紙をPDF化して授業支援システムに登録できるようになります。教員は膨大な書類の管理工数を削減できるようになりました。

また、授業支援システムを介してテストの答案を学生に返却できるようになり、授業時間を有効に使えるようになりました。100人規模にもなる授業では、これまで授業で利用していた解答用紙は試験後に集めるだけで、学生に返却していませんでした。そのため、学生は誤った解答をしていても、その誤りに気付くことができませんでしたが、「授業支援ボックス」によって解答用紙を容易に返却できるようになったおかげで、学生本人に誤りを指摘できるようになりました。学生が教員から誤りを指摘され、自ら考える機会を増やすことが、大学での教育には必要だと考えています。

このシステムを利用すれば、学生が教員の授業の進め方に関して期中に改善提案をする、FD授業改善の期中アンケートを実施できることが分かりました。このことによって、その後の授業方法を改善できるとともに、「先生の板書はきれいで分かりやすい」など、自分で意識していなかった良い点にも気付くことがあります。

学生側にも、理解度の深まりやモチベーションアップなどの効果が

この「授業支援ボックス」の活用に関して、学生から以下のような反響がありました。

  • 提出した課題を添削し返却してもらえたので、欠点や良かった点を見返し、復習に役立った。
  • 毎回の小テストで細かく演習を行ったのが、理解につながった。また、レポートを頻繁に提出したことで理解がより深まった。
  • 講義後の小テスト、マインドマップによる知識整理が役に立った。
  • 毎回の小テストに対する先生のフィードバックが、モチベーションアップにつながった。

特に、テストの添削を通じて教員と学生のやり取りが活発になり、学生のモチベーションを向上させることができたことは、本学の教育目標である自立型人材の育成にもつながる効果といえるでしょう。

今後もさらに教育の「質」向上に向けて、さまざまな形で活用していきたい

今回、この紙文書と授業支援システム連携ソリューションの導入によって、紙ベースで従来から行われていた教育手法と、ICTを活用した教育方法の連携による新たな教育手法を、併せて教員に提供することができました。これにより、教員が事務作業に充てていた時間を削減でき、教育研究活動に割く時間が増加。教育の「質」が向上するのではと期待しています。

また、現状では学生が記述式問題で問われていることについて、図と文章を使って説明する力がまだ足りないと感じています。このシステムを利用し、ペンを持つ機会を増やすことで、手書きを用いながら自らしっかりと考え、何かを説明する力を養っていければ、と考えています。優秀な解答については、名前や学籍番号部分を消し、授業中に共有できるような機能が、将来的には付与されると良いと感じています。

学生には、これをきっかけに授業支援システムに蓄積されたさまざまな成果物をそのままにするのではなく、授業の振り返りなどに活用してほしいです。一方で、教員としては、即効性のあるアンケートとしてこのシステムを活用し、授業改善に役立てることも考えたいと思います。

システム利用者数をさらに増やし、将来的には全学での導入を視野に

現在は小金井をはじめ、市ヶ谷・多摩の各キャンパスの一部で運用を開始していますが、現状では利用者はまだ限定的といえます。いずれは複合機の台数を増やしていき、利用する学生と教員の数をさらに増やし、利用を定着させていきたいと考えています。そして、この仕組みを全学で導入することを計画しています。

また、学生が能動的に授業に参加するアクティブラーニングや、講義を家で確認して授業で実習や議論を行う反転授業についても、「授業支援ボックス」を活用することで実現できると考えています。その場合、各教員が新しい授業方法を実践しやすいように、情報メディア教育研究センター側できめ細かく対応する必要があるでしょう。

多くのテクノロジーを持つ企業の中で、ユーザーと新しいものを作り上げようとする意識を持つ富士ゼロックスのような存在は、非常に珍しいといえます。本学としては、ぜひ今後も共創関係を築いていければと考えています。

プロフィール

法政大学様は、3カ所(市ヶ谷・多摩・小金井)のキャンパスと、15学部を擁する日本有数の総合大学です。設立以来「自由な学風と進取の気象」を校風とし、近代日本社会の建設に向けたリベラルでプログレッシブな教育と研究を展開。理念・目的として掲げた「自立的で人間力豊かなリーダーの育成」、「最先端の研究の促進」、「持続可能な地球社会への貢献」を具体化するため、全学的に取り組んでいます。


(2015年12月現在)
大学名 学校法人法政大学
総長 田中 優子
設立 1880(明治13)年
所在地 東京都千代田区富士見2-17-1
学生数 27109名(2015年5月1日現在)
URL http://www.hosei.ac.jp/

ソリューション内容

より良い教育システムの構築に向けて、お客様と共に価値を創出

授業支援ボックスは、テストやレポート、出席票などの紙文書をApeosPortシリーズの複合機でスキャンすることにより、授業支援システム(LMS:Learning Management System)に登録するシステムです。

この紙文書とLMS連携ソリューションを通じて採点に関わる教員の工数削減、および教員と学生の相互コミュニケーションの活性化や学生のモチベーション向上に対しても、寄与していきたいと考えています。

そして、法政大学情報メディア教育研究センター様が中心となって取り組んでおられる、教育・研究の質向上のための新たな教育方法の展開に向けて、これからも共創パートナーとして挑戦を続けてまいります。

(右から)
富士ゼロックス
中央営業事業部 文教営業統括
文教第二営業部
営業2グループ
石﨑 丈
コントローラ開発本部
コントローラプラットフォーム第四開発部
グループ長
佐藤 悦志
中央営業事業部
ビジネストランスフォーメーション営業部
文教BTPグループ
小柳 壮

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  • 注1:FD:Faculty Development

    注記:事例の内容は2015年12月時点の情報です。

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