お客様導入事例 株式会社駒ヶ根電化 様

お客様導入事例 株式会社駒ヶ根電化 様

長野県駒ヶ根市に本社を構える株式会社駒ヶ根電化様は、1946年(昭和21年)の創業以来、一貫して金属めっき加工業を手がけられています。自動車産業の国際品質マネジメントシステム規格「IATF16949」を取得。自動車部品の製造においては、専用工場を保有しています。これまで製造における、進捗管理や品質管理はアナログで行われていたため、ミスが発生するのを防いだり、作業の状態を見えやすくしたりするには大きな労力が伴っていました。これらの業務を効率的に進めるべく導入されたのが、データの見える化を図り、正確性や信頼性を高め、安定した品質の維持につなげるソリューションでした。「工場の見える化ソリューション」の導入に至った経緯や、導入後の効果をご紹介します。

代表取締役社長 山下様

アナログでデータ作成していた製造現場

めっき加工の進捗管理や品質管理は手書き作業で行われていたため、管理の精度に課題があった。課題解決を図るために導入したのが電子帳票システム「i-Reporter」とダッシュボードソリューション「MotionBoard」だった。

代表取締役社長 山下様

山下様: 当社が手がける金属めっき加工業では、製造工程の進捗管理や品質管理などがいまだにアナログで行われていて、デジタル化が進んでいませんでした。具体的に言うと、例えば納期管理に際しては、担当者が製造現場に出向いて現場作業員と直接話をして確認しなければ、進捗状況が把握できませんでした。そのため、より重要性の高い仕事である新規製造ラインの立ち上げに十分時間を割けない状況が続いていたのです。また、品質に関するデータも、現場作業員が必要な場所に足を運び、手作業で用紙に記録していました。文字通り、手間暇をかけて管理していたわけです。しかも、人の手で記録しますからミスが発生することもあります。そのため、IoT、ICTを活用してデジタル化を進めることで、効率性や正確性といった課題を解決したいと以前から感じていました。

金属めっき加工は、金属の表面に金属の薄膜を覆い被せていく作業です。まずは金属の表面をきれいにして、金属が密着できるようにします。そのために、エッチングと呼ばれる処理や各種の洗浄を行います。そのうえで、必要な金属をコーティングしていくのです。お客様が必要とされる金属は、金、銀、錫、ニッケル、亜鉛などさまざまです。それによって加工ラインも異なります。自動化されている工程もありますが、やはり人手に頼っている部分が多くを占めています。

ソリューションの導入を決断した要因としては、実際にそのソリューションが導入されている富士ゼロックスの鈴鹿事業所を見学させてもらったことが大きかったですね。工場では「MotionBoard」によって製造ラインのさまざまなデータが見える化され、当社でも導入したいと思いました。それで、伊那バスさん(富士ゼロックス長野特約店)を通じて富士ゼロックスさんに相談させていただきました。
導入までの過程としては、まず当社が求める要件を洗い出し、導入プロジェクトメンバーで半年間ほど最適な導入の形について検討を重ねていきました。当初、当社の視点と富士ゼロックスさんの視点がずれているところもありましたが、当社の課題認識をもとに真剣なディスカッションを通じて、課題認識をすり合わせ、目指す方向を一致させていきました。また、過去にも活用したことがある「ものづくり補助金」も申請しました。申請に際しても、富士ゼロックスさんの支援を受けることで無事に採択されたので大変感謝しています。

当社の製造ラインには自動や手動、半自動があります。全部で30~40ラインを有していますが、ソリューションを導入したのは自動の亜鉛めっきラインです。特定のお客様の専用ラインで、材料の種類も少なく、シンプルなものが多いことから、導入しやすいのではないかと考えました。やはり、手動ほど作業が複雑になってしまいます。例えば、金属をどれくらいの時間水に浸し、水から引き上げるのかといったことが、作業員の力量に負っています。ですからシステム導入となるとハードルが高くなってしまうわけです。その点、自動ラインであれば、人的な要因に左右されにくくデジタル化にも向いています。今後、「i-Reporter」や「MotionBoard」を横展開するにあたっては、まずは自動ラインに導入していきたいと考えています。

※本ドキュメント上に記載・表示された社名または商品名などは、各社の登録商標または商標です。

手書きの記録作業をなくし、排水量も1割削減

新システム導入により、課題だった手書きによる記録作業をなくした。データの正確性が増し、信頼性も高まった。それだけでなく、排水量の1割削減という効果も上げている。

山下様: ソリューション導入の効果を最も実感できたのは、やはりアナログの作業から解放されたという点です。従来は製造工程で発生する数値を作業員が手書きで記録したり、グラフ化したりしていました。それが「i-Reporter」で入力し、「MotionBoard」で表示されるようになったからです。記入作業がなくなり、1日5%程度の作業時間が削減され、そのぶん設備のメンテナンスなど他の作業に充てられるようになっています。

手書きは負担の大きい作業です。作業中にも記録を残しますし、毎日、作業が終わってからも、ボードに紙を貼ってデータを書き込んでいきます。慣れない人だと時間がかかりますし、計算が間違うこともありました。苦手な作業員も少なくありません。
また、誤記入や不正が発生するリスクもありました。しかし、デジタル化されれば、それらのリスクを減らすことができます。必然的に品質の信頼性が高まり、お客様に自信を持って製品をお届けできるようになるわけです。安定した品質を保つためには、信頼性のあるデータが欠かせません。

もう1つ効果を実感できた点として、排水量を削減できたことが挙げられます。以前は手動でバルブを開閉していたため、使用する水量の制御が不十分なこともありましたが、新システムで電子制御することによって適切な水量にできるようになりました。一定の品質を保つために必要な水量は決まっているのですが、それを超えた量を使用してしまうことがあったのです。それを適正化できるようになったのは大きな成果だと思います。

実際、導入したラインでは排水量を1割ほど削減できました。導入したラインでは1日当たり20トン程度の水量を使用します。月間400トン程度ですから、40トンも削減することができています。なお、廃液は公共下水道に流す必要があるため、その料金として全社で年間2,000万円ほどかかっています。すでに、他のラインにも導入を始めていますから、今後さらに効果が期待できるでしょう。

当社のお客様に、自動車部品メーカーのお取引先様があります。建設機械に燃料を送る配管に取り付ける金具の表面処理を当社が手がけているのですが、お取引先部品メーカー様で開かれる取引先600人ほどを集めた品質連絡会で、当社の改善事例を紹介させていただく予定です。改善事例といえば、設備機械を改良したり、作業の段取りを変えたりして効率化した内容が多く、当社のようなデジタル化による品質安定化の事例はほとんどありませんから、先進事例としてアピールするいい機会になると思っています(新型コロナウィルスの影響で当イベントは中止となりました)。

※本ドキュメント上に記載・表示された社名または商品名などは、各社の登録商標または商標です。

全社員にスマートフォンを配付しデジタル化を推進

今後、本腰を入れていくのが蓄積されたデータの分析。設備の停止に対する予知保全にも活用していく。さらに全社員にスマートフォンを配付し、デジタル化を推進する。

山下様: 今後は、新システムを運用しデータが蓄積されていきますから、それを分析し設備が何らかの要因で何度も停止する「チョコ停」の予防処置や、設備の効率向上につなげたいと考えています。また、サイクルタイム(1つの工程に要する時間)が見える化されたことで、作業員にとって良い意味で緊張感が高まり、さらなる生産性の向上につながるのではないかと見ています。

経営スタイルはこれから変わっていく必要があるでしょう。若い世代の考え方は我々とは明らかに違いますから、彼らに合わせるようなかたちに変えていかなければなりません。そうした柔軟性がなければ、生き残れないのではないかという気がします。

実際、当社では全社員120人にスマートフォンを配付する予定です。出退勤や日報、所在確認だけでなくプライベートな利用も可能にし、福利厚生を兼ねようと考えています。この地域でこんなことをする企業はありませんから、若い人にとっては非常に受けがいいですね。

また、資材の在庫管理にも活用します。今まで社内のいたるところに在庫が散在し、在庫の量も膨らみ放題でした。そのため、在庫を適切な量に圧縮し、会社の身を軽くしていきたいと思っています。

ロボットやIoT、AIなどの新しい技術にも目配りし、デジタル化を進めていく。これが、最終的に企業の生き残りにつながるでしょう。これからはそういう時代です。当社は「知的体育会系組織」というスローガンを掲げています。当社にとってデジタル化は不可欠です。全社員の意識を高め、同じ方向を向いていきたいと思います。

データに基づいた経営で顧客が求める製品をつくる

新システム導入を契機に、駒ヶ根電化様は全社的なデジタル化を強力に推進。デジタル化によるデータに基づいた経営を強みに顧客に求められる製品づくりに注力する。

山下様: 当社では現在、社内LANを整備中です。すでにパソコンも50台ほど設置しています。さらに、全社員がスマホを持つことで、社内のデジタル化が一気に進むことになります。データが蓄積され、それを活用できる基盤が整いつつあるのです。社内にもITに詳しい人材がいますが、外部からもいろいろな意見を聞きながら、当社に合うものがあれば積極的に入れていこうと考えています。今回導入したシステムは、その第一弾といえるでしょう。社会インフラの老朽化が課題になっていますが、製造業にとっても同じように設備の老朽化が進んでいます。設備を一新するにも投資が必要ですから、中小企業にとってそのハードルは決して低いものではありません。だからこそ、デジタル化によって差をつける必要があるのです。中小が生き残るためには、IoT、ICTを活用し、データに基づいた経営を行い、お客様からの信頼を得ることが欠かせません。

また、当社では「QCDめっきサービス」を掲げています。QCDとは、クオリティ(Quality)、コスト(Cost)、デリバリー(Delivery)の意味です。デリバリーの点で言うと、「MotionBoard」で遅延情報などもすべて表示されるため、納期管理の精度が高まります。営業担当者が製造現場に進捗を確認して、お客様に電話で伝えるという時代ではありません。その意味でQCDの向上に寄与してくれるものではないかと思っています。日々技術は進歩していますから、固定観念にとらわれない柔軟な発想が欠かせません。お客様に必要とされるものを、柔軟に追いかけていく。その結果として会社が生き残る。売上目標を設定することが多いと思いますが、それだけで今後を生き抜いていくのは難しいでしょう。お客様が欲するものをつくっていくことこそが、生き残りのカギになると思います。

※本ドキュメント上に記載・表示された社名または商品名などは、各社の登録商標または商標です。

左から)
ゼロックス長野株式会社 営業統括部 ソリューション推進部  部長 小林 明人
株式会社駒ヶ根電化 代表取締役社長 山下様
伊那バス株式会社 営業OA課 課長 北原様

製造工程における進捗管理や品質管理の精度を向上させ、品質と信頼を高めるため、現場のデータをデジタル化する新システムを導入された駒ヶ根電化様。新システムの導入によって、現場でのアナログ作業をなくすとともに、排水量の削減も実現されています。今後は、蓄積されたデータを分析し、設備のトラブル予防や効率向上につなげようとされています。さらに、全社的なデジタル化も加速されており、大きな強みとなっていきそうです。

まとめ

製造工程におけるアナログ業務のデジタル化による改善

問題点 取り組むべき課題 解決策 改善効果

◆生産進捗状況管理業務の負担が大きい

既存製造ラインの生産進捗確認を技術者やマネージメント層が都度現場に出向いて確認している

生産進捗管理業務に工数を取られて新規製造ラインの運用立上げに十分な時間が割けない

  • お客様からの急ぎの依頼(新規・特急)にタイムリーな回答ができず、CS低下や逸注の要因となっている
  • 進捗の遅れの早期確認およびタイムリーな是正措置がとれず、納期遅れや作業時間増が生じ、製造原価が増加している
  • 新規製造ラインの運用立上げ期間の短縮
  • 生産進捗の見える化に向けたデジタル化の実施
  • 現場に出向いて生産進捗状況を確認する必要がなくなり、リアルタイムでの進捗状況管理と現場の負担が軽減
  • 進捗遅れの早期確認およびタイムリーな是正措置による生産性向上
  • お客様問合せへの即時回答によるCS向上と受注増
  • データをもとにした作業時間の平準化と適正化
  • 新規製造ライン立上げ期間の短縮による製造原価低減

◆作業者リソースの不足

熟練社員は既存製造ラインの作業・運用に手一杯

新規雇用者は作業の1人立ちまでに時間がかかる

  • 製造付随業務の効率化
  • 作業標準化の不足
  • 生産進捗のバラツキの是正や品質ロスコスト極小化
  • 製造現場の各種帳票の電子化、と入力業務の簡素化
  • 生産実績・品質情報の見える化および業務の標準化
  • 製造ライン担当者の付随業務工数の削減
    →一日5%(1,503時間/月)の作業時間削減
  • ※全50ラインに電子化16帳票を全て展開した場合
  • 生産・品質状況のリアルタイム管理による早急な是正措置の実施、データをもとにしたライン改善と品質改善
    →生産性と品質の向上

◆計画した採算性が
確保できない

設備稼働状況や消費資源量の適正な管理が出来おらず、採算性に改善の余地がある。

  • 設備稼働実態の把握・改善に時間がかかる
  • 詳細な設備状況(正常・異常など)がわからない
  • 設備稼働状況の見える化に向けたデジタル化の実施
  • 設備稼働率の向上による生産性の向上
  • 設備予知保全への取組みを開始
    →ライン停止による生産性の低下、納期遅れの防止
  • 下水道費用削減や適切な注水量のコントロールによる製造原価の削減と地球環境負荷の低減
  • 生産資源使用状況の見える化の実施
  • 排水量の10%削減
問題点

◆生産進捗状況管理業務の負担が大きい

既存製造ラインの生産進捗確認を技術者やマネージメント層が都度現場に出向いて確認している

生産進捗管理業務に工数を取られて新規製造ラインの運用立上げに十分な時間が割けない

取り組むべき課題
  • お客様からの急ぎの依頼(新規・特急)にタイムリーな回答ができず、CS低下や逸注の要因となっている
  • 進捗の遅れの早期確認およびタイムリーな是正措置がとれず、納期遅れや作業時間増が生じ、製造原価が増加している
  • 新規製造ラインの運用立上げ期間の短縮
解決策
  • 生産進捗の見える化に向けたデジタル化の実施
改善効果
  • 現場に出向いて生産進捗状況を確認する必要がなくなり、リアルタイムでの進捗状況管理と現場の負担が軽減
  • 進捗遅れの早期確認およびタイムリーな是正措置による生産性向上
  • お客様問合せへの即時回答によるCS向上と受注増
  • データをもとにした作業時間の平準化と適正化
  • 新規製造ライン立上げ期間の短縮による製造原価低減
問題点

◆作業者リソースの不足

熟練社員は既存製造ラインの作業・運用に手一杯

新規雇用者は作業の1人立ちまでに時間がかかる

取り組むべき課題
  • 製造付随業務の効率化
  • 作業標準化の不足
  • 生産進捗のバラツキの是正や品質ロスコスト極小化
解決策
  • 製造現場の各種帳票の電子化、と入力業務の簡素化
  • 生産実績・品質情報の見える化および業務の標準化
改善効果
  • 製造ライン担当者の付随業務工数の削減
    →一日5%(1,503時間/月)の作業時間削減
  • ※ 全50ラインに電子化16帳票を全て展開した場合
  • 生産・品質状況のリアルタイム管理による早急な是正措置の実施、データをもとにしたライン改善と品質改善
問題点

◆計画した採算性が確保できない

設備稼働状況や消費資源量の適正な管理が出来おらず、採算性に改善の余地がある。

取り組むべき課題
  • 設備稼働実態の把握・改善に時間がかかる
  • 詳細な設備状況(正常・異常など)がわからない
  • 下水道費用削減や適切な注水量のコントロールによる製造原価の削減と地球環境負荷の低減
解決策
  • 設備稼働状況の見える化に向けたデジタル化の実施
  • 生産資源使用状況の見える化の実施
改善効果
  • 設備稼働率の向上による生産性の向上
  • 設備予知保全への取組みを開始
    →ライン停止による生産性の低下、納期遅れの防止
  • 排水量の10%削減

解決策の具体的内容(工程進捗管理・手書き帳票の電子化・稼働状況の可視化・排水量の管理システム)

課題解決により期待される効果

項 目 効 果
帳票電子化による付随業務工数の削減 1,503時間/月の削減(全50ラインに全16帳票展開時)
排水量の削減 10%削減(現状:2,000万円/年)
生産進捗の見える化 リアルタイムでの進捗管理
帳票の電子化 ライン担当者の付随業務削減/生産・品質状況のリアルタイム管理
設備稼働状況の見える化 設備稼働率の向上/設備予知保全への取り組み開始

生産・品質状況のリアルタイム管理画面

⟨担当営業のコメント⟩
山下社長が目標とする年間売上 10% 増の実現に向け、新規顧客の獲得に必要な新規専用ライン
の立ち上げを阻害していた様々な課題を IoT を用いて解決した事例となります。
引き続き、お客様の真の経営課題解決につながる価値提供活動を実践して行きたいと考えています。

富士ゼロックス長野株式会社 営業統括部 ソリューション推進部 営業2課 課長 矢口博

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