お客様導入事例 SOMPOシステムズ株式会社様

概要

経営課題:複雑なソフトウェアのテスト品質を保ちつつ効率化を検討

国内外で保険業務を展開する損害保険ジャパン日本興亜様。そのシステム部門として日々ソフトウェア開発・運用を手がけるSOMPOシステムズ様では、お客様への確実なサービス提供を支えるための膨大なテストを効率化できないかと考えました。そこで、富士ゼロックスが独自に確立したHAYST法®に着目。速やかに導入を進めることとなりました。

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取り組み内容:工数を半分以下に抑えながら、定性的な品質管理を実現

効率化を目的とし、HAYST法®により従来比42%の工数削減を達成したSOMPOシステムズ様。しかし、もうひとつ大きな導入メリットを得たといいます。テストケースの網羅率を示すことができるため、品質の安定化につながったのです。

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将来展望:全社での導入促進と、海外展開をも視野に

HAYST法®を導入したeマーケティンググループは、その効果を実感。全社での導入を促進するため、社内フォーラム開催や説明動画の作成といった取り組みを進めています。そして、ツールの英語版リリースを機に海外拠点での導入も促したいと意欲を示しています。

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サービス概要:導入コンサルティングで確実な品質向上と効率化を実現

SOMPOシステムズ様での導入にあたっては、テスト設計ツール(MatrixTester)とともにコンサルティングサービスをご提供。HAYST法®の考え方を理解していただくことで、確実な効果を得ていただくことができます。

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事例詳細

複雑な構成要素を持つ損害保険のソフトウェア

グループ戦略システム本部
副本部長 (兼)
eマーケティンググループ
統括担当部長
渡辺英司様

国内損害保険事業を中心とし、国内生命保険事業、海外保険事業などさまざまな事業を展開しているSOMPOホールディングスグループ。そのIT部門を一手に引き受けているのがSOMPOシステムズです。その中で私どもeマーケティンググループは、保険をご契約いただいているお客様、あるいはご契約を検討されているお客様に使っていただくシステムを担っています。主にパソコンやスマートフォンを通じて操作していただくWEBサービスです。

お客様に直接使っていただく損害保険のシステムには、保険料を計算して帳票類を作成するソフトウェア、保険証券を作成するソフトウェアなど、さまざまな要素があります。そして取り扱う項目が氏名・生年月日・住所・性別など数多く、保険商品それぞれの約款や規定に基づいて動作する必要もあります。さらに、お客様の住所や電話番号が変わることもあれば、自動車保険の場合で言えば車を乗り換えるなど、時とともに変更される要素もあり、複雑なものにならざるをえません。

効率的に確実なテストを実施するためHAYST法®に注目

グループ戦略システム本部
eマーケティンググループ
課長
石郷岡広記
(いしごうおか こうき)様

さまざまな項目や決まり事を取り込みつつ正確に処理するためには、当然ながら入念なテストが欠かせません。テストでバグを見つけられなかった場合、本番環境でシステム障害が発生してしまう恐れがあります。そうなれば、お客様に多大なご迷惑をおかけすることになります。例えば、保険料の引き落としが正確に行われず、一部のお客様に振り込んでいただかなくてはならなくなった事例もありました。

とはいえ、考えうるすべての組み合わせをテストすることは困難です。テストケースが膨大になってしまうからです。そこで、必要不可欠なテストケースを抽出して実施することになりますが、そのノウハウは極めて属人的になりがち。昔から積み上げられてきたノウハウに捉われていると、本来カバーすべきテストケースを見落としてしまったり、無駄なテストケースを用意してしまったりします。

システム開発におけるテストに費やす工数は、全体の5割もしくはそれ以上に上ります。バグを適切に見つけられるテスト品質は保った上で、抜本的な効率化で生産性を上げることはできないか。2009年にそのテーマに取り組んだ私どもは、数多くの資料を調べ上げた結果、HAYST法®ツールを用いたソフトウェア品質向上支援ソリューションにたどり着きました。そして、それが富士ゼロックスによるものと知り、お付き合いのあった営業担当の方に取り次いでいただき本社を訪れ、詳しく説明していただいたのです。

当時はまだ金融業での導入事例はなかったそうですが、説明を伺って「これは使えるぞ!」と。他に類似したソリューションが存在しなかったこともあり、導入決定は迅速でした。

テストケース設計にかかる工数を従来の42%に削減

グループ戦略システム本部
eマーケティンググループ
主任システムエンジニア
中川景太様

HAYST法®によるテストケースの設計には、MatrixTesterというツールを用います。因子と水準(テストに用いる項目)を入力し、禁則(例えば自動車保険の見積もり時に車両保険のない商品を選んでいるにも関わらず、その先の遷移画面で車両損害補償の設定ができるなど、あり得ない組み合わせ)を設定すれば作成作業は完了です。従来は設計担当者が考えながらExcelなどを用いて一つ一つ作っていたので、これで大幅に工数が削減できます。一例を挙げると、2010年に保険代理店様向けのソフトウェアを改変する際、5268件のテストケースを手作業で作成するのに55人日(1人×55日分の工数)を要しました。一方、2014年に別件で5800件のテストケースを作成する際にHAYST法®を用いたところ23人日で済みました。工数を従来の42%にまで削減できたのです(さらに、このテストケースを再使用する場合は軽微な変更で済みます。下の図をご参照ください)。

 

HAYST法®およびテスト自動化の導入前、導入後の図 HAYST法®導入後:1回目のシステム総合対応を合計16%に削減 2回目のシステム総合対応を合計3%に削減

※2回目以降:本格的に「テストケース」および「テスト自動化シナリオ」を作成した後は、再使用時に軽微な変更をすれば対応可能となる

 

そしてもうひとつ、HAYST法®を導入したことで大きなメリットを実感しました。網羅率の向上です。富士ゼロックスの講習を受けて導入した際、社内で2人×10組のエンジニアを選出し、一つの実験を行いました。同じテストケースを手作業で作成するとともに、MatrixTester でも作成してもらったのです。後者では2項目間のテストケースを100%網羅できるのですが、果たして手作業で作成したテストケースを当てはめてみると何%カバーできているか……。結果は、どの組も30%台~40%前後でした。

網羅率を示し、テストケースを定量的に評価ができるように

グループ戦略システム本部
eマーケティンググループ
近藤美幸様

これまで、テストケースの網羅率は説明しきれないものでした。例えば手作業で作成したテストケースを評価する側は、Excelなどで作成されたテストケースからその意図を読み解き、なお不明な点があれば指摘するといった手間がかかります。レビューしにくいのです。一方、設計担当者としても何%網羅しているかを説明することはできず、「経験と勘で作っている」と言われても否定できないところがありました。それが、HAYST法®により、定量的に説明しうるテスト設計が実現できるようになったのです。

また、異業種から転職し、損害保険のシステムに明るくなかった社員としても、MatrixTester を使ううちに業務への理解を深めることができました。MatrixTester への入力情報の方を見ることで、個々のテストケースを見るよりもテスト設計の考え方がよくわかりました。業務において重要な情報がギュッと詰まっているため、理解が進みやすいのかもしれません。禁則の設定情報などには、テスト設計のためだけではなく、かなり業務全般においての教育的な要素もあると実感しています。

全社でHAYST法®を導入し、テスト品質と生産性の向上を

グループ戦略システム本部
eマーケティンググループ
笹ひとみ様

現在、私どもの部署では2項目間テストにおいては100%、3項目間テストでも80%台の網羅率で実施しています。さらに、テストの実施段階においても自動打鍵ツールを導入し、さらなる効率化を実現しています。従来より圧倒的に少ない工数で質の高いテストができており、事実、大きなシステム障害を発生させていません。そこで、代理店向けソフトウェアを取扱っている部署など全社的にHAYST法®を導入するよう促しているところです。

新しい仕事の仕方を始める時に抵抗を感じる人は多いもので、それはエンジニアでも例外ではありません。しかし明確に結果が出ている以上、勧めない手はないでしょう。2015年には社内フォーラムを開催し、HAYST法®の理論と使い方について説明したところ、反響は以下のようなものでした。

HAYST法®の理論と使い方の反響 発表内容についてどう思ったか:とても有意義148名(72%) やや有意義57名(28%) 担当しているシステムに利用できそうか:はい185名(80%) いいえ47名(20%)

さらに2017年度は説明動画を制作し、HAYST法®の有効性について社内に広めようとしています。新入社員にも視聴してもらい手応えも得たので、今後は応用編を制作しようと考えています。実践的な説明に興味を持てば、他部署からも「教えてほしい」と要望が出てくるであろうと期待しています。MatrixTester は既に80ライセンス保持していますので、積極的に活用していきたいですね。

海外拠点における MatrixTester 英語版の導入も視野に

また期待という点では、MatrixTester を海外拠点で活用したいと富士ゼロックスに英語版のリリースを求めました。これには早くも応じてくれたので、今後は日本語が不得手な現地法人のエンジニアとのやり取りもスムーズになるでしょう。従来のようにテストケースの情報を直接やり取りするよりも、MatrixTester への入力情報を使った方が的確に意思疎通できると思われるからです。実際、海外スタッフに向けてセミナーを開いたところ好評でした。海外CIO(最高情報責任者)分科会に続き、南アジア6カ国でのテレビ会議も開催しているので、今後順調に利用が広がっていくと見られます。

 

プロフィール

SOMPOシステムズ株式会社は、SOMPOホールディングスが展開する4つの事業分野(国内損保事業、国内生保事業、介護・ヘルスケア事業、海外保険事業)において、ICT技術でグループ企業を支援していきます。

SOMPOシステムズ株式会社
(2017年9月現在)
商号 SOMPOシステムズ株式会社
本店所在地 東京都立川市曙町二丁目41番19号
資本金 7,000万円
従業員 1,485名
URL

ソリューション内容

導入コンサルティングで確実な品質向上と効率化を実現

テスト品質を高く保ちつつ工数を削減するため、当社は独自のHAYST法を確立して1998年より導入しています。この技法は既に富士ゼロックス内に留まらずに、医療機器、自動車などの組み込み系から金融や通信サービス系などへと広く適用され、実績を残しています。SOMPOシステムズ様での本事例は、組み込み系の領域から始まったHAYST法が領域を問わずに適用可能であることを示すものというだけではなく、特に自動化技術と連携させた場合には大きな成果が期待できるものとして、エンタープライズ領域などでも幅広く注目を集めるものとなっています。
当社内においても自動化ツールとHAYST法ツールの連携はプロジェクトによっては実践が進み、様々なノウハウも蓄積されております。現在はこのようなノウハウについても、お客様への展開サービスをご用意しております。

SOMPOシステムズ様での導入に際しては、ツールだけでなく、当社内で培ったノウハウを用いたコンサルティングサービスもご提供。適切な設計を行うことで、属人スキルによるテストからの脱却も実現しました。ベテランの経験や勘もHAYST法の枠組みの中に体系化されて活かされており、知識伝承にも一役買っています。

今後は、SOMPOホールディングスグループのIT部門を担うSOMPOシステムズ様として全社でのHAYST法導入を進められるとのこと。当社も必要に応じた多様なサービスでサポートを続けてまいります。

(左から)
富士ゼロックス株式会社
インダストリービジネスソリューション・サービス
事業本部
オファリング統括 業務ソリューションオファリングス推進部 業務ソリューション5グループ
林 祥一
秋山 浩一



(左から)
富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社
評価技術開発統括部
冨永 洋一
高橋 宏之

関連ソリューション/商品

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  • 注記事例の内容は2017年9月時点の情報です。

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