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幸せな国オランダに学ぶ、柔軟な働き方を実現する3つのヒント

ライフバランス

世界のなかで幸福度が高いとされるオランダ。人々が幸福を感じる背景には、柔軟な働き方が関係しているようです。本記事では、オランダの労働環境の大きな特徴であるパートタイム労働や、テレワークについてご紹介します。そこから、日本でワークスタイル変革を実現するヒントを探ってみましょう。

幸せな国オランダ、その理由は働き方にあり?

オランダは、2012年に「世界幸福度ランキング」が始まって以来、毎年7位以内と上位を維持している幸福度の高い国です。調査は、対象155か国の1人あたり国内総生産(GDP)、健康寿命、社会福祉政策、国民の自由度等を基に数値化しランク付け。2017年のレポートで日本は51位でしたが、オランダは6位にランクインしています。また、国連児童基金(UNICEF)が数年ごとに発表する「先進国における子どもの幸福度ランキング」においても、前回発表の2007年に続き、最新の2013年でもランキング1位を獲得しました。

イギリスのエコノミスト誌は、オランダ人がこのように幸せである理由は働き方にあるとしています。オランダでは、「週3勤務」「週4勤務」で働く人が珍しくありません。経済協力開発機構(OECD)の調査によれば、2016年におけるオランダの労働者1人当たりの年間実労働平均時間は1,430時間です。これは、日本の1,713時間と比べてはるかに短いといえます。 年間実労働平均時間は、フルタイム労働者だけでなく、パートタイム労働者が含まれています。そのこともあり、パートタイム労働者が多いオランダは労働時間が短くなっているのです。

また、2016年の1人当たりGDP(購買力平価(PPP))は、オランダは約50,900ドル、日本は約41,500ドルでした(世界銀行データ)。オランダは経済的に豊かですが、日本より働く時間が短く、さらに人々は幸せなようです。オランダ人は、どのような働き方をしているのか、気になりますね。

ヒント1:パートタイム労働で働く時間を柔軟に

エコノミスト誌が2014年に行った調査によれば、オランダでは労働が週36時間以下のパートタイム労働者の数が労働人口の50%を超えています。欧州連合(EU)加盟国の平均が20%であり、他の先進国に比べて突出しているのです。男女比を見てみると、パートタイム労働者のうち女性の割合は76.6%、男性の割合は26.8%となっています(なお、EU加盟国平均は、女性32.2%、男性8.7%です)。

また、多くの国ではパートタイム労働者は未熟練の低賃金労働に多いものですが、オランダでは高賃金労働においてもパートタイム労働が取り入れられています。管理的職業や専門的職業においてもパートタイムが適用されていることが大きな特徴といえるでしょう。

2011年に、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)が発表した研究では、オランダ人はパートタイムという働き方を自ら選んでいることが浮かび上がっています。パートタイムで働く理由を「フルタイムの仕事を見つけることができなかったから」と答える「非自発的パート労働」の割合が、他の先進諸国と比べて少なかったとのことです。

また同研究では、パートタイム労働が定着している背景に、パートタイム労働に関する法整備が進んでいることを挙げています。労働時間による差別は1996年に禁止され、パートタイム労働者は、賃金・手当・福利厚生・職業訓練等の労働条件においてフルタイム労働者と同じ権利が与えられています。さらにオランダでは、自ら労働時間を短縮・延長する権利を与えられており、労働者が柔軟に労働時間を確保できるのです。

このように働く時間を柔軟に設定できることは、女性に働くことを促すだけでなく、男性の育児参加を促進することにもつながります。オランダでは、子どもを持つ男性がパートタイム労働をしたり、フルタイムで働く時間を週4日間に凝縮したりして、週末以外に家族と過ごす日にちをつくるようになりました。そこから「Papadag(オランダ語でパパ・デー)」という単語まで生まれています。

ヒント2:テレワークで働く場所を柔軟に

パートタイム労働に加えて、テレワークが普及してきていることもオランダの特徴的な働き方です。

オランダにおけるテレワークの推進は、EUにおけるテレワークの推進に沿っています。2000年に、EU加盟国は2010年までにICTを活用し、ヨーロッパの社会経済を活性化することを目指す「リスボン戦略」を策定しました。そのなかで、テレワークがICTを活用した新しい働き方として推進されていったのです。

2004年から2010年の間に、オランダの多くの企業はテレワーク促進のための整備を進めていきました。その結果、テレワークが可能な企業は、2004年時点で約25%でしたが、2010年には約60%と倍増しています(オランダ統計局(CBS)発表)。テレワークの浸透は、企業もテレワーク普及に向けて取り組み、働く場所の選択の自由を高めてきた結果といえるでしょう。

オランダで在宅勤務を行う労働者は、2005年時点では労働人口の約4分の1でした。それが2012年には約3分の1、つまり3人に1人は在宅勤務の時間を取り入れるようになったのです。2012年時点で、オランダの在宅勤務を行う労働者は、平均して週6時間程度働いています。また、CBSによる2010年の調査から、女性よりも男性のほうがテレワークをしているようです。更に、高学歴である人ほどテレワークを行っており、大卒以上の労働者では約半数がテレワークで業務しています。

最大のヒントは「危機を変革のチャンスに」

パートタイム労働による柔軟な労働時間と、テレワークによる柔軟な働き場所。幸福度が高いとされるオランダ人の働き方の特長が見えてきました。

現在の日本は、オランダと文化や労働環境が違うため、同じような柔軟な働き方を実現するのは不可能と思われる方もいるかもしれません。

しかし、オランダもかつては「女性は家に」といった考えが強く、男性が外で仕事をして女性は家で家事や育児をするという考え方が一般的でした。しかしそれを変えたのは、国内の大きな経済危機でした。

オランダは、1980年代に「オランダ病」といわれる不況に見舞われます。そこから脱出するためには、女性を労働市場に巻き込むこと、また雇用を創出することが欠かせませんでした。

家事や育児の主な担い手であった女性を働き手とする手段として、パートタイム労働が促進されました。また、雇用創出のためにワークシェアリングが推し進められました。その結果が現在のオランダの働き方です。柔軟な労働時間を選択できるようになったことは、結果的に、女性だけでなく男性にとっても柔軟な働き方と心豊かな生活をもたらしたといえるのではないでしょうか。

さらに2000年代に入り、柔軟な労働時間でカバーできない仕事を、働く場所を柔軟にすることで補い、さらにそのことで自分の時間や家族との時間を大切にし、心の豊かさを追求していったことが「幸せな国オランダ」といわれるようになった要因かもしれません。

柔軟な働き方を実現するための最大のヒントは「危機とその対応」にあるかもしれませんね。そう考えると、少子高齢化による労働力人口の減少など、日本が置かれている現在の危機は、変革のチャンスといえるのではないでしょうか?

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