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工夫いろいろ・地方自治体の働き方改革への取り組み

ライフバランス

かつては長時間労働が蔓延し「不夜城」ともやゆされた東京都庁が、小池都知事の肝いりで午後8時退庁を推進するなど、地方自治体でも働き方改革に向けた取り組みが広がっています。内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を定め、地方発の働き方改革を支援。こうした流れから「働き方改革は地方創生につながる可能性がある」と言えるでしょう。疲弊した地域に活力を取り戻すべく、地方からの改革に期待が高まる中、ここでは、働き方改革/ワークライフバランスの実現に向けた地方自治体の取り組み・動きを紹介します。

次世代育成のための取り組み

社会全体で子育てを応援し、働き方改革、ワークライフバランスの改善を次世代の育成につなげようという試みを推進する自治体のひとつに、北海道があります。北海道は、8年前の2009年から「社会全体による子育て支援の推進やワークライフバランスの促進の2つの項目からなる取り組みを連携して進め、子どもたちの未来に夢や希望が持てる活力ある北海道の実現を目指す」という趣旨の「ほっかいどう子育て応援共同宣言」を発表。また、毎月19日の「道民育児の日」や第3日曜日の「道民家庭の日」を制定し、家庭への回帰や子育て、ワークライフバランスの大切さを周知しています。
最近では、さまざまな自治体の首長を中心に「イクボス」宣言をする動きが広がっています。イクボスプロジェクトを推進するNPO法人ファザーリング・ジャパンによると、イクボスとは、「職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)」のこと。岩手県の達増拓也知事をはじめ、群馬県の大澤正明知事も宣言しました。県庁だけでなく、県内の一般企業のあいだでも、働き方の見直しやワークライフバランスの充実などの意識改革が進むことが期待されています。
また、「日本一のネット市長」として知られる千葉市の熊谷俊人市長は、全国の政令指定都市市長のなかでも特に若く、子ども2人を育てる現役の子育て世代です。熊谷市長は、ツイッターなどのSNSを活用した情報発信や市民との対話を積極的に行っていることでも知られています。市長のツイッターでは、市政に関する情報のほか、日常のふとした子どもとの会話などプライベートも配信。市長という多忙な役職にもかかわらず、子どもの保育園の送り迎えなどもしていると明らかにしています。
このように、自治体のトップ自らが積極的に子育てなど次世代の育成に向けた取り組み姿勢を見せることで、世論も変わっていくのではないでしょうか。

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ワークライフバランス改善に向けた取り組み

長時間労働の削減、休暇取得促進など、主に勤務時間の短縮・調整などにより仕事とプライベート双方の充実を図ろうという取り組みを推進する自治体も増えています。
例えば岐阜市では、7月から3ヶ月間、標準就業時間を30分から1時間前倒しする「朝型勤務」を認めています。これは、日の長い夏場の夕方を有効活用しようという「ゆう活」(夏の生活スタイル変革)推進策のひとつ。2016年7月は203人、8月は224人、9月も144人が同制度を活用(延べ数)。窓口対応の少ない部署での実施が中心のようですが、利用した職員からは「早朝に集中して仕事ができた」など好評だったとのことです。
瀬戸内海の温暖な気候に恵まれた愛媛県は、「通勤通学時間の短さ」、「仕事時間の短さ」、「帰宅時間の早さ」、「夕食開始時間の早さ」などの、ワークライフバランスの充実度を示す生活指標が全国上位に位置することで知られています。ただ、労働時間は全国平均を下回るものの、有休の取得率では全国の下位にとどまっており、働き方の見直しが求められています。同県では、「えひめ働き方改革宣言」のもと、すべての世代が活き活きと働くことができる職場環境づくりを目指しています。
南国気候とのんびりした地域性がイメージされる沖縄県ですが、雇用環境は厳しいものがあるようです。2015年の「沖縄の雇用・労働環境の改善に向けた共同宣言」によると、正社員など常用雇用者の労働時間は年2000時間を超え、有休取得率は50%前後。さらに健康診断の受診率は63%と3年連続で全国最下位です。県全体の失業率は20年ぶりの低水準となったものの、全国平均よりも高い5.4%。特に若者の失業は深刻で、15~29歳までの完全失業率は9.4%に上っています。35歳以下の働く人の2人に1人は非正規雇用で、新卒での就職後3年以内の離職率も高止まりしています。
沖縄の強みは、全国平均ほど少子化が進んでいない点にありますが、それでも地元に魅力的な仕事がなければ、将来的に若者は他地域に流出していくことが予想されます。沖縄県は、若者が初期段階で魅力的なキャリアを歩めないことは社会的な損失につながるとして、「ゆう活」や「イクボス宣言」のほか、有休を取得して連続休暇を増やす「プラスワン休暇」の周知といった労働改革に取り組んでいます。

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地方を「働く場」として魅力的に

こうしたさまざまな地方自治体での取り組みの背景には、職場環境などを見直し、働きやすい環境を整えることで、Uターン、Iターンなどによる労働人口の呼び戻し・呼び込みを狙おうという目的があります。
少子高齢化が進むなかで、生活に便利な都市部への人口の一極集中はますます進むとみられています。一方で、「まだ東京で消耗しているの?」というフレーズとともに高知県の山村に移り住んだ有名ブロガーが話題を呼び、時間や働く場所にしばられにくいIT系企業などが自然豊かな地方都市にサテライトオフィスを開設するなどの動きもみられています。
Uターン、Iターンなど、地方に「逆流」する人材はまだまだ少数派です。地方暮らしに憧れを抱いていても、実際に移住して仕事をするとなれば、雇用や生活文化、住まい、交通手段などの物理的な問題も立ちふさがるため、容易ではありません。
しかし、長時間労働や生活コスト高などを背景に「東京で消耗した」若い世代は少なくないとみられます。そもそも、地方が衰退した理由のひとつは、そこに魅力的な企業や仕事がなかったということが挙げられます。バブル崩壊や昨今のグローバル化で日本の製造業が海外シフトを強めるなかで、地方から製造業での雇用が失われました。人口が減少すれば、サービス業などの労働集約型産業も衰退し、地域は疲弊していくという悪循環です。
しかし近年、物流やテクノロジーの進化で、地方と都市部の差は縮まりつつあります。「働く場」として地方が魅力的になれば、都会の優秀な若者を地方に誘致できる可能性は高まるでしょう。

「働き方改革」で一石二鳥を狙え

以上、地方自治体における働き方改革/ワークライフバランス改善への取り組みを紹介しました。
厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」が設置されるなど、第3次安倍内閣が働き方改革実現への取り組みに本腰を入れ始めてから約1年。今後もさまざまな取り組みが行われていくとみられます。
日本が歴史上類を見ない少子高齢化時代に突入するなか、働き手を確保するためにも、働き方改革は待ったなしの状態です。地方自治体でも働き方改革/ワークライフバランス改善に力を入れていくことで、労働者がよりよい生活を手に入れるとともに、地方に活気を取り戻す「一石二鳥」を狙うことができるかが注目されています。

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