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「働き方改革」は若者にとって希望か、それとも絶望か。現場が示すべき改革のゴールとは?

成長/戦略

近年、IT環境が発達したことで誰もが情報を入手しやすくなったことから、多様なワークスタイルが実現してきています。また、仕事の現場では「働き方改革」が進み、新旧のワークスタイルが入り混じっているようです。そのような社会を背景に、新しいことに挑戦しようとする若者の前には多彩な選択肢が広がっています。

選べる道が豊富になった現代の若者たちは、はたして幸福なのでしょうか? 企業は「働き方改革」に取り組むなかで、若者たちを自社に惹きつけ長く育てていくために、どのようなビジョンを示すことが必要でしょうか。若者の思いと現場の思いを比較しながら、「働き方改革」の目指すべきゴールを考えてみましょう。

日本の若者のライフスタイルと価値観~「働き方改革」による選択肢の多様化は若者には喜ばしい!?

はじめに、現代の若者像に迫ってみましょう。内閣府が行なった調査「平成26年版 子ども・若者白書」の結果から浮かび上がってきた若者の傾向や特徴をご紹介します。もちろん、すべての若者に当てはまるわけではなく、また地域によっても異なるでしょう。社会全般の変化にともなう大まかな傾向として捉えてください。

現代の若者像1:「貢献意欲はあるが、自己肯定感は低い」

調査結果によると、外国と比べ日本の若者はあまり将来に明るいものを感じていないとのことでした。 「自分の将来について明るい希望を持っていますか?」という質問に対して、「希望がある」「どちらかといえば希望がある」と答えた割合の合計は、アメリカ、フランス、スウェーデン、イギリス、韓国、ドイツ、日本の7カ国中最下位でした。

トップはアメリカの91.1%、ドイツは6位で82.4%。日本は61.6%です。そのほか、自分自身に対する満足度や友人関係の満足度職場の満足度」も最下位。逆に日本がトップだったのは「自国のために役立つと思うようなことがしたいか」です。

また相対的に、日本の若者は諸外国の若者に比べて悲観的なようです。同調査で、自分に対しても友人関係も、家族や学校、職場に対しても満足していると感じる人の割合が、他の国と比べて20~30%前後も低いことがわかりましたが、これは寂しい結果といえます。

その一方、「貢献意欲」が高いという結果でしたが、これは物質的な豊かさより、精神的な満足感を求める傾向がより高まっているといえるかもしれません。つまり、何か「やりがい」や「手ごたえ」を求めているともいえるでしょう。

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現代の若者像2:「やりたいことが見つかるまで仕事を固定したくない」

現代は昔に比べて働き方の自由度が増し、転職に抵抗を感じない人が最近は多くなっています。また、IT・通信技術を使って世界中の多彩な人生に触れることができます。ライフイベントに関する選択肢が増えたうえ、変化のスピードも速くなっています。

そのような環境のなかで育ってきた若者は、就職して1つの組織に深くコミットしすぎるとほかの選択肢を選べなくなるのでは……? と、不安に感じるようです。そのため、最近の若者は、やりたいことが見つかるまでは、比較的自由な組織に所属したがる人が多くなっている傾向にあるようです。

以上のような点から、「残業のない職場」「柔軟な働き方が可能」という時代の流れは、若者の価値観に合っているかのように見えます。ですが、それは本当に若者にとって幸せなことといえるのでしょうか?

現場の目線~これでは若者は育たない!「働き方改革」で若者は損をする!?

そこで、職場における「働き方改革」と若者の関係を見てみましょう。時代の変化を受け入れ、企業は「働き方改革」に努めているようですが、現場の若い人たちはどう思っているのでしょうか。

現場の本音1:「働かせにくくなった」

新人社員にレベルの高い仕事を頼むと、最初は時間がかかるものです。仕事の進め方が身についていなかったり、会社の基準に達するまで何度もやり直しになったりなど、スムーズに遂行できない理由はさまざまあります。そういう負荷を乗り越えて新人は成長し、生産性を高めていくものです。ですが、今日ではレベルの高い仕事を頼んで、ムリをさせてでも納期に間に合わせようとすると、残業になる可能性が高くなってしまいます。

しかし 、それには残業規制があったり、指導する時間が惜しかったりなどで、現場からは「仕事の遅い新人には頼みたくない」といった声があがるのは自然なことでしょう。時間にシビアになることでパフォーマンスの精度が上がることもありますが、それではどうしても個人プレーになりやすく、新人は育ちません。チーム力を高め、協力しあって効率を上げていくスタイルを目指すなら、上司や先輩社員に、どんな業務でも時間内に終わらせる計画力や指導力が必要になるでしょう。

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現場の本音2:「技術レベルが落ちる」「仕事の基準が低下する」

前述の若者に関する調査結果から、若者たちは「やりがい」を感じるような仕事で社会に貢献したいと思っていることがわかります。ですが、若者たちが働くことの本当の面白さを感じるようになるのは、仕事力が「一定の基準」に達してからでしょう。しかし、その基準を自ら下げてしまうと、どんな仕事をしても「やりがい」を感じるまでに至らないかもしれません。

「やりがい」や「達成感」を得るためには、「レベルが高い! 自分にはムリだ!」と感じる仕事に対して逃げずに取り組み、いつのまにか自身の仕事の「基準」が上がり、かつて「ムリ! 限界!」と思ったことが「それぐらい当たり前」に変化していく、というプロセスを踏むことが必要です。

このように仕事の「基準」を高めるには、どこかで背伸びをして頑張る経験をする必要があり、それにはそれなりの時間がかかります。したがって、若者が時短や効率を目標とする姿勢を「これが仕事なんだ」と思ってしまうと、「基準の低い人材」になってしまう恐れがあります。それでは若者の働く意欲に火が付くこともなく、その若者の人生を不幸にすることは元より、企業や社会にとっても損失です。

仕事への意欲を高めることが「働き方改革」の大前提

最近の若者には、かつてのような「新卒一括採用・年功序列・終身雇用」といった伝統的な雇用形態では合わなくなってきているようです。そのような現実を受け止めたうえで、入社した若者にきちんとした仕事観をもってもらうためには、会社のビジョンや価値観をはっきり示す必要があります。

また、若者の働く意欲を失わせない工夫がいるでしょう。若者側は、自分の好き嫌いや思い込みで判断せず、与えられたチャンスを受け取り、実際に仕事を通してその本質をつかんでいかなければ、きちんとした仕事観も育っていきません。若者にとって「ここで働けて良かった」、会社にとって「うちに来てもらえて良かった」と、どちらもが納得いく柔軟なワークスタイルを作っていくことが、これから企業に求められていくのではないでしょうか。そういった背景を踏まえて、自社の「働き方改革」の方向性を定め、内容を決定していく必要があると考えられます。

理想と現実の両方を見据えた「働き方改革」を目指そう

「働き方改革」のゴールは、「短時間で効率よく」「残業を減らす」だけに終始せず、若者をはじめ全社員の働く意欲を失わせない視点を持つことが大切です。とはいえ、現場においては現実的な問題が常にあるものです。人手が足りないのでどうしても残業になってしまう、新人を育てたくても指導力ある管理職がいない、といった悩みは、どの業界でもなくなることはないかもしれません。

しかし、そこで諦めず、試行錯誤しながら自社にとっての最適解を探し続けていくことが大切です。そのような経営者や上司の姿を見せていくことで、経営者の思いは社員に伝わっていくからです。「働き方改革」を機会に、世代を超えて社員の意欲が自然とわいてくるような新しい企業文化の創造へ挑戦していきましょう。

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