競争力強化の近道は業務プロセスのデジタル化!

成長/戦略

取引先や支店間とはファクスによる紙文書のやり取りをしている、決裁書類は上長の押印が並ぶ、法務部に保管する契約書の原本以外に営業部では参照用にコピーを手元に保管している、必要な情報は社内の担当者を探し、ヒアリングをしたり書類のコピーをもらったりしている……。これが当たり前な会社は将来が危ぶまれます。

ホームページを立ち上げWebマーケティングを実践している企業でさえも、社内業務のデジタル化は後回しになっていることが少なくありません。業務の基盤がアナログ運営では、将来のAI化やRPA(Robotics Process Automation:ソフトウェアのロボットによる業務の自動工程)化などを進める際に、デジタル化で先行している企業に後れをとる懸念があるのです。今からできる即効性の高いデジタル化についてご紹介しましょう。

当たり前な業務を改革するだけで大きな恩恵が

なんの疑問もなく行っている日常的な業務こそ、振り返ってみる必要があります。

当たり前の業務に隠されたデメリット

日報も含めた業務報告書の作成、就業の一斉化と通達指示のための朝礼、事業計画やプロジェクトの推進、問題改善や業務報告のための会議や小規模なミーティング、履行の確実化や保全のための契約書の作成と保管、厳格な書類審査を経なければならない稟議、これらはどの会社でも当たり前のように実施されています。

いわば会社業務のスタンダードですが、問題はその実施方法であり、企業の考え方や方針によってコストとリスクに大きな違いが生じます。以下の点について注視してみましょう。

  • 見えるコスト:会議室等の維持コスト、紙の保管スペースやコピー等作成のコスト等。
  • 見えないコスト:会議出席者の時間・スケジュール調整、稟議者不在による決裁遅れ、書類を探す手間等。
  • リスク:紙の書類のやり取りと保管による紛失や毀損、行方不明の状態。

どうして当たり前な業務に限って改革が進まないのか

大きな理由のひとつは、改革を進めずとも業務は大きな問題なく進行するからです。つまり、コストやリスクを放置した状態でも現状に支障は起きないのです。いくつかの要因を考えると、次のようなことが改革の妨げになっていると指摘できます。

  • 「当たり前(検討や改善の余地なし)」や、見直す優先順位が低いという認識が経営層から社員にまで浸透している。
  • 総務部や経理部門など間接部門の主導によるルールの厳格化、固定化。
  • それらのコストやリスクを見ない、測定できない。

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アナログなビジネスプロセスを放置することで競争力が減退

少し視点を変えて、世のなかの動きとして見てみましょう。CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー:最高経営責任者)に対して、CDO(チーフ・デジタル・オフィサー:最高デジタル責任者)という役職があります。CDOについて調査した結果をご紹介します。

世界でもデジタル化の遅れが懸念される日本企業

CDOの役目は企業内のIT化にとどまらず、顧客との関係やパートナー企業との連携までを含めてのデジタル化を推進し、企業の競争力を高めることです。世界的な監査法人のPwC(プライスウォーターハウスクーパース)による2016年の調査を見ると、CDOを設置する企業は全世界の平均で2015年の6%から19%に上昇。日本の設置率は7%で北米の23%に遠く及ばず、アジアの国ではオーストラリアやインド、マレーシア、タイを下回る結果となりました。

同調査では「働き方におけるデジタル化の目的」に対する回答のトップが「従業員の生産性向上(80%)」、具体的な取り組みの上位3つとして「手作業の自動化」(63%)、「業務プロセスの明確化・削減」(57%)、「ファイル共有システムの活用」(57%<いずれも複数回答>)を挙げています(Strategy&CDO調査・日本2016年11月)。

企業内のデジタル化のみならず、協力会社や顧客とのデジタルシステムによる連携や決裁を拡大し、スピード化、省力化、情報共有などを進めなければならないのが日本企業の現状なのです。大手企業に比べ中堅中小企業は一般的にデジタル化の進展が遅いと言われているので、世界企業や大手企業との差が広がらないように考えを改めなければならないとも解釈できるのではないでしょうか。

経営者の方針ひとつで明暗が分かれる

例えば海外との直接の競争がない会社でも、国内のライバルがデジタル化を先行させると競争力を失うことになります。先のPwCの報告書を読み解くと、経営層を中心にトップダウンでデジタル化を推進し、情報システム部門や担当者はその参謀役という立場になることが重要と言えそうです。今や情報システム部門は、依頼されたシステムを構築するだけでなく、デジタル化による競争力の強化という経営やビジネスに関わる重要なテーマにも大きな役目を担うようになりました。

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業務プロセスのデジタル化の恩恵、具体例

デジタル化はどこから手をつければよいのでしょうか。ここではすぐにでも取り組め、営業効果やコスト削減、ビジネスのスピードアップが図れる3つの例をご紹介します。

顧客情報の共有(名刺管理システムの活用)

ダイレクトメールを送る際、各部署から名刺のコピーを集めたり、フェアで収集した名刺をエクセルに入力して関連部署に配布したりして、フォロー担当を決めるということが日常的に行われていることでしょう。このプロセスをスキャニングやOCR(光学文字認識)を活用して名刺情報の入力をデジタル処理し、それをデータベースというシステムに保存するだけで、アフターフォローなどの管理などが容易になります。

さらにCRM(顧客情報の管理システム)やSFA(営業支援システム)と連携させれば、顧客情報をさらに高いレベルで共有でき、接触情報などの活動履歴の管理やターゲット分析などへ発展させることができます。スマートフォンでの名刺登録や、検索ができるようにすれば、外出先で訪問先の検索や選択、接触情報の入手にもとづく適切な営業やサービスを可能にします。

例えば、行った先でアポイントがキャンセルされて時間が余ってしまった場合や、訪問直前に重大なクレームが発生していた場合など、新しい営業先を探せたり対応策の立案ができたりします。このように名刺情報のデジタル化に取り組むだけでも営業的な可能性が広がるわけです。

文書の電子化

顧客には、その顧客との契約にもとづいたサービスや商品を提供しなければなりません。しかしその取引先が他部署の管轄となると、見積書や契約書、サービス対応の記録等のコピーを取得するというのは大変な手間になります。

これが実験データや設計書面、特許に関する情報など膨大な書類を管理しなければならない技術部門ともなると、しっかり管理しておかないと過去の実験結果などを探すのに相当な時間的なロスとなり、開発速度にも影響しかねません。解決にはそれらの紙書類を電子化し、一元管理する方法が有効です。検索と共有の確実化、スピード化が図れるばかりでなく、紙の保管コスト、プリントアウトコストなどの削減も期待できます。

稟議の電子化

急ぎの決裁で決裁者が不在だったり、どこまで承認されているのかが把握できなかったりして、やきもきした経験はだれにでもあるのではないでしょうか。ワークフローソフトを使った電子上の稟議なら、決裁者の外出先での承認や、決裁の進捗把握、電子データによる物理的な移動時間の短縮など、速く確実な決裁プロセスを実現できます。

意思の決定やビジネス展開のスピードアップを図れるだけではなく、稟議書類を作成する手間や資料のコピー代、用紙代の削減効果も期待できます。

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デジタル化の恩恵はそれのみにとどまらない

日常業務のデジタル化で効率化、省力化、スピード化を図った先には、AIやRPA等による自動化などがあります。アナログのままの保管や運用では、AIに読み込むこともRPA上で走らせることもできません。業務プロセスが可能な限りデジタル化されているほうが、AI化などへの移行も容易です。そしてもうひとつ、データ化しておけばバックアップ管理が容易になり、その結果BCP(事業継続性)の実現を確実にします。

今、実施しないデジタル化は将来もデジタル化されない可能性が高いかもしれません。結果としてデジタル化を進めた会社とそれが遅れてしまった会社では、将来に何らかの差となって表れてこないとも限りません。名刺情報や社内稟議・申請の電子化など、今できる身近な業務のデジタル化から着手することが、業務プロセス改革の第一歩となるのです。

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