ビジネスレポート

人材育成やビジネス力強化など 課題解決のお手伝い ビジネスレポート

なぜ周りは動いてくれないのか ― 相手のタイプと状況に応じた説得の技術 ―

3. まとめ

マネージャーは部下を通して成果を上げることが求められており、そしてそのために働きかける相手は部下だけではありません。横の組織や上司にも働きかけなければなりません。本稿では、そのための効果的な方法を説明しました。

【部下を動かす方法】【横の組織の協力を取り付ける方法】【上司から承認を得る方法】図3 部下・横の組織・上司それぞれの動かし方

それらを整理したものが図表3です。そして、その中でも相手特有の動かし方に限定した場合は、次のように説明できるでしょう。

  • 部下を動かすためには、部下の主観に訴えることが効果的です。他の相手と比較した場合、“会社にとって”ではなく“自分にとって”を重視する傾向が相対的に大きいからです。
  • 横の組織から協力を取り付けるためには、相手のメリットを訴えることが大切です。同じライン上である上司や部下とは異なり、横の組織は利害が一致しないことが多いでしょう。そのような状況では自分の主張だけを訴えていても話は進展しません。
  • 上司から承認を得るためには“会社にとって”がすべてです。そのため、その提案が会社のためになることを、客観的、合理的に訴えることが大切です。さらに言えば、あらかじめ上司と何度も意見交換を繰り返しておくことが肝になります。

このように、他者を動かすポイントは、相手によって異なります。マネージャーは上手く使い分けなければなりません。

例えば、マネージャーが部門の戦略を考えたとします。その戦略を上司に説明する際には、恐らくデータを使いながら、上手くいく可能性を合理的に説明するでしょう。そして上司の承認がとれた後に部下に説明する際も、同じスライドを使って、同じように説明する人が多いでしょうが、それが一番やってはいけないことです。戦略の根拠となるデータを列挙することではなく、あるいは会社の業績向上を訴えることではなく、部下にとってどんな意味があるのかを強調すべきなのです。周囲を動かしながらものごとを進めていくためには、こうした使い分けが必要です。

最後までお読みくださりありがとうございました。
より詳しくお知りになりたい場合は、以下に紹介する書籍をご覧ください。

書籍紹介『戦略の実行とミドルのマネジメント』

[著] 坂本 雅明 [出版社] 同文舘出版

戦略を成果につなげるために、現場メンバーをあずかるミドルマネージャーは何をすべきなのか。富士ゼロックス総合教育研究所では、4年にわたって6種類の定量・定性調査を実施し、『人材開発白書』(2011~2014)で報告しました。本書はそれらを統合・再構成したものです。経験主体の書籍が多いこの分野で、客観的データからの解明を試みるユニークな内容であり、また「自己診断票」で自己のマネジメントを振り返りながら読めるのも特徴です。

戦略の実行とミドルのマネジメント
  • 序章  組織の中でのミドルマネージャーの役割
  • 第1章 事業トップからのミドルマネージャーへの期待
  • 第2章 ミドルマネージャーのマネジメント状況と問題点
  • 第3章 マネジメントに必要な2つの側面
  • 第4章 “方向づける”ために
  • 第6章 “力を引き出す”ために
  • 終章  ミドルマネージャーが乗り越えるべき3つの壁

<参考文献>

  • 注1 P. F. ドラッカー(2000)『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社
  • 注2 Katz, D and Stotland, E. (1959) A preliminary statement to a theory of attitude structure and change. S. Koch (Ed.), Psychology: A study of a science, Vol. 3. McGraw-Hill, New York, pp.423-475.および予備調査結果をもとに作成。Kats and Stotland (1959)では、「態度」の定義を、認知的側面+評価的側面+行動的側面としている。
  • 注3 Bandura, A.(1997) Self-efficacy: The exercise of control. W. H. Freeman.
  • 注記 このレポートは2016年8月時点の情報です。2019年7月1日より株式会社 富士ゼロックス総合教育研究所はパーソルラーニング株式会社になりました。

富士ゼロックスダイレクト「お役立ち」では、この他にも複合機の活用術やビジネスに役立つ法務知識、健康に役立つトピックスなど、富士ゼロックスが厳選した情報をお届けしています。

富士ゼロックスダイレクト会員の方は「ログイン」にお進みの上、ぜひご活用ください。

ログイン

富士ゼロックスダイレクト会員のお客様はこちら

ログイン

パスワードをお忘れの方